ブートレグ(Bootleg)とは、海賊版(海賊盤)のこと。英語からの音訳のため、音楽関係においては「ブートレッグ」と呼ぶことが一般的である。ブート版(ブート盤)ともいう。
目次
1 定義ほか
1.1 レコード・CD
1.2 映画・ビデオ
1.3 コンピュータソフトウェア
2 総論
3 法的取締り現状について
4 歴史背景等
4.1 登場した当初
4.2 アーティスト側の対策
4.2.1 各個別の対策
4.2.2 放送用音源
4.2.3 公式海賊盤
4.3 媒体の変化
5 消費者側に求められる注意点
6 追記
7 関連項目
8 外部リンク
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著作権(一般には複製権)などの権利を無視して製造される違法、非合法な製品。 すなわち、著作権者の許諾を得ずに無断で制作・製造され不当に販売されることから、製作者(個人・法人・組織・集団などの形態は問わない)や販売者(一般的には「販売店」や「取扱店」など)に全利益が分配されてしまう。 結果、著作権使用料が著作権者に支払われず、アーティストの印税もそれを受け取るべき演奏者や歌手に支払われることがない。 また、CDやレコードなどの製品化(商品化)する権利を有する、レーベル会社などの利益も直接、間接的に損なう結果となる。
「ブートレグ(bootleg)」の本来の意味は「密造酒または密売酒」である。これは、かつて密造酒をブーツに隠したことに由来する。 なお、海賊版(海賊盤)の正規の表現は、パイレーツ・エディション(Pirate edition)である。 単なる物真似・模倣や、偽物一般の表現としては「コピーキャット(copycat)」と呼ばれる。
和訳する場合は、レコードやCDなど音楽関連に限り、パイレーツ版でもブートレグ版でも「海賊盤」という表記が使われることが多いが、これは、レコード盤のイメージから来る日本の音楽業界固有の表現であり、一般的な表現ではない。
なお英語版の記事では、音楽の違法編集版を主題にブートレグの記事を構成しているが、ブートレグという単語自体は、元は俗語とはいえ既に一般化しており、特に音楽に限定した用語ではない点に注意を要する。
レコードやCDの海賊盤はその性質から分類すると、いわゆる「ブートレグ」と「パイレート盤」「カウンターフィット盤」の3種類に分けることができる。
「ブートレグ」とはアーティストの未発表やライブ音源(「個人の内密な録音」か「権利者側の正式録音物の無断流用」かは問わない)などを権利者側の未承諾のまま違法にプレス(製作)した物。古い放送用音源や、日本では放送されなかった海外でのTVやラジオ音源の無断製品化も含む。
「パイレート盤」とは、正規に発表されたアルバムの内容をそのまま、あるいは主に曲単位で独自に編集するなどの形で、コピー(製作)した物。
「カウンターフィット盤」とは、正規盤の内容、装丁をそのままコピーして、正規盤に似せて製造した複製品。廃盤で正規盤が入手困難になったものの複製品などがある(日本では、レコード、CDの他、正式発売されたビデオテープや写真集に対する海賊版などは、この範疇がほとんど)。
この分類は、主に音楽にされるが、ビデオやコンピューターソフトなど、音楽でなくても分類できる。
また、レコード主流の時代における「プライベート盤」の多く(注:元来は「海賊版」の意味は無く、他者の権利下の音源を不当利益取得目的で製品化する場合にあてはまる)や、CD化してからの「コレクターズCD」(注:限定盤のような収集目的が前提で製作された正式盤などにも広い意味ではこれに該当するものがある、とする見解もある)と呼ばれるもののほとんど大部分は「ブートレグ」だが、それ以外も含めこれら3種類の「海賊盤」のいずれかに属することが多い。
かつて、イタリアなどのヨーロッパの数ヵ国では「ハーフオフィシャル」という形態の作品も多数製作され、本来は「ブートレグ」と同等とも言うべきライヴ音源やスタジオ未発表音源などが日本の一部CD、レコード販売店でも通常の輸入盤の販売価格に近い金額で売られていた(それに対し、ここで定義しているような「ブートレグ」は「リアルブート」と呼んだ)。現在は「ハーフオフィシャル」はほとんど存在しない。
かつて日本では20年で著作隣接権が切れた。そのため、海外ミュージシャンの日本独自の編集盤CDが直接ミュージシャン側と契約締結をしない複数のレコード会社から合法的に多量に出回った。CDが普及した1980年代半ばから1990年前にかけてのことである。中には正式CDがリリースされていたにもかかわらず、「別ミックス盤」などと銘打って既発売の正式レコード盤からCD化されたものもあった。ビートルズのポール・マッカートニーは、表向きは音質等に対する批判であったが、海賊版である「カウンターフィット盤」の取り締まりはもちろん、合法的な独自編集盤にさえも言及したと思われる正式コメントを1987年に出し、日本政府に要請した。当時から、レンタル用のレコード、CD、ビデオについての論議があったが、そういったことも含めて、現在は著作権も世界並みの基準に変えられてきている。
邦楽(国内アーティスト)に関しては東南アジア製の海賊盤が製作され続けてきているが、日本ではアメリカやイギリスのミュージシャンやアーティストの作品が主体で「ブート天国」とさえいわれている。
海賊版(盤)にも海賊版(盤)があり、当然ながら海賊版(盤)に携わる各段階での著作権の主張は不可能である。
コンピュータが普及してからはCD-Rとしての製作やジャケットのカラーコピーが簡単になった。レコードやオーディオテープやビデオテープの通常のダビングはノイズも増加するが、特にCDなどのデジタル製品のダビングの場合は、デジタルコピーでなくとも比較的音質の劣化が少ない。よって、既発売の正式盤の不当コピー対策としてコピーコントロールCD(CCCD)として製作されているものも現在では少なくない。