点火プラグ(てんかプラグ)とは、電気的に火花を出す(スパークさせる)ことにより燃料(または燃料を含む混合気)に着火させる役割を担う電気的な装置である。スパークプラグ (Spark plug) の日本語訳。内燃機関(エンジン)のうち、スパーク・イグニッション・エンジンと呼ばれるエンジンでは、シリンダーヘッド中に置かれ、電気放電によって点火させることにより、燃焼サイクルのきっかけを作る。点火プラグは、内燃機関以外でも、暖房器具などの燃焼器具類でも、混合気に点火するために使用される。この場合は、イグナイター (igniter) 、フレーム・イグナイター (flame igniter) とも呼ばれる。エンジンでは、毎分数百から数千回の点火がおこなわれる一方、暖房装置などでは燃焼開始時の一回のみの動作となる。いずれも「プラグ」と略してよばれることがある。
目次
1 作動の概要
1.1 失火(ミスファイア)
1.2 熱価
2 プラグの種類
2.1 リーチ
2.2 電極の形状
2.3 電極の材質
3 本数
3.1 レシプロエンジン
4 歴史
5 メーカー
6 関連項目
7 参考資料
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自動車や二輪車用レシプロエンジンに使われているものは、基本的に1シリンダーに1本の点火プラグがあり、高圧縮された混合気内で、イグニッションコイルにより昇圧された高電圧電流を電極間で火花放電させて、混合気に点火する。
点火の際には燃焼作用によって煤(カーボン)が発生するが、これが電極間に付着するとカーボンを伝って電気がリークしてしまい、火花を作れなくなる。この状態は、俗に「かぶる」と表現される。プラグには自身が高温になることで電極に付着するカーボンを焼ききる(燃やしてしまう)自浄作用の機能が求められるが、反面、温度が高すぎると早期着火(プレイグニション)による不正燃焼やプラグ自身の焼損を招く。
また、未燃焼ガソリンなどの燃料が電極に付きリークしてしまう事を「プラグが濡れる」と言う。 放電出来ない状態から「かぶる」と言われがちで有るが実際は全く異なった状態である。
カーボンによる「失火」を防ぐためには、自浄作用に十分かつ、焼損を招かない範囲にプラグ自身の熱を保持し、または放熱する必要があり、その特性は「熱価」として表わされる。通常はメーカー毎に異なる熱価表に表示される数値や記号で熱価を指定する。冷却性能の高いものをコールドタイプ、その反対はホットタイプと分類することがある。前者を「熱価が高い」、後者を「熱価が低い」ともいう。しかしその分類基準は曖昧である。
プラグのネジ径によって規格があるほか、ショートリーチ・ロングリーチの区分があり、電極の形状・材質にもいくつかの種類がある。
航空機用レシプロエンジンでは、失火によるエンジンストールを防止するために1シリンダに2本のスパークプラグがある。2本の点火プラグには別系統のマグネトーから電力が供給される。
航空用の場合は安全性向上が目的だが、自動車・二輪車でも燃焼効率を上げる目的などで同様の形態をとるものがある。
イタリア人、ボルタが1777年に、スパークによる燃料への着火を提唱。イザック・ドゥ・リヴァ(Isaac de Rivaz)が1807年に、内燃機関用として提唱し、これがスパーク=イグニッション・エンジンの源となる。実際に製作したのは、フランスのルノアールで1876年だった。
商用の観点からは、ロバート・ボッシュ社の技術者ゴットリープ・ホノルドが1902年にマグネトー型点火システムの一部として高電圧スパークプラグを開発したことが、その後のスパーク=イグニッション・エンジンの発展を促した。
年表
1777年:イタリア人アレッサンドロ・ボルタがスパークによる燃料への着火を提唱
1807年:スイス人フランソワ・イザック・ドゥ・リヴァが内燃機関用に提唱
1876年:ジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアールが発明
1885年:ルノアールがフランスで特許取得
1898年:ニコラ・テスラが米国で特許取得
1898年:リチャード・シムスが英国で特許取得
1902年:ゴットリープ・ホノルドがドイツで商用化に貢献
(ドイツでカール・ベンツも特許取得している)
日本では日本特殊陶業(ブランド名は森村グループの日本ガイシの略称のNGK)[1]とデンソーが有名である。ほかに米国のチャンピオン、ACデルコ、ドイツのボッシュ、チェコのブリスク、イギリスのロッジなどがある。