歩兵(ほへい、英:Infantry)は、軍隊における兵科の一つであり、戦場を徒歩で行動し、携行武器を携え比較的近距離での戦闘を担う兵士のこと。(戦場にたどり着くまでは馬や自動車などさまざまな移動手段を用いても戦場で歩兵であれば歩兵である)最古かつ最も基本的な兵科であり歩兵の存在しない軍隊は存在しない。最も柔軟性の高い兵科でもあり、あらゆる戦場で姿を見ることできる。自衛隊用語では普通科という。
歩兵は「陸戦の女王」とも称される。いかに無人化が進んでも、都市・拠点の確保を目的とする場合には歩兵の存在が不可欠である。近年は非対称戦への対応から軍隊や警察の特殊部隊を編制するにあたって、特別な訓練を受けさせた歩兵の重要性が高まっている。M4カービンを構えてバグダードで偵察任務を遂行する米陸軍第2歩兵師団所属の歩兵
目次
1 概説
2 歩兵の歴史
2.1 古代
2.2 中世 火力の時代へ
2.3 近代 機械化へ
2.4 現代 新たな歩兵
3 分類
3.1 現代の分類
3.2 現代に於ける代表的な歩兵の区分
3.3 歴史的な分類
4 部隊構成
5 歩兵の能力
6 運用と戦術
6.1 現代における基本的な仕事
6.1.1 戦闘
6.2 戦車と歩兵
6.3 ゲリラ戦
6.4 戦争以外での任務
7 装備
8 歩兵の未来
9 関連項目
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歩兵は歴史を通じて陸上戦力の基幹であり、さまざまな地形、任務、状況に柔軟に対応し、戦闘の最終的な勝敗を決する。戦車や火砲と比べれば必要とされる技術力も低くどんなに貧しく小規模な軍でも持っている兵科である。現代の戦争において、火力や機動力が非常に重視されており、歩兵も機械化されることが多い。拠点制圧、市街戦、ジャングル戦、上陸戦、人質救助、カウンターテロなどの精密誘導兵器や火砲などの使用する兵器が制限される局面においては、高度に組織化し訓練された歩兵部隊は必須の存在である。警察や軍隊の特殊部隊はその歩兵の特性に注目して、人質救助、カウンターテロなどに特化した歩兵で編制した部隊が多い。
なお,戦場に着くまでを自動車で歩兵移動する歩兵を自動車化歩兵というが,現代では正規軍の殆どが自動車化されているので単に歩兵と言う場合は自動車化歩兵と考えてよい。逆に移動手段を持たない歩兵は現代では特に徒歩歩兵などと呼ばれる。
歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車などそれ自身も戦闘に参加できる乗り物(AFV)にのった歩兵が存在し、機械化歩兵などと呼ばれる。逆に戦場でAFVの支援を受けない歩兵を軽歩兵と呼んで区別する。また主として固定翼航空機で移動し落下傘降下できる歩兵を空挺兵,主として回転翼機(ヘリコプター)で移動する歩兵を空中機動歩兵などと呼ぶ。主として船で移動し、上陸作戦を展開する海兵隊・海軍歩兵・海軍陸戦隊と呼ばれる歩兵もいる。携行装備はアサルトライフルや機関銃、手榴弾あるいは対戦車火器など。
歴史を通じて見ても、歩兵はほとんどの軍隊において核となる存在であった。これは歩兵の持つ戦闘能力の柔軟性や多様性による部分が大きい(安価な戦力という側面もある)。
馬がまだ貧弱な品種ばかりで車輪もようやく発明されたばかりの古代社会においては騎兵部隊や戦車部隊といった兵種はごく限られた貴族が担当するのが常であり、従って騎馬民族を除く殆どの文明の主力の部隊は歩兵だった。そもそも新大陸や太平洋の諸島のように車輪どころか馬とその他の大形の家畜すら知らない文明であれば歩兵のみが戦力となり機動力や突進力、兵站面での運搬能力がそこで大きく削がれた。それは外部から車輪や大型の家畜が持ち込まれるまで、それこそ現代に至るまで続いた。古代ギリシアでは、ポリス(都市国家)の市民を担い手とする重装歩兵が誕生し、ファランクスと呼ばれる密集隊形を組んで戦う戦術が用いられるようになった。ペルシャ戦争においては、この戦術によりペルシャ軍を何度も打ち破っている。