生物圏
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世界の海洋・陸地における光合成量の擬似催色表示(1997年9月から2000年8月まで)。SeaWiFSプロジェクト:NASA/ゴダード宇宙飛行センターなどによる提供。
海洋 クロロフィル a 濃度 (紫:低)<(赤:高)
陸地 植生指数 (アクアマリン:高)>(茶色:低)

生物圏(せいぶつけん、英語:Biosphere)とは生物が存在する領域のこと。一般的には、生物が存在するその領域全体および含まれる構成要素(生物・非生物)の相互作用の総体を指す。より狭義の意味に用いて、その空間に含まれる生物(生物量・生物相・生物群集)のみを指すこともある。
目次

1 概要

2 用語について

2.1 用語の履歴

2.2 狭義の定義


3 生物圏の範囲

4 生物圏と地球史

5 バイオスフィア2

6 ガイア仮説

7 脚注

8 関連項目

9 外部リンク

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概要

地球科学では地球の表層領域を水圏大気圏岩石圏に区分する。生物圏はこれらの領域に重なり、地表や地中のみならず、大気圏、水圏に広がる。生物と非生物の相互作用で成り立っている環境の系を生態系と呼ぶが、生物圏とは地球環境全領域に広がる生態系の総体、及びそれが占める範囲とも定義できる。あらゆる生物の中でも特に微生物の存在範囲は非常に広く、深海大気の上層[1]から、地中[2][3]まで広がっている。

生物圏の概念は、地球科学や生態学に関連する学術分野(地球物理学生物地理学地質学水文学など)で共通のものである。生物圏の中では、水の循環・大気や海水対流などの非生物的な要因とともに、光合成食物連鎖・生体物質の分解などの生物活動によって、物質およびエネルギーの循環が起きている。非生物的・生物的を問わず、この循環は原則的には太陽エネルギーが元となって引き起こされている[4]


用語について


用語の履歴

1885年にジュースは、学術用語「生物圏」を「生命が生息する地球表面の場所」として定義した[5]。その後、1926年にベルナドスキーが、生物圏の概念を拡大、再定義し[6]、生態学を生物圏の科学と定義した[7]


狭義の定義海岸:岩石圏・水圏・大気圏が見える一般的風景

一部の生命科学者と地球科学者は、生物圏という用語を、より限られた意味で使う。たとえば、地球化学者は生物圏を生物の総計(「生物量」や「生物相」と、生物学者や生態学者が呼ぶもの)であるように定義する[8]。この意味では、生物圏は地球化学のモデルの異なる4つの構成要素のうちの1つにすぎない。他の要素は岩石圏・水圏・大気圏である。この地球化学者による用語の狭義化は、現代科学の専門化の結果の一例である。地球の生物的および物理的な構成要素をすべて包括する用語として、1960年代に造られた「生態圏(ecosphere)」を好む人もいるであろう。

閉鎖生命システムに関する第2回世界会議(Second International Conference on Closed Life Systems)では、"biospherics"(生態圏学) を「地球の生態圏の類似物・科学的モデル、つまり地球に似た人工生態圏に関する科学・技術」と定義した。他方、"biospherics"分野には「地球と異なる人工生態圏」、たとえば「人間を中心とした生態圏」や「火星独特の生態圏」の創造も含まれている。


生物圏の範囲

生物の水平の分布については、極地から赤道地域まで、生命の存在が認められている。動植物の分布だけについて考えるならば、地球上には「生息に不適な地域」も存在するが、極限環境微生物の発見により、生物圏は従来から考えられていた領域よりも更に大きいものと考えられるようになった。

地球上の生物圏の実際の厚さは、計測が困難である。動植物の分布については、マダラハゲワシは高度 11,300mで飛ぶところが観察されており、インドガンヒマラヤ山脈を越えて移動していくことが知られている。深海魚ついては、水深 8,372mのプエルトリコ海溝で発見された例がある。

微生物の分布を考えると、さらに生物圏の範囲が広がる。培養可能な微生物としては、高度41kmでの発見例がある[1]。この高度の紫外線・温度・大気成分を考慮すると、その微生物がその高度で繁殖する可能性は低いが、生きた状態で運ばれてきたことは否定できない。また、深海でも極限環境微生物が発見されており、高温・高圧の条件に適応している。また、地中においては、スウェーデンの深度 5km以下の地殻にある 65-75°Cの岩の間から、培養可能な好熱性微生物が発見されている[2][3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki