空売り(からうり、英:short selling)は、投資対象である現物を所有せずに、対象物を売る行為。商品先物や、為替証拠金取引でも用いられる用語だが、ここでは株式について説明する。個人投資家の多くは、証券会社から株券を借りて売るが、大口投資家同士が株券の貸借(株券消費貸借契約)をおこない、借りた株券を売却する場合もある。株価が下落していく局面でも株取り引きで利益を得られる手法のひとつ。「信用売り」「ハタ売り」も同義語である。対義語は「空買い」。
「空売り」という言葉はネガティブなイメージを持たれる場合があるが、一定期間内(通常は6ヵ月)には必ず買い戻しをしなくてはならないので、市場の流動性を確保するにおいては(自由契約の原則を前提にした場合)ありうべき取引であり、適切に取引される限りは問題とはならない。また、決算期末の権利確定日までに現物を売りたいが、同時に株主としての権利を得たい場合に、空売りを行うことがあり、この場合は「つなぎ売り」と呼ばれる。
目次
1 空売りの流れ
2 空売りの問題点
3 逆日歩
4 関連項目
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空売りの流れを簡略化すると以下のようになる。
投資家は証券会社から株を借り、それを市場で100円で売る。投資家は株を売った代金100円を得る。
後日、当該株価が下がり、市場で同じ数量の株を代金90円で買い株式を手に入れる。
この90円で買った株式を証券会社に返却する。差額の10円が投資家の手元に残り、これが投資家の利益になる。
実際には、投資家は売買に関する手数料のほか、株を借りたことによる貸株料を証券会社に支払う。証券会社ははじめの売却代金である100円を預かるので、その金利(日歩)を投資家に支払う。
空売りでは、投資家が証券会社から株を借りるので、投資家と証券会社との間に信用関係があることが条件になる。空売りのような行為は信用取引と呼ぶ。このため空売りを行うには証券会社に信用取引口座を開設する必要がある。
もし、空売りした株の値段が予想に反して上昇した場合でも、投資家は証券会社に株を返却しなくてはならないので、空売りした時よりも高い値段で株を買い戻さなくてはならない。この場合には投資家は損をする。空売りによる利益は、倒産等による株式の無価値化の場合に最大となり、その金額は空売りを行った金額以下(上記例では100円、実際には株価は0円にはならないのでそれ以下)に限定される。一方で株価が予想に反して上昇した場合には、損害が天井知らずという危険性を持っている。
一般投資家が制度信用取引を利用することで売りポジションをもつことに対して、空売りの制度上の問題点が指摘されることはない。一方で「空売り」の基礎となる株券を担保とした金銭消費貸借契約は、本来は提出された株券を担保として金銭を貸し出す契約であって、借主の債務不履行がない限り担保権の執行が行えない前提であるところ、株式消費貸借契約の場合では金銭消費貸借の借主側の債務不履行を前提とせず担保株式の処分を可能とする契約であるため、当該企業の主要株主(オーナー株主や経営陣など)が株式消費貸借契約を申し込んできているという特筆事由を材料に、事実上のインサイダー取引が可能になる点が問題となり空売り規制の対象とされることがある。
通常は金利(日歩)が投資家に対し支払われるが、売り長(信用売り残高が信用買い残高を上回ること)などの場合、貸し株が不足する場合があり、この際には逆に投資家が証券会社や日証金に対し金利(日歩)を支払わねばならない。これを逆日歩と言い、仕手戦などの投機的な株価形成の際には売り方の買戻しやその期待感から、さらなる株価上昇の足がかりになる場合があるが、「逆日歩に買いなし、逆日歩に売りなし」という格言があるように、株価が乱高下する場合が多い。
関連項目
信用取引
著名投資家一覧
証券取引法施行令
有価証券の空売りに関する内閣府令
日本証券金融
つなぎ売り
カテゴリ: 金融 | 投資 | 株式市場
更新日時:2008年8月18日(月)13:18
取得日時:2008/08/27 07:12