気動車(きどうしゃ)とは、人員・荷物もしくは貨物を積載する空間を有し、運転に必要な動力源として熱機関を搭載して自走する鉄道車両のことをいう。
日本語の「気動車」は、蒸気機関を搭載する蒸気動車に対しても、内燃機関を搭載する車両に対しても用いる。そのうち、内燃機関を動力とする車両を特に「内燃動車」と呼ぶこともある(現在ではあまり使われていない)。
現在の気動車では、一般に内燃機関の中でも熱効率と安全性に優れるディーゼルエンジンが動力として用いられている。そのため、日本では「ディーゼル動車」または「ディーゼルカー」(Diesel Car, DC)、「汽車」 などと呼ぶことも多い。対して、欧州では動力分散方式の車両を「マルチプル ユニット」と呼ぶことから、気動車を「DMU」 (Diesel Multiple-Unit) と呼称する。また「レールカー」(Railcar)とも呼ばれる。
以下、特記ない限り、主に日本国内の事情に基づいて記す。JR東日本キハE130形気動車(2007年 袋田駅)
目次
1 概要
1.1 構造
1.1.1 機関
1.1.2 ディーゼルエンジン以外の機関を持つ気動車
1.1.3 車体
1.2 燃料
2 運用特性
3 走行性能
4 日本の気動車の略史
5 現状
5.1 現代の気動車・高性能化とレールバス
5.2 メーカーの寡占化
6 今後の課題
7 気動車の分類
7.1 機関・燃料の種類による分類
7.2 変速機による分類
8 俗称
9 列車番号
10 脚注
11 関連項目
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何らかの熱機関を搭載し、燃料を燃焼させ、その熱エネルギーを機械的エネルギーに変換し、車輪を駆動させる。電車と同様に動力分散方式の鉄道車両に分類され、一両ごとに床下に内燃機関を配置し、複数両の車両を連ねる場合にはそれらを先頭車の運転台から一括して制御する、動力分散型総括制御方式を用いている。気動車の構造はその種類により全く異なるため、「気動車の分類」に掲載されている各記事も参照されたい。
現在営業運行に供されている気動車では、ディーゼルエンジン以外の熱機関を搭載したものは皆無である。このため、一般社会においては「気動車=ディーゼル動車」という認識になってきており、「内燃動車」「ディーゼル動車」「ディーゼルカー」などの細かい区分用語はあまり用いられなくなっている。
もっとも過去においては、明治時代末期から戦後間もない頃までは蒸気動車があったほか、大正時代から1950年代まではガソリンエンジンを動力とする「ガソリン動車」(「ガソリンカー」とも)も存在したが、いずれも経済性・安全性などの面から廃れた。なお、ガソリン動車は現在、日本においては禁止されている。ガソリンカー廃止のきっかけとなった事件については西成線列車脱線火災事故を参照されたい。
またガスタービンエンジンを搭載した「タービン動車」(「ターボトレイン」とも)も研究され、1960年代以降アメリカ・フランスなどでは実用化されたが、日本では燃費の悪さと甲高い騒音、故障の頻発が嫌われ、更にオイルショックにも見舞われたため、試作車(キハ07 901、キハ391-1)の製作に止まり、実用化されなかった[1]。
海外ではマイクロガスタービンを使用した新世代ガスタービン-エレクトリック式気動車が開発されつつある。
車体は、床下に架装されるエンジンと変速機の重量・動揺に対応するため桁の強度を上げてあること、遮音、吸音に配慮されている以外は一般的な客車や電車と大きく変わるところは無い。出力面での制約を補う見地から、概して軽量化への志向が強い。
ホームの高さが古い時代の基準で低いままの地方線区で主に使われるため、乗降口にステップを備えている車両が多い[2]。
現代のディーゼル動車では軽油が用いられているが、資源量に限りがあるため今後はバイオディーゼルが導入される可能性もある。
ガソリン動車はガソリンを使用していた。
戦争の影響による石油の不足により石油燃料に統制がしかれていた1940年代には、ガソリン機関を(終戦後はディーゼル機関も)改造して木炭ガスや天然ガスを燃料に使用した例もある。
蒸気動車は蒸気機関車と同様、石炭を使用しており、機関助手の乗務による投炭作業を要した。