核融合炉
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核融合炉(かくゆうごうろ)とは核融合反応を利用した反応炉のこと。21世紀後半の実用化が期待される未来技術のひとつ。
目次

1 概要

2 核融合反応

3 利点

4 欠点

5 安全性・危険性

6 核反応

6.1 D-D反応

6.2 D-T反応

6.3 D-3He反応

6.4 核融合反応の候補


7 現状と問題点

8 脚注

9 核融合炉の種類

10 関連項目

11 外部リンク

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概要

重い原子であるウラニウムプルトニウム原子核分裂反応を使った核分裂炉に対して、軽い原子である水素ヘリウムを使った核融合反応を使ったのが核融合炉である。現在、日本を含む各国が協力して国際熱核融合実験炉ITERフランスでの建設に向けて関連技術の開発が進められている。ITERのように、核融合技術研究の主流のトカマク型の反応炉が高温を利用したものであるので、特に熱核融合炉とも呼ばれることがある。

太陽のような恒星が輝くのは、すべて軽い元素の核融合反応による熱エネルギーによるものである。核融合炉が「地上の太陽」と呼ばれる由縁であるが、これら恒星は自身の巨大な重力で反応を維持できるのに対して、地上で核融合反応を起こするためには極めて高温にするか極めて高圧にする必要がある。

核融合反応の過程で高速中性子をはじめ、さまざまな高エネルギー粒子の放射が発生するため、その影響を最小限に留めて、安全に反応を継続する技術の開発や、プラズマの安定的なコントロ−ルの技術、超伝導電磁石の技術、遠隔操作保守技術、リチウム重水素三重水素を扱う技術、プラズマ加熱技術、これらを支えるコンピュータ・シミュレーション技術が必要とされ開発が続けられている。また、巨大科学に属する核融合炉の開発には莫大な資金投資が必要とされるので、今後は各国国民に上手に説明する技術も必要とされる。


核融合反応

原子核融合も参照

原子番号28ぐらいまでの軽い元素では、核子一個あたりの結合エネルギーが比較的小さいので、原子核融合によって余分なエネルギーが放出される可能性がある。しかし、原子核の電荷が互いに反発して反応を阻害するため、実際にエネルギーを取り出して利用できるような形で反応を起こすことが可能なのは、電荷がごく小さい水素リチウムなどに限られると見られている。実際に核融合反応で発電するためには、原子核が毎秒1000km以上の速度でぶつかりあう必要がある。これを臨界プラズマ条件と呼び、この速度の実現には、D-T反応(重水素三重水素の反応)では「発電炉内でプラズマ温度1億℃以上、密度100兆個/cm3とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件」と、いうことになる。2007年10月現在、この条件自体はJT-60及びJETで到達したとされているが、発電炉として使用出来るまでの持続時間等には壁は高く、炉として実用可能な自己点火条件と言われる条件を目指し挑戦がつづいている。


利点

原子力発電と同様、二酸化炭素の放出がない

核分裂反応のような連鎖反応がなく、暴走が原理的に生じないこと

水素など、普遍的に存在し、かつ安価な資源を利用できること また自然界中の無尽蔵の重水素リチウムを活用していく構想があること

原子力発電で問題となる高レベル放射性廃棄物が継続的にはあまり生じないこと ただし炉壁のクズは高レベル放射性廃棄物となり、古くなって交換されるダイバーターやブランケットといったプラズマ対向機器も定義にもよるがほとんど高レベルに近い放射性廃棄物になる

従来型原子炉での運転休止中の残留熱除去系のエネルギー損失やその機能喪失時の炉心溶融リスクがないこと

などが挙げられる。


欠点

超高温で超真空という物理的な条件により、実験段階から実用段階に至るすべてが巨大施設を必要とするため、莫大な予算が掛かること

技術的困難による実現可能性への疑問 つまり1億度程度の高温でなければ十分な反応が起こらず、そのような高温状態では物質はプラズマ状態となり通常の容器に安定して収納することができず、そもそもこのような高温に耐えられる融合炉の材料が無い点等にある そのため磁力線を利用してプラズマを保持する磁気閉じ込め方式などが開発された

炉壁などの放射化への問題解決が求められること(後述)

放射能の危険性は炉心と燃料の三重水素(トリチウム)において依然として無視できないこと


安全性・危険性
反応の停止
核融合反応は核分裂反応と違って反応を維持するのが技術的に大変困難であり、あらゆる装置の不具合や少しの調整ミスが自動的に核融合反応の停止に結びつき、簡単には反応を再開出来ない。これは安全にとっては良い特性であり、現在の核分裂を使った商業用原子炉の根本的な危険性とは無縁である。
放射性廃棄物
核融合反応で発生する中性子は、核融合炉壁及び建造物を放射化する。放射化された核融合炉周辺の機械装置や建物が安全に本来の機能を発揮出来るような設計が求められる。たとえばITERにおいては2万トンの低レベル放射性廃棄物を発生させると推測されている(東海発電所の廃止措置に伴う物と同程度の量)。今後建設されるそれらの建物はすぐに廃棄できず既存の原子炉と同様30年程度の冷却期間が必要だと予想される。地層処分などの問題は現在の原子炉と同じ様に、費用の問題や環境汚染対策が必要である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki