重合反応(じゅうごうはんのう、polymerization reaction)とは重合体(ポリマー)を合成することを目的にした一群の化学反応の呼称である。また重合反応はその元となる反応の反応機構や化学反応種により細分化され、区分された反応名に重または重合の語を加えることで重合体合成反応であることを表す。
目次
1 分類
2 特徴
2.1 反応点による違い
2.1.1 連鎖重合
2.1.2 逐次重合
2.1.3 リビング重合
3 反応
3.1 重縮合
3.1.1 重合度調節剤
3.2 重付加
3.3 付加縮合
3.4 イオン重合
3.4.1 カチオン重合
3.4.2 アニオン重合
4 関連項目
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次に主な重合反応の分類を示す。
反応点による分類
連鎖重合 - 連鎖反応
逐次重合
リビング重合
反応機構による分類
付加重合 ? 付加反応
重縮合(縮合重合)? 縮合反応
付加縮合
化学反応種による分類
ラジカル重合 ? ラジカル反応
イオン重合 ? イオン反応
カチオン重合
アニオン重合
配位重合
開環重合
共重合体の単位構造配列による分類
ランダム共重合体
交互共重合体
ブロック共重合体
グラフト共重合体
重合体の物性は分子量あるいは重合度の大小で変化し、分子量で10,000以上、重合度でおおよそ100を越えると重合度に由来する物性の変化が見られなくなる。これら以上の分子サイズの重合体を一般に高分子と呼ぶが、例えば重合度が100になるには連鎖重合では99段階、逐次重合では少なくとも7段階の反応を経ないと到達しえない。言い換えると逐次重合で7段階を繰り返した後の収率が多く見積もっても50%であるためには単段階の収率 x は 0.5 = (x)7 すなわち 以上ある必要があることが判る。実際の高分子の製品は重合度は1,000を越えるものも珍しくないので高分子を合成する反応は、副反応を起こさない高収率な反応である必要がある。
重合反応の反応点の位置と反応の進み具合は化学反応種に特有であり、次のように分類される。
逐次重合
重縮合
重付加
付加縮合
連鎖重合
ラジカル縮合
イオン縮合
カチオン重合
アニオン重合
配位重合
開環重合
反応点の違いによる特徴は次の通りである。
重合反応ではモノマー同士、重合体とモノマーあるいは重合体同士が反応することで重合度が大きくなってゆく。したがって、重合反応の反応点(活性部位)がどこに存在するかで重合の進み具合が変わってくる。ラジカル重合のように反応点が重合体の末端に存在し、端から1つ1つモノマーが反応する場合を連鎖重合と呼び、反応の初期段階から高い重合度の生成物が反応系内に現れる。
一方、重縮合のように反応点がモノマーに存在する場合は逐次重合と呼び、反応の初期はモノマー同士が反応した低重合度の重合体が多いが、モノマーが消失するにつれ重合体の反応が増え、反応後半になって高重合度の重合体が現れてくる。
また、重縮合で重合体末端にも活性点が維持される場合は、反応の前半後半に関係なく重合度は一定のペースで増大する。このような反応をリビング重合と呼ぶ。リビング重合を示す重合体は後になってモノマーを追加すると重合反応が再開する。この性質はブロック重合やポリマーアロイでは重要な性質である。
重縮合(じゅうしゅくごう)は、縮合反応で逐次重合する反応に与えられた名称であり、縮重合(しゅくじゅうごう)とも呼ばれる。代表的な重合体を次に示す。
ポリアミド樹脂(ナイロン)
ポリエステル樹脂 (PET)
ポリカーボネート樹脂
通常縮合反応は可逆反応である為、素反応の収率を向上させる為に反応の平衡を生成物側に偏らせる反応条件が選択される。 1つめの方法は反応系内の脱離基成分を除去する方法である。ポリアミド樹脂の場合カルボン酸成分とアミン成分の選択により脱離基成分が変わり、それに伴い脱離基成分の除去方法も変わってくる。
加熱溶融重縮合法(均一系反応)遊離カルボン酸 + アミン ? (減圧下)加熱して H2O を系外へ除去カルボン酸エステル + アミン - (減圧下)加熱して ROH を系外へ除去
界面重縮合法(二層系反応)カルボン酸ハロゲン化物 + アミン ? 二層反応で水層に脱酸剤(アルカリ)を加えて、HXを補足
特に、界面重縮合法では有機層と水層の境界(界面)に重合体が生成するので、その重合体を適当な速度で反応容器外に取り出すと反応は停止することなく連続するので、融点が高くて加熱溶融重縮合法が採用できない場合などには工業的に有用な方法である。
重合度調節剤(じゅうごうどちょうせつざい)とは平衡が存在する重縮合反応の重合度を調節する目的で添加される成分である。
前述の通り、重合度は素反応収率と関係があるので、均一系逐次重合の場合は重縮合の原料成分のモル比を精密につりあわせないと重合度の高い生成物が得られない。逆に成分の一方をわずかに過剰にしたり、反応部位の官能基を1つだけ持つ副成分を添加することで、平衡しているときの重合度を制御することが出来る。