略綬(りゃくじゅ、英:Ribbon bar、Band)とは、軍人が受章した勲章・記章等の佩用を略するため、代替として佩用する略式の綬のことをいう。リボンバー、リボン、バンド、略授、略章ともいう。アメリカ海軍元帥ウィリアム・ハルゼー。左胸にさまざまな勲章の略綬をつけている帝国陸軍大将田中静壱の中将時代の写真。左胸に並んでいる徽章が略綬である
目次
1 略綬
2 大日本帝国陸海軍では
3 現代日本では
4 関連項目
//
近代化した軍隊において受章した勲章・記章のすべてを佩用することは実用的ではなく、破損の危険も伴った。故に式典等礼服を着用する場合を除いては、日常的に略綬を佩用して正式の勲章・記章の佩用を省略することが各国の軍隊で普及した。
略綬の佩用は、略綬を台座となる板に装着し、それを軍服(基本的に右胸、己から見て左胸の上の位置)に付ける事で行う。日本軍では他の多くの各国軍と同じく金属の略綬板に略綬を付けその板の後ろに付いた可動式の棒を、軍衣にあらかじめ縫われた糸かがりに通し固定し、戦前ドイツでは略綬裏の安全ピンで留め、戦後ソ連軍やイギリス軍の常勤服では布製の台座自体を直接糸で縫い付けた。最近は脱着式ワンタッチスナップボタンやメタルクラッチ(蝶バネ式ピン)を使った手間要らずで洗濯がしやすいものもある。略綬を複数佩用する場合は勲章の等級、記章の制定された時期といった順に最上段に、向かって極左から並べ佩用した。
略綬は本来の章の綬の部分と同じ柄色の布を用いる(東ドイツ軍の様に綬の柄を印刷した紙片を用いる略綬を採用している国もある)事で、何の勲章・記章を受章しているのかが確認出来ると同時に、その佩用している軍人の軍人としての経歴を誇示ないし窺い知る事が出来る。そのため、必ずしも「略綬の数が多い=階級が上」という事にはならない(例:いくつもの戦場に出るなど場数を多く踏んでいる歴戦古参の下士官と、士官学校を出たてで軍歴の浅い新米の将校)。
略綬には平服(燕尾服や背広)の襟に付けるボタン留め円型略綬やピン留めの略綬が、軍服用には先述の形状の略綬がある。円型略綬は正式の勲章を正規の勲章・正章というのに対して副章ともいわれ、日本では軍民問わず勲章とセットで授与された。
大日本帝国陸海軍では
旧日本軍に於いては主に以下の種別の勲章・記章並びに略綬の種類があった。
勲章 (例、金鵄勲章、旭日章、瑞宝章)
従軍記章 (例、明治三十七八年従軍記章、支那事変従軍記章)
記念章 (例、紀元二千六百年祝典記念章、昭和大礼記念章)
その他各種章並び褒章類及び、他国勲章・記章
日本赤十字社社員章
複数個を佩用する際の優先順位(即ち章として栄誉の高い順番)は大まかに「勲章[1]>他国の勲章>従軍記章(記念章は同格 古い時代が優先)>その他褒章類>外国の記章>赤十字社員章」である。
画像の田中大将の略授を例にすると「旭日、瑞宝、金鵄、不明(駐米武官時受勲の外国勲章?)、大正大礼、シベリア、昭和大礼、満州事変、支那事変、紀元二千六百年、満州建国、赤十字」の計4列3段で12連となる。^ 本来の栄誉の高さは“金鵄>旭日>瑞宝”の順ではあるが、等級の高い勲章をトップにもっていく事が多い 例:勲二等瑞宝章>勲三等旭日章>功五級金鵄勲章 功五級より勲二等の方が数字は上
自衛隊においては防衛記念章という略綬式の記章を定めているが、そもそも防衛記念章制度は旧軍時代や世界各国の勲章等とは異なるため(例えば、いわゆるメダル部分である章が無く、定められているのがリボンたる綬のみである)事情は少々異なる。また、消防団においても、消防団員の表彰歴を表す栄章として略綬式の表彰歴章を定めている事もある。
関連項目
栄典
表彰
勲章
褒章
記章
記念章
従軍記章
防衛記念章
表彰記章
表彰歴章
軍服
カテゴリ: 勲章 | 記章
更新日時:2008年5月25日(日)14:47
取得日時:2008/07/07 23:33