算木(さんぎ)または算籌(さんちゅう)とは中国数学や和算で用いられた計算用具である。縦または横に置くことで数を表した。算木に基づく算木数字も使われた。
目次
1 歴史
2 算木の使用
3 算木数字
4 代数記号
5 Unicode
6 易占用の算木
7 易者のシンボル
8 参考文献
9 関連項目
10 外部リンク
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中国では紀元前から算木が使われていた。1954年、湖南省長沙の左家公山 15 号楚墓で、戦国時代の算木が四十数本発掘された[1][2]。文献の記録はさらに古く、老子には「善く数える者は籌策(ちゅうさく)を用いず」とある[3]。
13世紀にそろばんが使われるようになるまで、算木で計算を行った。算木はそろばんと異なり高次の代数方程式を解くことができたが、中国ではそろばんの普及により解法が失われた。江戸時代の日本の数学者はそろばんと並んで算木を用い、数学の発展に貢献した。
算木は長さ 3〜14cm の木製または竹製の細長い直方体で、縦または横に並べて数を表し、配列を動かすことで四則演算、開平、開立などの計算をした。1 から 5 まではその数だけ算木を並べ、6 以上は異なる向きの 1 本で 5 を表した。
アラビア数字のように左を上位として横に並べることで数を示す。隣の桁と間違えないよう、桁によって算木の向きを変え、縦式によって奇数桁(一・百・万…の位)を、横式によって偶数桁(十・千…の位)を示した。孫子算経には「一は縦、十は横、百は立ち、千は倒れる」とある[4]。
日本では算盤(さんばん)と呼ばれる格子を書いた布の上で算木を使い、主に縦式だけを用いた。
算木は 2 色に着色され、赤の算木は正の数を、黒の算木は負の数を表した。0 はその場所に算木を置かず空けておくことで示し、後に碁石を置いて明示するようになった。九章算術には、「(引き算の時)同符号は引き、異符号は加える。正を無入から引いて負とし、負を無入から引いて正とする」とある[5][6]。この「無入」とは 0 のことである。これから、0 と正負の計算を理解していたことが分かる。
例:
算木を紙に記すときは正の数をそのまま書き、負の数は最後の桁に斜線を書いて示した。この算木数字は真の位取り記数法である。横式の字の縦棒は、字の高さを揃えるため短く書いた。
また当初 0 は空白だったが、〇を書くようになった。718年に瞿曇悉達によりインド数字から導入されたとも[5]、中国語で欠字を表した「□」から来ているとも[7]言われる。