殺人(さつじん、俗に人殺し、英:Murder)とは人間の命を絶つこと。
特に、人間による殺意によるものを指すことが一般的である。人以外の主体によるものでもいうことがある。
自ら命を絶つことは自殺とされ、これと区別するため、他殺(たさつ)と呼ばれることもある。
目次
1 概説
2 件数
3 殺人の起源説
4 殺人が起きる理由
4.1 金銭のケース
4.2 痴情のもつれのケース
4.3 怨恨のケース
4.4 証拠隠滅のケース
4.5 快楽を求めたケース
4.6 その他のケース
5 脚注
6 関連項目
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殺人は近代社会のいかなる法域においても重い犯罪として規定されており、法域によっては死刑に処される可能性がある。犯罪としての殺人については殺人罪を参照。
法治国家がその誕生と共に厳しく取り締まるようになった人間の反社会的行為の内の重要な一つが、殺人である。
古代には法律以上に社会に深く浸透していた宗教においても、殺人は忌むべきもの、犯してはならない戒律として多くの宗教に規定されている。旧約聖書にはカインがアベルを殺したのが最初の殺人と書かれている。ユダヤ教においてモーゼが受けた「十戒」でも、信仰と親への孝行を除く社会生活上の禁忌五つのうち真っ先に採り上げられている。仏教の五戒においても不殺生戒があげられている。
すべての殺人が違法ではない。死刑によるなど法による殺人、正当防衛などやむをえない事情による殺人、戦争による殺人などである。その一方、殺人に対する嫌悪感も強く、理想的には死刑廃止や戦争の廃止を求める声も少なくない。ただしその場合でも、自分が生きるか死ぬかという極限状態における正当防衛だけは認めざるを得ないのが実情である。
戦争における殺人を一般の刑法で治めることは不適当なので一般に軍法が適応される。 一部は戦争犯罪として国際的に罰せられる可能性がある。国際法が根拠とされることが多いが、 しばしば法的根拠を欠く場合があったり国家間の政治的駆け引きの要素が強いので注意が必要である。
また、国家元首や政府の高官など権力を持つ者が自国民を大勢殺害した場合、その国の法律では調査・訴追・公正な裁判を行うことが極めて困難である。そのため国際刑事裁判所が設けられた。一方で、一部の国はこの枠組みに参加しておらず、更にアメリカ合衆国は参加しないだけでなく、アメリカ国民を国際刑事裁判所に引き渡さないことを約する免責協定を結ぶよう各国に要請するなど、その趣旨に自国民を加えることに反対している。このため、その実効性を疑問視する声もある。
日本も長らくこの枠組みに参加しなかったが、国内法の整備が整い平成19年(2007年)7月17日、国際刑事裁判所ローマ規程を批准した。
ICPO調査による2002年の統計では、日本では年1,871件の殺人が発生しており、人口10万人あたりの発生率は1.10件で先進国の中ではアイルランドと並んで最も低い。他国の発生率はアメリカ合衆国5.61件、イギリス18.51件、ドイツ3.08件、イタリア3.75件、フランス3.64件、スウェーデン1.87件、オーストラリア3.62件、スイス18.45件、ロシア22.21件[1]。なお、日本の殺人件数は毎年減少傾向にあり、1958年(昭和33年)には2,683件だったものが2007年には戦後最低の1,199件を記録した[2]。
殺人あるいは暴力行為の説明としていくつかの説が考え出された。
一つは進化論の観点から、種内淘汰の一種であるという説。人類も類人猿から進化したことは確実であり、動物であった段階から受け継がれたとする。動物のオスはメスの獲得やリーダーの地位などを巡って種内闘争を行う。これに勝てる者が多くの子孫を残すことによって進化(適応化)を促す。その際単なる威嚇に留まらず相手のオスが致命傷を受けることがあり、殺人(同種殺害)の淵源とする。近年は激しい闘争よりも、威嚇段階で留まる方が有益であると考えられるようになっている。一般に肉食獣など殺傷力が強い武器をもつ動物ほど反撃を恐れ同族同士の実力行使に慎重である。
もう一つは生化学の立場から、男性ホルモンのテストステロンが暴力性を誘発するというもの。テストステロンは筋力増強に繋がるが、一方攻撃性を増すという指摘があり、攻撃行動が重要性を持つ軍人や暴力、殺人犯の大半が男性であることも統計的にこれを裏付けている(外に向ける攻撃ではないが自殺者も男性は多い)。進化論的にもオスはメスや縄張りをめぐるオス同士の闘争、あるいは仲間を守るために角などが発達し、攻撃性もその際は有益であったとされる。文明社会になってその必要性は薄くなり、負の面となって表れるという因果なものになっている。
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