礼典あるいは聖礼典(れいてん、せいれいてん、英語:ordinances)とはキリスト教、プロテスタントにおいて、神の恵みをあらわすしるしであり、イエス・キリストによって制定された洗礼(バプテスマ)と聖餐の二つである。
イエス・キリストによる制定が聖書中に確認できる礼典は洗礼と聖餐の二つのみであり、教父アウグスティヌスも礼典はこの二つであるとしていた。ローマ・カトリック教会ではこれに相当するものを秘蹟と呼び、12世紀の神学者ペトルス・ロンバルドゥスによって七つの秘蹟が主張された。2世紀のディダケーやエイレナイオスの資料では礼典についての部分的な議論が見られるにすぎない。
プロテスタントの中には、ギリシア語のミュステリオン(μυστηριον)、サクラメント(Sacrament)の語を、使う立場と使わない立場がある。英語ではローマ・カトリックと同じくサクラメントの語を使う場合もあるが、日本のプロテスタントは礼典、聖礼典と呼び、ローマ教会の用語である秘跡は使われない。
正教会ではμυστ?ριον(現代ギリシャ語読みで「ミスティリオン」、日本正教会訳では「機密」)を七つに限定する事を当初好まず、現在でも機密の限定をカトリック教会ほどには必ずしも強調しない。詳細は機密を参照。
二つの礼典のうちイエス・キリストによる洗礼の制定は、新約聖書マタイによる福音書28章19節に確認され、同じく聖餐の制定は、マタイによる福音書26章26節から29節と第一コリント11章23節に確認できる。
カトリック教会が七つの秘蹟の根拠としていたヴルガータ訳聖書の誤訳はデジデリウス・エラスムスによって発見された。宗教改革者はイエス・キリストの制定になる洗礼と聖餐の二つのみが礼典であると認めた。
神のみことばの説き明かし、礼典、戒規は宗教改革者らが強調したキリスト教会の三つのしるしである。1846年の福音同盟の会議は二つの礼典の地上における義務と永続性を確認した。
参考文献
『キリスト教神学入門』A・E・マクグラス著 神代真砂実訳 教文館
『宗教改革の思想』A・E・マクグラス著 高柳俊一訳 教文館
『聖書の教理』尾山令仁著 羊群社
『福音主義キリスト教と福音派』宇田進 いのちのことば社
カテゴリ: キリスト教 | プロテスタント | 礼典
更新日時:2008年8月8日(金)13:58
取得日時:2008/09/06 10:56