動物界 ⇒Animalia
菌界 ⇒Fungi
植物界 ⇒Plantae
原生生物界 ⇒Protista
真核生物(しんかくせいぶつ、Eukaryota, 英: Eukaryote; ユーカリオート、英: Eukarya; ユーカリア)は、動物、植物、菌類、原生生物など、身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる構造を有する生物のことである。真核生物以外の生物は原核生物と呼ばれる。
生物を基本的な遺伝の仕組みや生化学的性質を元に分類するドメインシステムでは、古細菌(アーキア)ドメイン、真正細菌(バクテリア)ドメインと共に生物界を3分する。他の2つのドメインに比べ、非常に大型で形態的に多様性に富むという特徴を持つ。5界説では動物界、植物界、菌界、原生生物界の4界が真核生物に含まれる。
目次
1 真核細胞の構造
2 繁殖
3 真核生物の起源
4 新しい分類
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真核細胞の構造真核細胞の模式図。1.核小体 2.細胞核 3.リボソーム 4.小嚢 5.粗面小胞体 6.ゴルジ体 7.細胞骨格 8.滑面小胞体 9.ミトコンドリア 10. 11. 12.リソソーム 13.中心体
真核生物の細胞は一般的に原核生物の細胞よりも大きく、場合によっては1000倍以上の体積を持つこともある。細胞内にはさまざまな細胞小器官がある。細胞核は必要な物質のみ透過する穴の開いた二重の膜で覆われており、核液と遺伝情報を保持する DNA を含んでいる。細胞のその他の部分は細胞質とよばれ、細胞骨格によって支えられている。
核の周囲を板状とチューブ状の小胞体 (endoplasmic reticulum, ER) が取り巻いている。チューブ状の物は滑面小胞体、板状の物は粗面小胞体と呼ばれており、粗面小胞体にはいくつものリボソームが張り付き、細胞内での物質の生成、伝達が原核生物と同程度に潤滑させる器官である。リボソーム内で合成されたタンパク質が小胞体に渡され、小胞に入れられて細胞全体に分配される。ほとんどの真核生物では小胞はゴルジ体に蓄積される。小胞には様々な種類があり、これらの動きを合わせて細胞内組織が構成されている。
その他にも多くの器官が存在している。原核細胞と異なり、真核細胞の中には異化作用と酸素の消費に関係するミトコンドリアがある。植物や藻の系列では細胞内に光合成を行う葉緑体も含まれている。葉緑体を内部に持つ原核生物も存在しているが、それぞれ別々に細胞内に取り込まれたと考えられている(細胞内共生説)。真核生物の多くは細胞表面に鞭毛や繊毛があり、移動に使用したり、あるいは受容器官の働きをしている物もある。
細胞分裂の際には、まず核分裂が行われる。一般に、核内のDNAは細胞分裂に先立って、より集められて染色体になり、DNAはこの染色体ごとに新しい2つの細胞のために糸状の構造(紡錘糸)によって分かれて運ばれる。分かれた染色体のコピーが渡される。これを有糸分裂と呼ぶ。真核生物の染色体は直鎖状であり、末端にはテロメアと呼ばれる構造がある。
ほとんどの真核生物では有性生殖が行われる。減数分裂後、染色体の半数体を2つ合わせて核の合成を行う。これには様々なパターンが存在する。
真核生物は、進化論的には古細菌の姉妹群とする説が有力である。これはSSU-rRNA配列や、転写や翻訳など遺伝情報に関わる遺伝子が古細菌に近いことから支持されている。この二つの生物群の共通性質として、ヒストン、プロテアソーム、t-RNAにあるヌクレアーゼ切断型イントロンの存在、抗生物質感受性の近さなどがある。一方で代謝に関連する遺伝子の多くは真正細菌と類似性を示している。これは遺伝子の水平伝播および共生したミトコンドリアや葉緑体などに由来すると考えられている。成立過程は捕食説(αプロテオバクテリアと大型の古細菌がもう一方を捕食しようと試みたとする説)、水素説(メタン生成古細菌とαプロテオバクテリアによる廃棄物のやり取りをもとにした共生)などいくつか説があるが、いずれにせよ16-21億年前に真核生物が成立したと考えられている。
現生する生物のうち、真核生物の先祖に似た生物としては、古細菌ユリアーキオータに属するサーモプラズマ属がよく挙げられる。