灰持酒(あくもちざけ・あくもちしゅ 灰汁持ち酒とも書く)とは、醸造したもろみに灰を混入させる、日本酒の一種である。
目次
1 歴史と製法
2 赤酒
3 地酒 (じざけ・じしゅ)
4 地伝酒
5 酒税法の分類について
6 関連項目
7 参考文献
8 外部リンク
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灰持酒の原型は、平安時代から醸造されていた御神酒の一種である黒酒(くろき)であり、これは米麹に飯と水を入れて発酵させた後、草や木の灰を混入している。この原材料と製法は基本的に今の灰持酒にも受け継がれている。
灰の混入は酸性を中和させる役割を持つが、実際は酒をアルカリ性にしてしまう。このため腐敗の原因となる細菌が育成しない。また酒の成分であるアミノ酸が糖と反応して次第に赤みを帯び、そして独特の風味も醸し出される。
灰を入れて細菌の繁殖を抑えるのが「灰持酒」の名の由縁であり、対して一般的な清酒は江戸時代より加熱による低温殺菌を行ったことから「火持酒」と称される。
灰持酒は製法に改良が加えられて西日本を中心に各地で醸造され続け、戦時統制により原料の供給を絶たれたため一時途絶えてしまったが、後に復活している。
現在は飲用としては勿論、独特の甘さと風味を持つことから味醂の代わりとなる調味酒として使用されることも多い。なお名称は醸造されている地方ごとに別々の名が付けられている。
赤酒(あかざけ)とは、熊本県で生産されている灰持酒である。
江戸時代から熊本藩による保護を受け、明治維新と西南戦争を境に清酒が県内に入ってきても生産され続けてきた伝統を持つ。
製法は原材料にもち米を加え、水の量を5割近くまで減らして仕込み、終盤に大麦麦芽も加えて更に発酵させた後、もろみを絞る直前に木灰を混入している。
赤酒の主な使われ方
昔は冠婚葬祭の時に必ず飲まれ、現在も正月に屠蘇として使用される事が多い。
地酒(じざけ・じしゅ)とは、主に鹿児島県で生産されている灰持酒である。
昔から焼酎が主流の土地柄であったため、地酒は現地で醸造されてる日本酒として唯一残ったものである。そのため灰持酒の中では最も清酒に近い。
製法も清酒とほぼ同じであるが、もろみを絞る直前に焼酎と木灰を加えている。
地酒の主な使われ方
酒寿司という郷土料理では、酢の代わりとして地酒がふんだんに使用される。
地伝酒(じでんしゅ)とは、島根県で生産されている灰持酒である。
戦後長らく途絶えていたが、地元の有志と酒造会社が手を組み、1990年に調味酒として復活させた。
製法は原材料にもち米と長期熟成させた麹を加え、水の量を5割以上も減らして仕込み、もろみを絞る数日前に木灰を加える。灰持酒として最も濃厚である。
地伝酒の主な使われ方
郷土料理や魚肉練り製品で味付けや照り出しに使われている。
灰持酒は酒税法上の品目は雑酒であるが、酒税法3条21号の「みりんに類似する酒類として政令で定めるもの」に該当しみりんと同額の課税(1キロリットル当たり2万円)の軽減税率を受けている。
関連項目
白酒 (しろき) - 御神酒の別種
瑞鷹 (酒造メーカー) - 熊本の赤酒
千代の園酒造 - 熊本の赤酒
小泉武夫・角田潔和・鈴木昌治『酒学入門』講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4-06-153714-8
外部リンク
⇒瑞鷹株式会社(赤酒とは)
⇒東酒造株式会社(鹿児島の地酒)
⇒米田酒造株式会社(島根の地伝酒)
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