職員団体(しょくいんだんたい)とは、国家公務員においては警察職員、海上保安庁又は刑事施設において勤務する職員、特定独立行政法人、国有林野事業の職員、日本郵政公社の役職員を除く職員が、地方公共団体の職員においては、警察職員、消防職員、企業(公営企業)職員、特定地方独立行政法人の職員を除く職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう。公務員の労働組合であるが、労働組合法の適用を受けず、公務員法制上は「職員団体」と称する。民間の労働組合と比較すると、団体協約(労働協約)の締結権が否定されるとともに、争議権が否定されていることに違いがあり、その代償措置として人事院、人事委員会又は公平委員会による救済が得られる点が異なる。
なお、特定独立行政法人、国有林野事業の職員、公営企業職員、特定地方独立行政法人の職員は労働組合を結成することができる。
目次
1 法的根拠
2 要件
3 職員団体の登録
3.1 登録の要件
3.2 付与される法的利益
4 結成・解散、加入・脱退
5 在籍専従
5.1 いわゆる「ながら条例」について
6 職員団体の団体交渉
6.1 団体協約締結の禁止
6.2 予備交渉
6.3 書面による協定(地方公務員のみに存在)
7 争議行為等の禁止
8 地方公営企業の特例等
9 関連項目
10 外部リンク
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法的根拠
国家公務員法第9節
地方公務員法第9節
教育公務員特例法
以下の記述は地方公務員を対象とした記述であるが、国家公務員についてもおおむねこれに準ずる規定が設けられている
要件
主たる目的が職員の勤務条件の維持改善を図ること(地方公務員法第52条第1項)
なお、主たる目的が勤務条件の維持改善であれば、社交的目的、文化的目的などを併せ持っても構わない。
主たる構成員が警察職員、消防職員、企業職員、特定地方独立行政法人職員を除く地方公共団体の職員であること
したがって、主たる構成員がこの要件を満たしていれば、若干数職員以外の者が加入していても、また当該団体の役員が職員以外の者であっても、差し支えない。
管理職員(人事院、人事委員会又は公平委員会が規則で指定する職員)とそれ以外の職員とが混在する団体でないこと(同法第52条第3項)
これは、両者の利害関係が相反するため定められている。したがって、管理職員であっても、それ以外の職員が混在していない職員団体を組織することはできる。
職員団体の登録は、国家公務員においては人事院、地方公務員においては、人事委員会又は公平委員会が行う。ただし、市町村立の小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、盲学校、聾学校、養護学校の教職員(校長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、講師、学校栄養職員、学校事務職員)(いわゆる県費負担教職員)については、任命権者・給与負担者が都道府県教育委員会であることから、都道府県の職員団体とみなされ、職員団体の登録は都道府県の人事委員会で行う。
職員団体の登録の制度は、職員団体が自主的かつ民主的に組織されていることを、人事委員会等が公証するものである。 職員団体は、その登録の有無にかかわらず、地方公共団体の当局と交渉することができる。
登録の要件
職員団体の規約中に法定記載事項(名称、目的等)が記載されていること(地方公務員法第53条第2項)。
職員団体の重要事項(規約の作成又は変更、役員の選挙等)が民主的・自主的手続により決定されること(同法第53条第3項)。
職員団体の構成員が、原則として、同一の地方公共団体の職員(警察職員及び消防職員を除く)のみをもって組織されていること(同法第53条第4項)。
職員団体の登録を受けることにより当該団体に与えられる法的利益として、次のものが挙げられる。
法人となる旨を人事委員会又は公平委員会に申し出ることにより法人となることができる。(同法第54条)
地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件等に関し、適法な交渉の申入れがあつた場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。(同法第55条第1項)
職員は、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもっぱら従事することができる(これを「在籍専従」という。詳しくは後述)。(地方公務員法第55条の2第1項)
職員団体の結成・解散、加入・脱退は完全に職員の自由にゆだねられている(地方公務員法第52条第3項)。 これは、いわゆるオープン・ショップ制を法の上で定めたことを意味している。したがって、クローズド・ショップ制あるいはユニオン・ショップ制を地方公務員に適用する余地はない。