海嶺(かいれい、ridge)には、以下の2つの用法がある。
狭義では、海洋プレートが両側に引っ張られるために生じた地表の割れ目を直下のマントル(固体)が上昇することによってうめられ、マントルの断熱上昇のために部分融解が起こりマグマが発生し、火山活動が起こり、新しいプレートと海洋地殻が生成される大規模な海底山脈のこと。中央海嶺。
広義では、海洋底において海盆を分けているような、細長い山脈状の地形のこと。海洋の底において傾斜を伴った地形の高まりが細長く連なっている、いわば海底山脈のような場所全般を指す。
目次
1 中央海嶺
1.1 代表的な中央海嶺
1.2 海洋底拡大
1.3 プレートテクトニクスの証拠
1.4 地磁気の逆転と海洋底拡大
2 海嶺(広義)
2.1 成因
2.2 主な海嶺
3 関連項目
4 参考文献
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海嶺(かいれい、oceanic ridge)は、大洋の底にある海底山脈で、マントル(固体)が地下深部から上がってくる場所のこと。特に大陸移動の一部である海洋底の拡大をもたらす大規模なものは、通常、中央海嶺(ちゅうおうかいれい、mid-oceanic ridge)または大洋中央海嶺と呼ばれ、何千kmも続く海底山脈である。中央海嶺では、新しい海洋地殻が形成され、海洋底が少しずつ左右両側に広がっている。広がった海洋底、すなわち海洋プレートが大陸プレートと衝突し、沈み込む場所を海溝という。
代表的な中央海嶺
大西洋中央海嶺 : 大西洋の真中を南北に連なる海嶺。南北アメリカの海岸線とヨーロッパ・アフリカのそれとがよく一致していることは有名だが、この海嶺もその線を描く。海嶺北部にアイスランドがあるが、ここは、大西洋中部のアセンション、南部のトリスタン・ダ・クーニャとともに、大西洋の拡大を発生させたホットスポットのひとつであり。大西洋はまだ若いため、ホットスポット下から上昇してくるマントルプリュームの活動が、海嶺の拡大に大きく寄与している。
ナンセン・ガッケル海嶺 : 大西洋中央海嶺の続きでアイスランド北方から東シベリアまで続く中央海嶺。
東太平洋海嶺(海膨) : 太平洋南極海嶺の続きでチリ沖のイースター島付近からカリフォルニア湾に繋がっている中央海嶺。ここで生まれた海洋底は誕生した約2億年後に日本海溝に沈む。
太平洋南極海嶺 : 南緯55°以南を東西に走る太平洋の「中央海嶺」。
インド洋中央海嶺 : セーシェル島、モーリシャス島沖、東経60°付近に位置するインド洋の中央海嶺のひとつ。モーリシャス沖南緯20°のロドリゲス断裂帯で南西インド洋海嶺と南東インド洋海嶺につながる。北は、アデン湾まで伸びるカールスバーグ海嶺につながっている。
南西インド洋海嶺 : ロドリゲス断裂帯からマダガスカルの南方へ南西方向に連なるインド洋の中央海嶺のひとつ。
南東インド洋海嶺 : インド洋の中央海嶺のひとつ。南緯20°東経70°付近から南緯50°東経110°付近まで連なっている。
地球表面の地殻の下にあるマントルは、地球中心部の核に近い部分が暖められ、表面に近い部分が冷却されるため、お椀に注がれた熱い味噌汁が対流しているようにゆっくり対流している(注意すべきはマントルは決して軟らかい液体でなく硬い固体である)。対流の速度と位置はほぼ一定しており、マントルの上昇してくる場所は決まっている。上昇してきたマントルは左右に分かれて、地殻の下を水平に動き、やがて冷やされて沈んでゆく。海洋底はマントルの動きに乗って、拡大し、移動し、ぶつかり合い、沈む。この海洋底が生成され、拡大している場所が中央海嶺に相当する。なお 陸塊は海洋底に比べて比重が小さく、ぶつかり合っても沈むことはない。1972年まではこのような説が信じられていたが、海嶺に大きなフリーエア重力異常がないため、海嶺がマントル対流が上昇する場所であるという考えは否定された。重力異常があるのはホットスポットであり、ホットスポットこそがマントル対流が能動的にマントル中部やマントル下部かれ上昇する場所である。この意見は1990年以降のマントルトモグラフィーで証明された。海嶺でおこるマントル上昇は消極的なものであり、両側から引っ張られた空隙を埋める活動である。そのため、マントルトモグラフィーから観察される上昇流の根は100kmに達しない浅いものである。
以上述べてきた地殻の動きやぶつかり合いは、プレートテクトニクスとして理論化されている。海嶺での海洋底拡大は、プレートテクトニクスの有力な証拠とされる。海洋底の拡大はどのようにして確認されたか以下に述べる。
地磁気の逆転と海洋底拡大中央海嶺を挟んで対称的に拡がる磁気異常帯
地球は中心部の溶融金属核の対流により磁気を帯びている。これを地磁気という。地磁気は数万年単位で方向が逆になる事を繰り返している。
岩石中に一般的に含まれる鉱物である磁鉄鉱は、その名の通り常温で磁気を帯びている。