化学における濃度(のうど、concentration)とは、混合物において、ある成分が全体に占める比率を指す尺度である。濃度はいかなる混合物にも適用できるが、最もよく使われるのが溶液に対してであり、この場合、濃度はある溶質(solute)が溶媒(solvent)に対してどの程度溶けているかを示す。
成分量および全体量を計量する値の種別により濃度は次のように呼称される。
質量 - 質量濃度、重量濃度
体積 - 容積濃度、体積濃度
物質量 - モル分率
が使用される。つまり、重量濃度といった場合は全体量の計測は重量で行い、体積濃度といった場合は全体量を体積で計測する。
体積(容量)濃度を示す記号としてvol%等と濃度の単位を表す項にvolの語を付ける場合がある。
特に断らない限りは、混合物の成分を計量する対象と混合物全体を計量する値と種類は同一であるが、利用目的に応じて異なる種類の計量値の比をもって濃度とする場合も多い。一般にはw/wやw/vなどと記号で表記される場合が多い。この符号はweight, volumeの頭文字で、分子が成分の計量方法、分母が全体の計量方法を示している。
目次
1 質量濃度、重量濃度
1.1 質量/質量
1.1.1 質量パーセント濃度
1.2 物質量/質量
1.2.1 質量モル濃度
2 容積濃度、体積濃度
2.1 質量/体積
2.2 規定濃度
2.3 物質量/体積(モル濃度)
2.4 式量濃度
3 モル分率
4 力価(タイター)
5 その他
6 関連項目
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質量濃度(重量濃度)は、全体量を質量で計測し、算出する濃度である。含まれる試料を計測する単位は、同じように質量であったり、計測した質量から分子量を元に算出した物質量であるなどする。簡単のため、次の例を用いる。
例、試料メタノール32gを水で希釈し、100gとした水溶液。
このときの全体量は、メタノール水溶液である100gの液体である。
例の文章より、100gの液体には、32gのメタノールが含まれていることがわかる。
濃度とは全体に対する混合物の比率であるため、32g/100g(100gあたり32gの意)もひとつの濃度である。
しかし、一般的には全体としての統一性や混乱の防止のため、全体量(100g)を単位質量あたりに計算するのが普通である。つまり、この例においては、全体量である100gを単位質量であるg(グラム)などに調節するため、全体を100で割ることにより、0.32g/g(=0.32g/1g)とする。これが上記においての(w/w)である。その他にも単位質量を同じく一般的なkg(キログラム)に調節し、320g/kgとするなど、目的に応じて使い分ける。
このような、質量/質量の濃度では、質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)が利用されることが多い。質量パーセント濃度とは、質量濃度の単位(w/w)の変わりに100分率記号(%)を用いて表す単位である。質量パーセント濃度は、その指数を使って簡単に混合物の量を計算できるほか、濃度の大きさを直感的に扱うことができるため、大まかな濃度を示したいときなど、多くの場面で見られる。
パーセント(%)とは直訳すると「100あたり」となり、全体を100とした場合どのくらい混合物が含まれるかを表さなければならない。質量パーセント濃度の場合その数字の基準となる単位が質量単位ということである。
例の水溶液の濃度、0.32g/gで説明する。今、この濃度は1gあたりに含まれるメタノール(混合物)の濃度を示している。
これをパーセント濃度(100あたり)に変換するため100倍にする。すると32g/100gとなる。これは100gあたりに32gの混合物が含まれていることを示す。つまり、100あたり32含まれるということである。ここで、濃度を示す単位をg/100g(100gあたりxg)から質量パーセント(%つまり、質量100あたりx)に置き換えると32%と質量パーセント濃度が求められる。
また、質量パーセント濃度は次の式から直接導くこともできる。
質量パーセント濃度={溶質(例ではメタノールの質量)/全体量(例では水溶液)}×100
また、きわめて希薄な溶液に対しては百万分率や十億分率の単位が用いられる。
次に例示する分量を示す接頭辞と組み合わせた補助単位で希薄度にあわせて濃度が表される。
百分率(%)濃度比の絶対値に102を乗じて値とする。
千分率(‰)濃度比の絶対値に103を乗じて値とする。
百万分率(ppm)濃度比の絶対値に106を乗じて値とする。
十億分率(ppb)濃度比の絶対値に109を乗じて値とする。
一兆分率(ppt)濃度比の絶対値に1012を乗じて値とする。
これらと同じように、含まれる混合物(例ではメタノール)の単位として物質量を用いたものが使われる。
例の文章より100gの液体には、32gのメタノールが含まれていることがわかるが、メタノールの分子量から算出される物質量(モル)は、約1モル(mol)である。
上記と同じく、濃度とは全体に対する混合物の比率であり、1molのメタノールが100gの液体の中に存在すると考えれば、1mol/100gと表すことができる。
そして、これも同じように、単位質量あたりに調節することで、0.01mol/gや10mol/kgと濃度を決定できる。
上項と同じ単位を用いながら、その内容の示す所は異なる。沸点上昇や凝固点降下の計算に用いられる。
定義は単位溶媒質量あたりの溶質の物質量。溶液全体に占める物質量でないことに注意されたい。この記事の例では、32gのメタノールが1molであり、考える溶媒は100-32=68gとなるから、14.7mol/kgとなる。
体積濃度(溶液濃度)とは、全体量を体積単位で計測し、算出する濃度で、基本単位がL(リットル)の場合と立方メートルの場合がある。混合されている試料を計測する単位は、質量や物質量であることが多い。化学の場面において、ある濃度の水溶液を調整する場合、試料を正確な量測り取り、メスフラスコなどの器具を用いて正確な体積に希釈し調整することが多く、主な化学薬品なども体積モル濃度で示されるのが普通である。