立体配座
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立体配座(りったいはいざ、Conformation)とは、単結合についての回転や孤立電子対を持つ原子についての立体反転によって相互に変換可能な空間的な原子の配置のことである。

二重結合についての回転や不斉炭素についての立体反転のように通常の条件では相互に変換不可能な空間的な原子の配置は立体配置という。
目次

1 概要

2 単結合についての立体配座

3 シクロヘキサン環の立体配座

4 孤立電子対を持つ原子の立体反転

5 高分子の立体配座

5.1 タンパク質

5.1.1 タンパク質溶解度と立体構造

5.1.2 コンフォメーション変化とフォールディング


5.2 核酸

5.2.1 リボ核酸(ribonucleic acid, RNA)

5.2.2 リボザイム


5.3 脂質

5.4 多糖


6 関連項目

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概要

立体配座は結合の回転に起因する自由度により、その取りうる状態の数が規定される。したがって、取りうる立体配座の数は低分子から高分子へと分子を構成する単結合が増えるにつれて爆発的に増大する。

生体分子(タンパク質核酸脂質糖etc.)は各結合の立体配座が変化することで立体構造を大きく変化させる。言い換えると、高分子の各結合の立体配座の総体が高分子の立体構造を規定する。それゆえコンフォメーション変化により高分子の取りうる立体構造の特定の一つもコンフォメーションと言い表される。特にタンパク質の場合にこの用語が使用されることが多い。しかしながら、立体構造が重要であるような生体分子の場合には広く適用されている。また、特殊な状態(液相、温度、pHなどの変化)をのぞけば自発的に構造が決定される。また、特定のコンフォメーションを取ることが、タンパク質核酸の生物学的作用発現に必須でもある。

立体配座が異なるだけの2つの分子の関係は配座異性体(はいざいせいたい)あるいはコンフォーマー(conformer)という。 非常に低温にしたり、立体的に大きな置換基を導入することで、回転や立体反転に要する活性化エネルギーが分子の持つ熱運動のエネルギーを上回るようにすると、配座異性体間の相互変換が不可能になりそれぞれの配座異性体が単離できるようになる。


単結合についての立体配座

X-A-B-Yというように原子が結合している単結合A-Bの回りの立体配座について考える。 単結合A-Bについての立体配座は、結合X-Aと結合B-Yの二面角で区別され、以下のように命名されている。

二面角0?30度:シンペリプラナー(synperiplanar:記号sp)

二面角30?90度:シンクリナル(synclinal:記号sc)

二面角90?150度:アンチクリナル(anticlinal:記号ac)

二面角150?180度:アンチペリプラナー(antiperiplanar:記号ap)

単結合についての立体配座はニューマン投影図で表すことが多い。 二面角が0度、120度の場合、ニューマン投影図で見るとA上の置換基とB上の置換基が重なるので重なり配座あるいはエクリプス配座という。 二面角が60度、180度の場合、A上の置換基とB上の置換基が互い違いになるのでねじれ型配座あるいはスタッガード配座という。 さらに二面角が0度のものはシス配座(cis)またはシン配座(syn)、180度のものはアンチ配座(anti)またはトランス配座(trans)、60度のものはゴーシュ配座(gauche)という。

重なり配座はA上の置換基とB上の置換基が接近しているため立体反発があり、ねじれ型配座よりも不安定である。


シクロヘキサン環の立体配座

シクロヘキサン環にはいす型ふね型の2つの立体配座が存在する。 いす型配座においてはすべてのC-C結合がねじれ型配座を持つのに対し、ふね型配座においては2本のC-C結合が重なり配座を持つ。 そのためいす型配座の方が安定である。

置換基を持つシクロヘキサンにおいてはいす型配座の立体配座の中でも立体的に大きな置換基がエカトリアル位を占める立体配座が特に安定となる。 これはアキシアル位に大きな置換基があると他のアキシアル位の置換基と立体的な反発を生じるためである。


孤立電子対を持つ原子の立体反転

3つの異なる置換基を持つアミン窒素原子はsp3混成をしているため、孤立電子対を含めればピラミッド型の構造をとっており不斉中心となる。しかし、これによって生じる1対の光学異性体ジアステレオマーを単離することはできない。これは窒素原子が速やかに立体反転をしており、これらの光学異性体やジアステレオマーが相互変換しているためである。

非対称なスルホキシドの硫黄原子も同じような構造をしているが、室温付近では立体反転の速度が非常に遅いため、光学異性体ジアステレオマーを単離することが可能である。しかし高温にするとやはりアミンと同じように相互変換が起こるようになる。


高分子の立体配座


タンパク質

タンパク質の構造は以下の四段階に分けて考える事が多い。

一次構造:アミノ酸配列

二次構造:αヘリックスβシートターン

三次構造:タンパク質の折りたたみ(フォールディング

四次構造:複数のタンパク質の結合(サブユニット間相互作用)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki