次期固体ロケット_(日本)
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次期固体ロケットは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が計画中の、小型の固体ロケット
目次

1 概要

2 特徴

2.1 1段目へのSRB-Aの採用

2.2 2段目・3段目の最適化

2.3 打ち上げシステムの革新

2.4 組立の簡素化


3 基幹ロケットへの応用

4 射場

5 将来性

6 背景

7 脚注

8 関連項目

9 外部リンク

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概要

2006年度に廃止されたM-Vロケットの後継機として計画されている、新たな固体ロケット。2007年9月現在、正式な名称はまだないが、一部報道によると名称は「イプシロン(エプシロン)ロケット」が有力候補とされている。[1]

M-Vロケットに比べて小型化され、打ち上げ費用の縮減と、打ち上げ前の射場での作業期間を短縮することを目的としている。

2011年度の打ち上げ開始を目標にしている。搭載する衛星の候補として、東北大学などが計画中の惑星宇宙望遠鏡TOPSが内定している。[2]


特徴

3段式の固体ロケット。1段目にはH-IIAロケット固体ロケットブースターであるSRB-A、2段目にはM-Vロケットの3段目のM-34bモーターの改良型、3段目には同じくM-VロケットのキックステージKM-V1の改良型であるKM-V3を採用する予定である。

既存のコンポーネントを流用することにより、短期間かつ低価格での開発を予定している。 当初は2段式ロケットで開発費用は120億円、1機あたりの打ち上げ費用は25億円程度、低軌道への打ち上げ能力500kg、2010年度打ち上げを目標とされていたが、2007年8月時点では、開発費200億円、一機当たりの打ち上げ費用は25?30億円、低軌道近地点高度250km、遠地点高度500km)への打ち上げ能力は1,200kg、2011年度の打ち上げ目標とされている。また太陽同期軌道(近地点高度250km、遠地点高度500km)への打ち上げ能力は600kg[3]の予定である。

また、打ち上げ時のロケット整備作業を削減するため、ロケットに自己点検機能をもたせ、パソコン1台で、ネットワークを通じて、遠隔地からロケットの点検や管制を行う事なども検討されている。


1段目へのSRB-Aの採用

多段式ロケットは、上段の性能を高めると全体性能が大きく向上するが、下段の性能を高めても全体性能の変化は小さい。一方、下段はサイズが大きいため、コストに与える影響も大きい。そこで、次期固体ロケットでは1段目の性能を落としてでも大胆にコストダウンする手法が採られた。SRB-AはH-IIAロケットの補助ロケットであるため、M-Vの1段目と比べて推力が小さく、ロケット全体の性能は低下する。なお、将来的にはSRB-Aの推進薬増量と推力増強により、M-Vと同等以上の打ち上げ能力とすることも検討されている。


2段目・3段目の最適化

コスト重視の設計がなされた1段目に対し、2・3段目はM-V以上の性能向上が図られる。前述の通り、2段目にはM-Vロケットの3段目のM-34bモーターの改良型、3段目には同じくM-VロケットのキックステージKM-V1の改良型であるKM-V3を採用するが、これらはJ-Iでみられたような単なる転用ではなく、M-Vの設計をベースにした新規設計であり、モータケースの軽量化や推進薬充填効率の向上が図られる。また、1段目のSRB-Aに合わせた最適ステージング設計により、ロケット全体の最適化が図られるため、ペイロード比(全体重量とペイロード重量の比)は、世界トップレベルであったM-Vと同等になる見込みである。


打ち上げシステムの革新

M-Vの開発ではロケットの大型化などに注力した結果、地上設備や電子装備は旧来のシステムから大きく変わっていなかった。このため、M-Vの運用中にも電子系の大幅な刷新が検討されていたが、次期固体ロケットではシステムの革新が大きなテーマになった。 ロケットに搭載する電子機器を一対一で接続するのではなく、LANのようなシリアルバス接続とすることで簡素化する試みはH-IIAロケットでも行われているが、次期固体ロケットではこれをさらに進化させる。機体に装備する様々な機器に自己診断機能を持たせることで、打ち上げ前の点検を自動化する。これらの情報のやりとりはシリアルバスを経由するため、遠隔地であっても(理論上はインターネットを経由しても)点検が可能になる。地上機器も当初は自動車程度の大きさを想定していたが、検討によりノートパソコン程度の簡素なシステムにできる見通しとなり、「モバイル管制」と称している。 また、ロケットに搭載されている各種機器は固有仕様の物が多く、機器の置き換えや組み替えをするためには適合のための開発作業が必要だった。次期固体ロケットでは、国際標準バスを取り入れることで互換性を高め、機体構成の変更や、部品の枯渇への対応を容易にすることとした。


組立の簡素化

M-Vの1段目は、モータケースが2分割で、さらにノズルも分離した状態で工場から搬出され、射場で組み立てていた。これを、SRB-Aと同じく一体に組み立てた状態で射場に搬入することで、射場作業を簡素化する。同様に、2段目以上もできるだけ工場で組み立てて搬入する。システムの革新と併せ、射場での準備期間と作業人数を大幅に削減し、固体ロケットが本来持っている特徴でありながらM-Vでは充分に活用できていなかった「短期間で簡素な打ち上げ」を実現する。


基幹ロケットへの応用

JAXAでは、国家的な宇宙開発を支える基幹ロケットとしてH-IIAロケットを運用している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki