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結核(けっかく)とは、結核菌 Mycobacterium tuberculosis により引き起こされる感染症。結核菌は1882年に細菌学者ロベルト・コッホによって発見された。日本では、明治初期まで肺結核は労咳(癆?、ろうがい)と呼ばれていた。
目次
1 概要
2 総論
2.1 病原体
2.2 伝播様式
2.3 一次結核
2.4 再活性化
3 肺結核
3.1 症状
3.2 検査所見
3.3 画像所見
3.4 治療
4 結核性髄膜炎
4.1 症状
4.2 身体所見
4.3 検査所見
4.4 治療法
5 結核性リンパ節炎
6 結核性心膜炎
7 結核性腹膜炎
7.1 症状
7.2 検査所見
7.3 治療法
8 腸結核
8.1 症状
8.2 画像所見
8.3 合併症
8.4 治療
9 腎結核
10 副腎結核
11 結核性卵管炎
12 筋骨格系の結核症
13 皮膚結核
14 逸話
15 参考文献
16 関連項目
17 外部リンク
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空気感染が多く肺などの呼吸器官においての発症が目立つが、中枢神経(髄膜炎)、リンパ組織、血流(粟粒結核)、泌尿生殖器、骨、関節などにも感染し、発症する器官も全身に及ぶ。結核菌は様々な器官において細胞内寄生を行い、免疫システムはこれを宿主細胞もろともに攻撃するため、広範に組織が破壊され、放置すれば重篤な症状を起こして高い頻度で死に至る。肺結核における激しい肺出血とそれによる喀血、またそれによって起こる窒息死がこうした病態を象徴している。
ストレプトマイシンなどの結核菌に効果のある抗生物質が発見され、治療に使われるまでの長い間、不治の病とされ恐れられ、かつては日本では国民病・亡国病とまで言われる程の侵淫を見た。現在でも日本や欧米を含む世界中に分布しており、毎年300万人が結核により命を落としている。
日本では第二次世界大戦後、抗生物質を用いた化学療法の普及などによって激減したが、他の先進工業国に比べて感染率と死亡率は高い状態である。2001年5月に20名の集団感染が発生した大学で診断を実施した教授が「関心の低下も一因」と指摘する[1]など、結核の危険性に対する日本国民の関心低下が指摘[2]されており、今日では逆に「結核は過去の病気ではない」というスローガンで注意の喚起が叫ばれている。
予防策として日本ではBCGが行われているが、アメリカでは行われていない。フランスなどのヨーロッパ諸国では継続して行われている国も、中止に到った国もある。BCGを行うことのメリットは、小児の結核性髄膜炎と粟粒結核の頻度を有意に減少させることにある(有効性 80%)。しかし、成人の結核症を減少させるという根拠はない(有効性 50%)。いっぽうデメリットとしては、ツベルクリン反応を陽性化させてしまうため結核の診断が遅れることにある。結核菌の頻度が低い地域ではBCGを行うデメリットが大きいと思われる。BCGを中止したスウェーデン、旧東ドイツ、チェコスロバキア等では、中止後小児結核が増加した。結核菌の頻度が高い(特に家族間感染が多い)日本などの地域では今後もBCGは行われていくと思われる。
なお、日本ではまずツベルクリン反応検査を行い、陰性反応が出た者のみにBCG接種を行う形だったが、2005年4月1日より結核予防法の改定により、ツベルクリン反応検査を行わずに全員にBCG接種を行う形になった。
結核は、抗酸菌群に属するMycobacterium tuberculosis(ヒト型結核菌)、M. bovis(ウシ型結核菌)、M. africanum(アフリカ型結核菌)等結核菌群によっておこるが、日本の結核は主に M. tuberculosis による。
なお、Mycobacterium tuberculosisの読みは、日本細菌学会編の『微生物学用語集』には「マイコバクテリウム・ツベルクローシス」と記載されている。tuberculosisは英語風に「テュバキュローシス」と読まれることもある。
結核菌を含む飛沫核の吸入による。空気感染を示す。
吸入された結核菌がリンパ行性、血行性に体中に広がり細胞内に寄生して潜伏する。無症状である。免疫応答が不十分な宿主においては結核症を発症する。典型的には上肺野、肺尖部領域の肺結核を発症する。
充分な免疫応答が得られても、宿主の免疫機能が後天的に障害されると、結核菌は活性化する。