泡沫候補
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泡沫候補(ほうまつこうほ)とは、選挙で当選する見込みが極めて薄い選挙候補者。特殊候補、インディーズ候補とも呼ばれる。英語では一般に minor candidateと呼ばれ、Perennial candidate( ⇒en)という言い方もある(ただし後者は頻繁に立候補するものの当選には至らない著名・有力候補もしくは「万年候補」というニュアンスが強く、一度だけ立候補する場合は含まれない傾向がある)。「沫」が常用漢字に含まれないため、新聞などでは泡まつ候補とまぜ書きしたり、泡末候補と書き換える場合もある。
目次

1 概説

2 実際の政治活動

3 マスコミでの扱い

3.1 「独自の戦い」


4 泡沫候補締め出し

4.1 新聞社と行政との取り決め

4.2 報道姿勢への対応


5 法律上の扱い

6 脚注

7 関連項目

8 外部リンク

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概説

「立候補してものように消えてしまい落選する候補」という意味からつけられており、候補として立候補する以外に政治的活動があまり注目されない場合にそう呼ばれることが多い。やや侮蔑的な形容であると一般に考えられている。

選挙に立候補しても法定得票数未満となったり、供託金制度のある国では供託金没収点未満となる事例が大半である。しかし、最初は泡沫候補と呼ばれていても、選挙活動を通じて大きく注目されて、有力候補になったり選挙に当選したりする事例も稀に存在する。特に、有力な現・前職のいない選挙や、長く無投票当選の続いた選挙など、波乱の起きやすい状況で予期せぬ善戦・当選が見られる。逆に、かつては大物政治家であった人物でも、曲折を経て当選の見込みが極めて薄くなっている場合は泡沫候補と呼ばれることがある。

日本では地盤(後援会)、看板(肩書き)、鞄(資金)の三バンが揃っていない候補者ほど泡沫候補と呼ばれる傾向がある。

東京都知事選挙では多数の泡沫候補が立候補する傾向にあり、近年では1991年に16人、1999年には19人、2007年には14人がそれぞれ立候補している。

かつては参議院議員選挙の東京選挙区にも多数の泡沫候補が立候補し、第17回参議院議員通常選挙(1995年)は改選議席4に対し、72人が立候補した。これには、選挙の確認団体となるには一定の候補者をそろえる必要があり、そのために、比例区よりも供託金の比較的安い選挙区を選んだことも要因の一つである。比例票の積み増しも狙ってか都市部での出馬が多く、明らかに当選の見込みが薄いにも関わらず定数いっぱいに候補者を立てることも多かった。


実際の政治活動

いわゆる有力候補と同様の選挙運動を行う候補者はもちろん多い。一方、候補者の中には、荒唐無稽な主義・主張を行う者や、ほとんど選挙運動をしない者なども少なからず存在する。また、組織力が低いか皆無に等しい候補が多いため、公設掲示板へのポスター貼りなど、手間の掛かる選挙運動はできないか不十分な場合が多い。

単記非移譲式投票の下では、「次点より低い順位の候補者の得票数は選挙が行われる度にゼロに近づいていく」というデュヴェルジェの法則があり、次点より低い順位の候補者は選挙ごとに泡沫候補化していく傾向がある。

一般的に候補者自身は「泡沫」と呼ばれることを極度に嫌っている。「当選の見込みがない」と言われているも同然なのだから当然といえよう。そこでさまざまな言い換えが試みられている。大川興業総裁大川豊は、大政党からではなく無所属ミニ政党(多くの場合、候補者自身が代表)所属で出馬する彼らに敬意を表して「インディーズ候補」と呼んでいる。この呼び方は著書の中で頻繁に使われ、好事家の間で普及している(これは、「メジャーな」候補に対する対立概念ととらえられるだろう)。また、泡沫候補が報道される際、所属党派名が省略され「諸派」「無所属」と扱われることから「しょむ系候補」(諸無系候補)と呼んでいるサイトもあるが、さほど定着しているとはいえない。

ただ、過去の選挙においては選挙運動用のはがきなどを他の陣営に横流しして売買した候補が現れたことや選挙公報等を用いて特定の商品の宣伝を行った政党などが問題になった事例(第16回参議院議員通常選挙の宣伝を行った日本愛酢党など)ことや、特定の右翼団体が政党から資金援助を受けて立候補していた実例があって問題となった(第30回衆議院議員総選挙における肥後亨事務所の実例)こともある。そういう経緯から、供託金の額が引き上げられたこともあって、真剣に政策を訴えている候補までも選挙に立候補することが困難になってきている側面もある。現在においては、こうした事例は供託金が引き上げられたこともあり露骨な形で問題となる事例は少ない。


マスコミでの扱い

公職選挙法により、マスメディアは特定の候補を差別することは禁じられている(評論として批判や評価することは認められている。また、ニュース価値の判断から、結果的に扱いに差が生まれても違法ではないとされる)。しかし、多くのマスコミは、選挙報道で候補者による扱いに差別を設けている。たとえば新聞・テレビなどの報道では、有力候補は細かい政策や選挙活動のレポートなどを報じるが、特定の候補は最低限の立候補情報のみしか報じない、という差別が常態化している。


「独自の戦い」

泡沫候補・弱小候補が行う選挙活動を表現するために報道機関が用いる慣用句として、「独自の戦い」という表現が用いられることがある。転じて、主流・本筋とはかけ離れた方向・距離・観点において独特の活動を行うことを揶揄して用いることもある。

選挙に関する報道においては公平性が求められ、報道機関は全ての立候補者の氏名や政党名、肩書き、その所信などを報道することが求められる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki