独立懸架(どくりつけんか)とは、自動車等のサスペンション形式のひとつである。インディペンデント・サスペンション (Independent Suspention) ともいう。
対義語は車軸懸架(リジッド・アクスル)。
目次
1 特徴
2 独立懸架の種類
2.1 ストラット式
2.2 スイングアーム式
2.3 ウィッシュボーン式
2.4 マルチリンク式
2.5 その他の古典的方式
3 関連項目
//
左右の車輪(車軸)を独立して上下させることができるのが特徴で、これにより路面の凹凸に対する追従性が向上する。特に後輪駆動車(FR/MR/RR)の場合に左右の車輪の駆動力を効率よく路面に伝達することができ効果的である。
この他、固定車軸(車軸懸架)に比べて、以下のような利点があり、乗り心地と操縦安定性では独立懸架が優れる。
左右の両輪が一緒に動く固定車軸に比べ、動作部分の重さ(バネ下重量)を軽くすることができ、機敏な動作を期待できる。このため、路面への追従性が向上する。
ストローク時のジオメトリー変化を利用し、操縦特性を変えることができる。
車軸が共に上下する固定車軸に比べ、フロアパンの車軸部を低くすることができる。
欠点としては
ストロークに伴うタイヤの対地ジオメトリー変化が大きい。
車両の荷重移動で、抜重側にジャッキング(ジャッキアップ現象)が起こる。
歴史的には、1878年にフランスのアメデー・ボレーが、蒸気自動車の前車軸にリーフスプリング支持の独立懸架を採用したのが最初であるが、その後は特殊車両での採用に限られ、量産自動車において採用が広がったのは1920年代後半以降である。
前後輪とも独立懸架(四輪独立懸架)を採用した最初の量産車は、1931年のメルセデス・ベンツ170であった。第二次世界大戦後の自動車の高速化により独立懸架の採用は広まり、特に乗用車では最低でも前輪における使用が当然となっている。
ストラット式
マクファーソンストラット:スプリングとダンパーを同軸上に置き、垂直近くに配置して車輪を支持する。簡潔でコンパクトなことを特徴とし、前輪駆動車にも適する。市販車では1950年に出現し、1970年代以降21世紀初頭現在に至るまで世界的な主流の独立懸架方式。
パラレルリンクストラット:FF車のリアなど。
デュアルリンクストラット:FF車のリアなど。
スイングアーム式
スイングアクスル:駆動輪が後輪である車両向けの方式で、原型はドイツのアドラーによる1903年の考案まで遡及する。1920年代以降、リアエンジン車を中心に多用された。ポルシェ356、フィアット600のリアなど。
ダイアゴナルスイングアクスル:スイング軸が車台中心に対して45度付近のもの。タトラ各車、フォルクスワーゲン・タイプ1、タイプ2、タイプ3、いすゞ・ベレットのリアなど。
リーディングアーム:車軸線の後方からアームを伸ばして車輪を支持する構造。シトロエン・2CV、 ⇒M422 マイティーマイトのフロントなどが代表例。4つのスイングアームの共通化を優先する車両以外では一般的ではない。
トレーリングアーム 車軸線の前方からアームを伸ばして車輪を支持する構造。
フルトレーリングアーム:ルノー 4、プジョー 205のリアなど、FF車の後輪を中心に事例多数。
ダブルトレーリングアーム:フルトレーリングアームの一種で、トーションバーを用い、アームを片側あたり上下2段とした構造。フェルディナント・ポルシェの考案で、1930年代に前輪用として多用された。フォルクスワーゲン・タイプ1、タイプ2(T1、T2)のフロントなど。
セミトレーリングアーム:1960年頃から1995年頃までの後輪駆動車のリアに多用された。普及の先鞭を付けたのはBMWのノイエクラッセ各車。なお日本車では日産・ブルーバード(3代目?6代目までの一部)や日産・スカイライン(3代目?7代目までの一部)、日産・ローレル(初代?5代目までの一部)などが有名。
フルトレーリングアーム
ウィッシュボーン式
ダブルウィッシュボーン:「ウィッシュボーン」と呼ばれるアームを横方向に二段に配置して車輪を支持する構造。1930年代初期にゼネラル・モーターズによって開発された。横剛性が高く、独立懸架としてはストラット式と並んでもっとも普遍的な形式の一つ。かつては乗用車の前輪独立懸架に多用された。
マルチリンク式
マルチリンク:1982年にダイムラー・ベンツが実用化。