産児制限
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産児制限(さんじせいげん)とは、人為的に受胎、妊娠出産を制限することである。産児制限の手段としては、不妊手術ないしは断種、性交段階での避妊、妊娠後の人工妊娠中絶がある。出産直後の嬰児殺(間引き)も同様の目的で行われた。
目次

1 産児制限の必要性

2 日本における産児制限の歴史

3 産児制限と人権

3.1 産児制限の主体

3.2 産児制限とフェミニズム

3.3 産児制限と女性の身体性


4 産児制限と宗教

5 参考書籍

6 関連項目

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産児制限の必要性

社会の生産性の限界(食料不足等)、家庭の貧困、母体や胎児における医学的な理由が挙げられる。また、人口が急激に増加する国(例えば、ブラジルインド中華人民共和国)では政策的に行われる例もある。「一人っ子の勧め」といったものがそれである。

自然状態でも妊娠はある程度コントロールされている。例えば、母体の栄養状態が悪化すると排卵は抑制され、妊娠中は排卵しない。乳房を吸わせて授乳している間も排卵しにくい(無月経母乳栄養参照)が、それだけでは不足する場面が多い。性科学に述べられているように、生殖以外に性行動を行うのはヒトの重要な特徴の一つである。性生活を十分楽しみ、同時に妊娠出産に計画性を持たせたい場合、産児制限が必要となる。殊にかつての多産多死(子供がたくさん生まれ、幼いうちに沢山死ぬ)から少産少死(出生率と乳幼児の死亡率が同時に減少する)に移行した先進国においては避妊法が広く普及している。


日本における産児制限の歴史

日本では間引き及び堕胎(人工妊娠中絶)が暗然と行われてきたが、明治新政府は両者を法律で禁じた(堕胎罪参照)。また産児制限にも冷淡であり、特に当時は富国強兵政策の一環として「産めよ殖やせよ」政策を取っていた。

1937年には産児制限が「国体維持に反する可能性がある」として警察が石本(加藤)シヅエを連行、その隙に産児制限相談所を家宅捜索しカルテ等を持ち出した。その結果産児制限相談所は閉鎖に追い込まれた。もっとも、避妊を公然と普及させることには洋の東西を問わず抵抗が強く、マーガレット・サンガーにも1914年に合衆国においてコムストック法(猥褻郵便物禁止法)で起訴され、1916年に産児制限診療所を開設した所逮捕され懲役刑に処された経験がある。

一方、日本陸軍は各国軍と同様、慰安所を利用する兵「突撃一番」と称するコンドームを支給し性病の流行と慰安婦の妊娠を予防した。

日本における受胎調節(避妊、家族計画)年譜

1869年治2年) - 堕胎禁止令発布。

1880年 - 堕胎罪制定。

1907年 - 現行刑法の堕胎罪制定。

1909年 - 国産コンドーム発売。

1922年 - マーガレット・サンガー来日。各地に産児調節研究会発足。

1924年 - 荻野久作、「人類黄体の研究」学説発表。

1931年 - 荻野久作、上記研究を応用した受胎調節法を発表。いわゆるオギノ式避妊法のおこり。

1932年 - 太田リング発明(1930年のグレーフェンベルグ・リング発明をうけ)。

1934年 - ラテックス製コンドーム開発。

1936年 - 避妊リング(IUD)、有害避妊器具に(厚生省の許可は1974年)。

1937年 - 母子保健法制定。産児調節運動弾圧。

1938年 - 内務省警保局「婦人雑誌に対する取り締まり方針」。

1941年 - 厚生省「人口政策要綱」。

1948年 - エーザイ、「サンプーンループ」(女性用殺精子剤)発売。優生保護法成立。

1952年 - 厚生省「受胎調節普及実施要領発表」。マーガレット・サンガー再来日。

1954年 - 日本家族計画連盟発足(サンガーの指導による)。人口問題審議会、家族計画の推進を進言。

1955年 - 女性用経口避妊薬(ピル)の臨床試験開始。後に市販される。

1967年 - ピル禁止。

1969年 - 人口問題審議会中間答申、出生力を回復させることが必要だとする。

1970年 - いわゆるウーマンリブの街頭活動開始(合法的な人工妊娠中絶の維持と、ピル解禁を求めていた)。中ピ連参照。

1974年 - 避妊リング解禁。

1975年 - 日本家族計画連盟会長加藤シヅエ、勲一等瑞宝章

1986年 - 低用量ピル治験開始。

1988年 - 加藤シヅエ、日本人初の国連人口賞。

1992年 - 厚生省中央薬事審議会、ピル解禁見送り。エイズ感染を加速することにつながりかねないとして。

1996年 - 優生保護法から母体保護法に。

1997年 - 「マイルーラ」(殺精子剤。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki