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文系と理系(ぶんけいとりけい)とは、学問(学習・教育・研究などを含む)に対しての日本などにおける大まかな分類方法の1つのことである。文系とは、主に人間の活動を研究の対象とする学問のことであり、理系とは、主に自然界を研究の対象とする学問のことである。二つを合わせて文理(ぶんり)と呼ぶ。
目次
1 概要
2 理系と文系を隔てる要因
2.1 理数系か否か?
2.2 「科学的」か「非科学的」か
2.3 学際主義
3 ステレオタイプなイメージ
4 博士号取得
5 同一学問系内における乖離
5.1 形式科学と経験科学
6 政界における文系と理系
7 文系的と捉えられることが多い学問
8 理系的と捉えられることが多い学問
9 脚注
10 関連項目
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文系と理系の区分は、主に高等学校における履修科目のコース分けにおいて使用される。これは、学問と研究の入り口である大学において、高等学校の科目から見て文系的と考えられている学問を専攻する学部・学科等と、または理系的と考えられている学問を専攻する学部・学科等とで、異なった入学試験の科目を課すことが多い事実にも由来している。
また、この延長から、便宜的に文系(ぶんけい)と理系(りけい)のどちらかに大学の学問領域を分ける習慣がある。文系とは主に、人間の行動や思考が何らかの形で関わった現象についての学問であり、文献などの個別対象や思想などの概念対象を解釈する人文科学と、社会現象や制度を歴史的、思想的もしくは実証的に解釈する社会科学とに分かれる。理系とは人間そのものと人間を取り巻く自然全般を、当為的かつ実証的に研究する自然科学という学問である。
しかしながら文系と理系は、学問的な視点から見れば、あくまで高等学校のコース分けなどに基づく便宜的な分類に過ぎない。本稿でも後述するが、実際に大学の学部レベルで学問の諸分野に触れると、文系・理系といった単なる二分法が、実際に研究するに当たって学問的に都合を悪くすることは多い。学問分野は、伝統的に自然科学・人文科学・社会科学の3つに分類されるのである。
日本では、文系・理系という見方が高等学校の段階で厳密に区別されてしまうことが多いため、学部ごとにある特定分野の知識について社会化された学生が集まってしまい、大学受験以降にて広く学問や社会を見渡すような視点を促す教育・研究活動につなげにくいといった批判がある。特に私立大学の入学試験においては科目数の少なさから、(経済学部などの例外を除けば)理系科目と文系科目が完全に切り離されることも多く、いわゆる学力低下問題と絡んで私立大学の入試科目が批判の対象となることも少なくない。現在、文系の方が理系よりも生徒の数が多い。
また技術系の最高資格である技術士一次試験での共通科目においての受験免除の条件の一つとして理系の大学卒が挙げられていたり、過去には太平洋戦争末期に行われた学徒出陣において、理系学生が技術要員として徴兵猶予が継続された一方、文科系学生は士官候補生として動員されるなどの事例も理系学生と文系学生とで持つ知識に偏りや隔たりが生じている証左と言えよう。
一般に、理系の学問は数学との親和性が高いため、「理数系」と呼ばれる場合もある。しかし理系に分類される学問の中にも数学的知識を必要としない分野も存在するし、また文系に属する学問の中にも数学的考察を重視している分野(経済学など)は、数学的知識を得ていなければならない。また、考古学も放射性炭素年代測定など理化学的検査の必要が年々増加しているため、やはり数学や理科が重要視される傾向にある。また心理学では脳機能科学や神経科学との関連が密であり、福祉では医療系の知識も必要となる。
更に、理系に属する精神医学は文系に属する心理学と深く関わっており、理系に属する筈の農学には農業経済学や産業経営学など、文系とされる学問で扱われる内容が重視される学科が存在する(因みに農学部の農業経済学科生徒は太平洋戦争中、「文系」と判断されて学徒出陣の際、文科系の諸学問の学生らと同様に徴兵猶予を停止され徴兵されている。)し、造園学はランドスケープデザイン学、環境デザイン学として、また建築学/建築学科は、それらを学ぶことができる学科自体が文理双方で多岐にわたって設置されている。
上記に挙げた例だけでも、単に数学や理科との親和性だけが文理を隔てるものではないことが容易に分かる。
しばしば文理論を唱える意見の中には、「理系分野は科学で、文系分野は非科学」であると主張し、同時にそれが文理を分ける区分であるとする物も散見される。
だがこの議論は一般に想像される以上に複雑な議論であり、そもそも『科学』とは何を持って『科学』と呼べるのかという言葉の定義の問題にまで遡らなければ根本的な解決は難しい。『科学』の定義を巡っては、科学哲学の分野に置いて長年に亘っての議論が交わされており(詳しい経緯は科学や科学的手法を参照)、定義の内容によっては人文・社会科学のみならず自然科学のほとんどが厳密な意味での『科学』の定義から外れてしまう、科学を定義する上において非常に重要である「科学的手法」として現状挙げられている方法論への是非など、多くの問題が山積しており未だに統一した見解が出されたとは言い難い状態である。