溶媒
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溶媒(ようばい、solvent)とは、固体、液体あるいは気体を溶かす液体の呼称。工業分野では溶剤(ようざい)と呼ばれることも多い。 最も一般的に使用されるのほか、アルコールアセトンヘキサンのような有機物も多く用いられ、特に有機溶媒と呼ばれる。

溶媒に溶かされるものを溶質といい、溶媒と溶質をあわせて溶液という。溶媒としては、目的とする物質を良く溶かす(溶解度が高い)ことと、化学的に安定で溶質と化学反応しないことが最も重要である。目的によっては沸点が低く除去しやすいことや、可燃性毒性環境への影響などを含めた安全性も重視される。また、化学反応では、溶媒の種類によって反応の進み方が著しく異なることが知られている(溶媒和効果)。

一般的に溶媒として扱われる物質は常温常圧では無色の液体であり、独特の臭気を持つものも多い。有機溶媒は一般用途としてドライクリーニングテトラクロロエチレン)、シンナートルエンテルピン油)、マニキュア除去液や接着剤(アセトン酢酸メチル酢酸エチル)、染み抜き(ヘキサン石油エーテル)、合成洗剤(オレンジオイル)、香水(エタノール)あるいは化学合成や樹脂製品の加工に使用される。
目次

1 特性の指標

1.1 極性・溶解性・混和性

1.2 プロトン性

1.3 沸点

1.4 密度


2 安全性

2.1 火災

2.2 毒性

2.3 使用上の全般的な注意


3 精製

4 代表的な溶媒の物性

5 関連項目

6 外部リンク

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特性の指標


極性・溶解性・混和性

溶媒と溶質は大別すると「極性(親水性)」と「無極性(疎水性)」とに区分することができるが、比較の問題なので明確な線引きはない。極性は誘電率または双極子モーメントで評価される。使用する溶媒の極性は、どのような種類の化合物を溶解させるか、あるいはどのような溶媒や液体化合物と混和させるかで使い分けられる。経験則として、極性溶媒は極性物質との組み合わせが良く、無極性溶媒は無極性物質との組み合わせが良いとされ、これは「似たものに溶ける」と言い表される。具体的には、無機塩(たとえば食塩)や糖類(たとえばショ糖)など極性の大きい物質は水のような高極性溶媒にしか溶けず、またなど極性が小さい物質はヘキサンのような低極性溶媒にしか溶けない。また、水とヘキサン(たとえれば食酢サラダ油)とは相互に混和せず、良く振り混ぜてもすぐに二層に分離するが、前者は多くの極性溶媒と、後者は多くの非極性溶媒と混和する。溶解性の定量的な指標としては溶解パラメーターが用いられる。


プロトン性

極性溶媒はプロトン性極性溶媒と非プロトン性極性溶媒とに分類される。プロトン性溶媒とは、プロトン供与性を持つ溶媒のことである。多くのプロトン溶媒は酸素あるいは窒素原子に結合した比較的酸性度の高い水素を持ち、同時に酸素あるいは窒素は非共有電子対も持つことからプロトンを受容できる性質(ルイス塩基性)も併せ持つ。この性質によりプロトン性溶媒は溶媒分子間で水素結合を形成している溶媒でもある。 (H2O)、エタノール (CH3CH2OH) 、酢酸 (CH3C(=O)OH) などが例として挙げられる。非プロトン性極性溶媒としてはアセトニトリル (CH3C≡N) 、アセトン (CH3C(=O)CH3) などが挙げられる。プロトン性極性溶媒はイオンを安定化する効果があるためSN1反応などイオンを経由する反応に良く用いられ、非プロトン性極性溶媒はSN2反応などに好んで用いられる。ドナー数やアクセプター数を指標とする。


沸点

溶媒の重要な特性に沸点気化熱が挙げられ、それにより蒸発の速さが決定付けられる。ジエチルエーテル塩化メチレンアセトンなど少数の低沸点溶媒は室温で秒単位の時間で乾く溶媒として用いられる。一方、水やジメチルスルホキシドのような高沸点溶媒を速く乾かすには、高温にしたり、空気を還流させたり、減圧するなどの方法が必要である。


密度

多くの有機溶媒は水よりも密度が小さく、水の上に浮かぶものが多い。例外的に塩化メチレンやクロロホルムなどハロゲン系溶媒の一部や酢酸などは水よりも比重が大きい。



安全性


火災

多くの溶媒が可燃性引火性であり、その性質は揮発性と関連している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki