火山灰(かざんばい、Volcanic ash)とは、火山の噴出物(火山砕屑物)の一つで、マグマが発泡してできる細かい破片のこと。木や紙などを燃やしてできる灰とは成分も性質も異なる。
目次
1 地質学上の火山灰
1.1 火山豆石
1.2 特徴的な火山灰層を形成した火山活動
2 火山灰と人間
2.1 桜島
2.2 火山灰の資源としての利用
2.3 航空機と火山灰
3 関連項目
4 外部リンク
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火山から噴出されたもののうち、直径2mm以下の大きさのものを火山灰という。物質としては火山ガラス、鉱物結晶、古い岩石の破片などである。
火山ガラス
火山が噴火する時にマグマが地下深部から上昇してくると圧力が下がるため、マグマに溶解していた水などの揮発成分がガスとなって発泡する(炭酸飲料の栓を抜いたのと同じ状態)。これにより残っていた液体のマグマが粉砕され微粒子となる。これが噴出されると結晶になる暇もなく急冷されるためガラスとなる。このガラスの成分は元のマグマの成分によっていろいろである。
鉱物結晶
マグマが地下深部から上昇してくるまでに、マグマの中で既にいくらか鉱物の結晶ができていることが多い。マグマが上昇して発泡するときに結晶自体が粉砕されることは少なく、1個ずつ分離された状態で噴出される。
古い岩石の破片
噴火が始まる時は火口を塞いでいた土砂などを吹き飛ばす必要がある。また爆発的な噴火(水蒸気爆発など)の場合は周囲の岩石も巻き込んで粉砕する。そうして吹き飛ばされたもののうち細かいものは火山灰に含める。
巨大な噴火が起こり大量の火山灰が空高く噴出されると、その火山灰は広範囲に同時かつ均一に堆積する(広域テフラ)。そこで地層が形成された年代を特定するための鍵層として参考にされる。日本では約6,000年前まで噴出火山灰が日本全土を覆うくらいの大規模な噴火が度々発生しており、遺跡や活断層の発掘調査において重要な目安となっている。また、南極大陸などの氷床の中にも火山灰の層が薄く含まれており、氷床コアを利用した研究を行う際に、氷の年代決定の重要な役割を担っている。
主に火山ガラスからなる火山灰の噴出途中や降下途中で水が混ざると、火山ガラスの粒子どうしが凝集して直径1〜2cm程度の豆状になることがある。これを火山豆石(かざんまめいし、 ⇒accretionary lapilli)という。火口湖などの水中で噴火が起こった場合や、噴火中に雨が降っていた場合に見られる。最近では、雲仙平成新山を形成した噴火の際、雨の日に火山豆石が降った記録がある。
特徴的な火山灰層を形成した火山活動
姶良カルデラ(約2万数千年前)…姶良Tn(シラス台地を形成した入戸火砕流と同じ噴火によると推定されている)
鬼界カルデラ(約6,000年前)…鬼界アカホヤ火山灰
人間の生活圏に降る火山灰は、人間にとって困りものである。日常生活にも大きく影響し、火山灰が多く降り注ぐ日は視界も悪く洗濯物も外には干せない。多量に降ると農作物に被害が出る場合もある。ひどい場合は家が埋まってしまう場合もある。
大都市の市内に火山灰を噴出する活火山がある例として、鹿児島市の桜島が最も有名である。夏季は東よりの風に乗って鹿児島市方面で降灰し、冬季は西よりの風に乗って大隅半島での降灰が多いと言われるが、風向きは変化し易いので、周辺地域では一年中降灰が見られる。そのため、鹿児島地方気象台では、桜島上空の風のデータをもとに降灰の予報も出している。
また、空気中に漂う火山灰もあるため、雨の日には灰混じりの雨が降り、色の薄い洋服を着ていると雨にあたった部分が黒ずんでしまう。このような地域性のため、鹿児島市の中心部商店街である天文館ではアーケードが非常に発達している。更に、鹿児島市内には「火山灰集積所」が随所にあり、洗濯物は外に干さないのが一般的である(九州地方では黄砂がよく観測されるため、黄砂対策の面も少なからずある)。
古代ローマ時代、建材として使われていたコンクリートには、火山灰が使用されていたと言われるが、その方法は現代に伝わっていない。