権利能力なき財団
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この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

権利能力なき社団(けんりのうりょくなきしゃだん)とは、社団としての実質を備えていながら法令上の要件を満たさないために法人としての登記ができないか、これを行っていないために法人格を有しない社団をいう日本的な概念。法人格のない社団、任意団体ともいう。

典型的なものとしては、設立登記前の会社町内会の多く、入会集団在日本朝鮮人総聯合会などがある。組織の性質上、敢えて法人格を取らず、別組織として法人を設立している例もある(フリーメイソンリーコミックマーケット準備会など)。中には、主たる組織の存在を隠して、別組織の法人を表向き活動させる事例もあり、この場合別組織は「フロント企業」などと称される。

なお、社団と同様に財団についても法人格を有しないものを観念でき、これらは権利能力なき財団と呼ばれる(以下、この項目では権利能力なき社団と併せて権利能力なき財団についても述べる)。
目次

1 各種の法における取扱い

1.1 民事訴訟法における取扱い

1.2 法人税法における取扱い

1.3 地方税法における取扱い


2 権利能力なき社団に関する議論

2.1 概要

2.2 判例による定義

2.3 財産の帰属

2.4 構成員の責任

2.5 団体名義の登記


3 権利能力なき財団

3.1 権利能力なき財団に関する判例


4 不動産登記

4.1 登記の可否

4.2 代表者の交替

4.2.1 なすべき登記

4.2.2 登記に関する実例

4.2.3 登記申請情報(一部)



5 参考文献

6 関連項目

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各種の法における取扱い


民事訴訟法における取扱い

「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」は、その名において訴え、また、訴えられることができるとされる( ⇒民事訴訟法29条)。ここでいう「代表者又は管理人」とは、肩書きのことではなく、財産の処分について、全構成員から委任を受けている者のことをいう。代表者の設置に関する規定が定款にない場合や多くの入会団体のように、共有持分を観念せずに共同の事業を営んでいる場合で代表者又は管理人が存在しない場合(いわゆる「代表者の定めの無い権利能力なき社団」)は、「共有物の変更に関する規定」の準用により固有必要的共同訴訟となる。


法人税法における取扱い

権利能力なき社団は法人税法上、内国法人の一つとして扱われる(同法における定義語は、人格のない社団等)。「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」とされており、公益法人等と同様に収益事業を行う場合又は退職年金業務を行う場合に限り納税義務を負うこととされる。


地方税法における取扱い

「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」について、収益事業(法人税法施行規則第5条に列挙の事業)を行う場合に法人とみなす規定があるが、住民税均等割部分については法人みなしを経ずに納税義務者としている。(道府県民税:24条1項4号、市町村民税:294条1項4号)


権利能力なき社団に関する議論


概要

権利能力を有しないため、それ自体は権利及び義務の主体となりえないにもかかわらず、社団としての実質を備えて活動しており、時として社団の名において権利を有し、又は義務を負うがごとき外観を生じる。このような場合に権利・義務関係をいかに処理すべきかが問題とされる。


判例による定義

そもそもの前提として、いかなる団体が権利能力なき社団として扱われるかという問題がある。学説はこれを様々に論じるが、法人の一部が独立した団体として活動していた場合において、その団体が権利能力なき社団に該当するかどうかが争われた裁判の判例によると、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にも関わらず団体そのものが存続し、代表の方法・総会の運営・財産の管理その他団体として主要な点が確定している場合、権利能力なき社団として扱われるとされる( ⇒最判昭和39年10月15日民集18巻8号1671頁 )。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen