絞り_(光学)
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光学系において絞り (しぼり、Aperture) とは、通過するの量を調整するために用いる遮蔽物のことである。
目次

1 定義

2 応用

3 写真撮影用レンズの絞り

3.1 一眼レフカメラの自動絞り


4 眼球の絞り

5 関連項目

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定義絞り

絞りは光学系において光の量を調整するために、光を遮り、一部だけを通す板状のもの、または、そこにあけた孔のことである。光を吸収させるため通常は色をしており、孔の大きさを微調整できるようにするために複数の板を重ね合わせたものもある。孔は円形または多角形であることが多い。また、レンズの大きさに対し絞りの大きさを示すものとしてF値(えふち、F-number)がある。


応用

絞りは写真機望遠鏡光学顕微鏡などさまざまな光学機器に利用されている。写真フィルムなどに結像させる場合、フィルムの受ける光量が許容量を超えると、意図する撮影結果を得られなくなる。これを防ぐために絞りを利用して受光量を調整する。デジタルカメラなど固体撮像素子を用いる場合も、受光により発生する電荷が飽和して撮影できなくなることを防ぐために、調整可能な絞りを内蔵しているものがある。絞りは結像面に入る光量を制限することから、絞りを小さくすると情報量が小さくなりノイズの影響を受けやすくなる。そのため鮮明な像を得るにはできる限り多くの光量を確保することが必要である。

絞りは、写真機などではレンズと結像面の間に配置される。光学顕微鏡のように対象物体が小さい場合は、物体を照明する光そのものを絞りによって調整する。そのため、絞りは反射鏡とステージの間に設置されている。テレセントリック光学系では、光軸と主光線を平行にするためにレンズの焦点付近に孔の小さな絞りが配置される。


写真撮影用レンズの絞り図1: 7枚構成の絞り羽根機構で絞り込まれた孔図2: 絞りの調整 (22?2の数字)

通常の写真撮影用レンズの絞りは、微調整できるようにするために図1のような複数枚の板(絞り羽根)を重ね合わせて作られている。この図にある絞りの場合、7枚の羽根で7角形ができている。このような絞りを虹彩絞りという。 絞りの形が角ばっていると、ボケが汚くなる傾向があるため、なるべく絞りの枚数を増やして円形に近い開口部になるようにした設計のレンズが多いが、特に一眼レフカメラに用いる自動絞りレンズは、絞り羽根を小さなトルクで一瞬にして開閉できなければならないため、羽根の枚数をむやみに増やせず、通常は最多でも9枚程度の枚数に限られる。 また、限られた枚数でより円形に近づけるために絞り羽根の形状を加工したもの(円形絞り)や、複数の口径の真円があらかじめ打ち抜かれている絞り板を次々に入れ替えるものも存在する。

図2の写真撮影用レンズでは、筒の部分にある絞りリング(絞り環、絞り冠)を回すことにより絞りを手動で調整できる。ただし現在はレンズからの入光量や被写体の周囲の明るさに応じて絞りを自動調整するAEカメラが主流となっており、手動調整ができないものも多い。

絞りの調整値はF値で表現される。F値を倍すると入光量は1/2になり、F値をすると入光量は2倍になる。また、入光量を2倍とするよう絞りを調整することを「一段開く」、入光量を1/2倍とするよう絞りを調整することを「一段絞る」という言い方をすることがある。「段」を基準にした絞りの単位をアパーチャーバリュー(Av)という。

実際にカメラで使われるF値は、一段刻みならば1、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22・・・といった数値が使われる(1/2段刻み、1/3段刻みなどの場合もある)。

絞りを調整するということは、単に露出量(露出量は、絞りの他に露光時間に依存するが)を変化させるだけでなく、被写界深度も変化させることになる。絞りを絞るほど(F値を大きくするほど)、被写界深度が深くなる(ピントの合う範囲が大きくなる)。撮影時にはこのことにも注意が必要になる。

また、絞りのF値と開口数は反比例の関係にある。

特殊な絞りとして、複数の開口部を持つ絞り(形状からレンコン絞りとよばれる)を用いたレンズがある。この絞りが入ったレンズはソフトフォーカスレンズになる。


一眼レフカメラの自動絞り

一眼レフカメラの場合、撮影用の光学系を通った光をファインダーに導いているため、絞りが絞り込まれた状態ではファインダー像が暗くなるうえ、スプリットイメージやマイクロプリズムを使ってピント調節を手動で行う場合には、絞りを開放しないと必要な光量がファインダーに届かずピント調節が困難になるなどの問題がある。このため、構図の確認やピント調節を行う際には絞りを開放しておき、撮影の際に必要な量だけ絞り込む操作が必要となる。これを自動で行う機構が自動絞り機構である。

詳細は自動絞りを参照


眼球の絞り

ヒトを含む多くの脊椎動物の眼球にも絞りと同様の働きをもつ虹彩が存在する。これによって網膜で受ける光の量が許容範囲内に調整され、網膜を保護するとともに視覚機能を補完している。虹彩は明るい場所では絞られて小さな孔となり、暗い場所では逆に開かれて大きな孔となる。虹彩の反応速度はカメラのように速くはない。暗所から明るい場所に移動すると眩しさからしばらく目蓋を開けられなかったり、明るい場所から暗所に移動するとしばらく周囲がよく見えなかったりするのはこのためである。

なお、暗所から明るい場所、あるいは明るい場所から暗所への順応が即時にできないのは、虹彩の反応速度はカメラのように速くはないということだけではなく、網膜の視細胞の性質によるところが大きい(詳しくは暗順応を参照)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki