言語学における死語(しご)とは自然言語の中で、話者が存在しなくなったため実際には使用されていない言語を意味する。学校教育による標準語の浸透、グローバル化の進行とともに国際共通語としての英語などの勢力が強まり、少数民族の固有言語は世界各地で絶滅の危機にさらされている。なお、一般的な認識での死語は言語学では廃語(はいご)という。
話者が絶えてしまったために、発音が分からなくなっている言語もあるほか、文字文化を持たなかった言語では、存在そのものが絶えてしまったケースも見られる。この問題において最も顕著な事例としてはアボリジニの各々の部族にそれぞれ伝えられていた言語であろう。幸運にも民俗学者やアマチュアの手によって録音が残されていたために解明される場合もあるが、250(26〜28系統)とも言われた各アボリジニ言語の大半は、彼等が辿った歴史と共に、既に失われているとされる。
古代エジプト語の発音は、一時期において完全に失われたと思われていたが、表記をアルファベットに置き換えたコプト語(紀元4世紀〜 )として、現存するエジプトのキリスト教徒により存続していたことから、解読が進んだ。またコプト語を完全に死語としないための保存調査・復活運動が進められている。
ゴート語や古代教会スラヴ語ははるか昔に死語となったが、豊富な文献から当時の状況が分かっている。
古代プロシア語やフリギア語は文献が殆ど無い為、話されていた記録しか知られていない。
トカラ語やヒッタイト語は20世紀になってから新たに発見された死語であり、単なる死語でなく、インド・ヨーロッパ語族における様々な新発見、新研究の要素を含んでいた。
一度死語となった言語から母語話者を再生させる事は非常に難しいが、世界でただ一つ、イスラエルのヘブライ語のみがこれに成功している。第二言語として復活した言語にはマン島語やコーンウォール語などがある。
関連項目
危機に瀕する言語
カテゴリ: 死語
更新日時:2008年6月17日(火)17:27
取得日時:2008/08/18 12:54