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聴覚障害者(ちょうかくしょうがいしゃ)とは、耳が聞こえない人、または聴覚に障害をもつ人のことである。

この聴覚障害者にはろう者(聾者)、軽度難聴から高度難聴などの難聴者、成長してから聴覚を失った中途失聴者が含まれる。

日本では聴覚障害者として身体障害者手帳を交付されている人は約36万人。しかし実態は、聴力が衰えた高齢者や「話すのにやや不便を感じる」というレベルのものまで含めると、約600万人いると言われる。

聴覚障害は、情報障害・コミュニケーション障害といったとらえ方をすることもある。『障害』という言葉は「さしさわり」「害」という意味を持つ言葉であるため呼称を変更するよう提案する立場がある。この立場を支持する人々の間では「聴覚障がい」と表記される。もちろん「言葉狩り」の批判も存在する。また、国語審議会による同音の漢字による書きかえ以前の正しい表記である「障碍」を使う場合もある。これについては国語国字問題を参照。
目次

1 概要

1.1 原因

1.2 分類

1.3 治療、対処


2 社会的な不利益

3 程度による区分

3.1 平均聴力レベルの計算式


4 身体障害者福祉法による区分

5 聴覚障害者と話す時は

6 有名な言葉

7 著名な聴覚障害者

8 関連項目

9 外部リンク

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概要


原因

聴覚障害の原因には風疹などによる先天性と後天性がある。後者には、病気、薬の副作用ストレプトマイシンが代表的)、長期間にわたる重度騒音や頭部への衝撃、精神性ストレスによる突発性難聴、加齢などがある。一般的に、聴覚障害者は聴覚以外に身体的欠陥はないが、重複障害を持つものもある。


分類

聴覚障害のタイプには、伝音性と感音性と混合性がある。伝音性は内耳までの間の音を伝える経路に原因がある場合で、感音性は内耳から奥の聴覚神経や脳へ至る神経回路に問題がある場合である。 混合性は伝音性と感音性の二つを合わさったものである。

聴覚はセンサー機能について述べ、聴力は聞く能力について述べているといえる。つまり、ある特定の聴覚神経が欠けていると、その波長の音は聞こえない。一方、聴力は聞き取る能力が低下したりする場合にいう。大きな騒音環境にいて、一時的に聞こえの能力が低下した場合は聴力低下という。


治療、対処
発話訓練
生まれつき、または3〜5歳までの言語機能形成期に聴覚を失ったり、聴力に低下を来した場合、発話障害を伴う場合がある。しかし、最近の聾学校では性能が発達した補聴器の装用で発話訓練を十分に行うようになっている。このため、昔は聾唖(ろうあ)・?唖(いんあ)と呼ばれたが、最近では発話面の障害がないことが多いため聾者(ろうしゃ)と呼ばれることが多い。ちなみに、「聾」・「?」は聞こえないこと、「唖」は話せないことを指す。
人工内耳
聴神経に音が伝わらない場合、内耳の中に電極を挿入して、補聴システムでとらえた音声信号を電気信号に変えて、その電極から聴覚神経へ直接伝える人工内耳が普及してきた。電極の数に制限があり、一方残存聴覚神経にも個体差があるため、電子回路で患者一人一人に合わせた信号補正を行っている。人工内耳の手術後も言語聞き取りのために訓練期間が必要になってくる。
補聴器
加齢などで聞こえの程度に不自由を生じた場合、補聴器を装用することが多い。そのような場合、特定周波数をとらえる聴覚神経が欠損している場合もあり、補聴器を装用したからといって、健康な状態へ回復するとは限らない。


社会的な不利益

聴覚障害の最も大きな問題は、外見上、障害が判別できないことである。そのため、二次的に社会的な不利益を伴うことが避けられない。


程度による区分

聴覚障害の程度は、医学的にはデシベル(dB)で区分する。デシベルとは音圧の単位で、健康な場合に対しどれだけ聞こえが悪くなったか(大きな音でないと聞こえないか)を示す。

聴覚障害のdB区分dB聴覚障害聞こえの程度
0聴者 
10ささやき声
20
30軽度難聴 
40普通の会話
50中度難聴
60 
70高度難聴大声
80
90怒鳴り声
100ろうガード下での鉄道走行音
110地下鉄走行音
120 
130飛行機のエンジン音

両耳で70dB以上になると、身体障害者手帳を交付される。40dB前後を超えると「話すのにやや不便を感じる」レベルになる。身体障害者手帳が交付されない40〜70dBの人達も含めると、聴覚障害者は全体で約600万人いると言われる。そのうち、約75%は加齢に伴う老人性難聴である。

なお、欧米の聴覚障害判定基準は40dB以上である。

<【参考】騒音公害の環境基準。夜間の住宅地は45dB以下。新幹線沿線住宅地は70dB以下。ただし、騒音公害の場合のdBは正確にはdBsplという単位であり、聴覚を表す音圧レベルはdBHLという単位であることから、比較の対象としてはあまり適当ではないと考えられる。>


平均聴力レベルの計算式

平均聴力レベルは次の計算式で求める。労働災害の認定には6分法を用い、健康診断では4分法を用いる傾向が多い。
3分法
平均聴力レベル
4分法
平均聴力レベル
6分法
平均聴力レベル



身体障害者福祉法による区分

日本では、身体障害者福祉法によって身体障害者等級を定めている。聴覚障害の程度に応じて以下の等級の身体障害者手帳が交付される。
2級
両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう)
3級
両耳の聴力レベルが90dB以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級
1. 両耳の聴力レベルが80dB以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)2. 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
6級
1. 両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)2. 一側耳の聴力レベルが90dB以上、他耳の聴力レベルが50dB以上のもの

(補足)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen