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理科離れ(りかばなれ)とは、理科に対する生徒・児童の興味・関心が低くなったり、授業における理解力が低下したり、日常生活において重要と思われる基礎的な科学的知識を持たない人々が増えていたりすると言われる一連の議論である。科学的思考力や計算力の低下により、特に高等教育において授業の内容を理解できない生徒が増え、専門的知識・技能を有する人材の育成が難しくなることが問題として指摘されている。
一般的に科学技術が発展している国ほど市民の科学的思考力が低下しているとの指摘もある。これは科学技術が高度になり複雑化するにつれてブラックボックス化し理解しにくくなっているという側面もある。ただ、日本では、一般市民の科学リテラシーが先進諸国と比較しても極めて低いことが指摘されている。
科学教育に関する一部の研究グループは、文部科学省が理科の学習内容を大幅に削減し、科学教育の質を低下させていることに対する揶揄を込めて理科離しと表現することがある。 また、高校の文理選択時や大学進学時などをふまえ、理系離れ、工学部離れといった言葉もある[1]。
目次
1 現状
2 議論の歴史
3 原因
3.1 子供をめぐる状況
3.1.1 学習指導要領の変遷と理科教育
3.1.2 詰め込み教育、受験競争
3.1.3 自然に触れる機会の減少
3.1.4 子供の好奇心・趣味・遊び・手伝いの変化
3.1.5 「おたく」の典型像と異性との交流
3.2 社会人をめぐる状況
3.2.1 疑似科学的な科学的思考
3.2.2 科学技術に対するメディアの扱い
3.2.3 研究者・技術者の就職、文系出身者との待遇格差
4 対策
5 理科離れによって派生する社会的問題
6 註
7 「学力低下」を巡る議論
7.1 試験・調査結果
7.2 学力低下はあるとする主張
8 学力の低下に疑問を呈する議論
8.1 「ゆとり教育」が「学力低下」の最も主要かつ直接的な原因なのかという議論
8.2 保護者の意識
9 影響
10 脚注
11 参考文献
12 関連項目
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現状では、理科離れの明確な定義は存在しない。それを指摘する根拠の一つとして、国際教育到達度評価学会が実施した「国際数学・理科教育調査」により、日本の生徒は成績が良いにもかかわらず、理科が面白いと思う生徒が極めて少ないことが挙げられる。「科学技術と社会に関する世論調査」でも、国民の科学技術に対する関心は先進諸国と比較して極めて低いとされる。このような状況を表現する一つの用語として、理科離れが使われるようになったと考えられる。
理科離れに関する研究は、専門的な研究対象としても位置付けられている。研究者に対する研究助成金として最も重要と考えられている、文部科学省科学研究費補助金では、時限付き分科細目の科学高等教育の分野において数学嫌い、理科離れの用語が使われており、大学教育の質の維持が著しく困難になっていると述べられている。また、文部科学省の科学技術・理科大好きプランでは科学技術離れの用語も使われている。
1977年に改訂された学習指導要領の内容について、学校教育全体における理科の位置付けが低くなったと指摘された。実際に、その頃から理科に関する生徒の興味・関心が低下し、理科の授業内容を理解することが困難になる場合が見られたとされる。
そこで、文部省は1989年に改訂された学習指導要領で、実験・観察を重視することを求めるようになった。実験を増やすことが理科離れを防ぐための問題解決の方法として考えられ、1990年代からはそのような運動が盛んに行われた。
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