東アジア言語(ひがしアジアげんご)とは狭義には中国語、日本語、朝鮮語、ベトナム語といった漢字文化の影響を受けた言語群(漢字圏)を指し、広義にはこれに東南アジアの他のシナ・チベット語族、タイ・カダイ語族、オーストロネシア語族を含めたものを意味する。
目次
1 漢字圏
2 地域の言語的特徴
2.1 形態論
2.2 意味論
2.3 構文
3 言語の関係
4 関連項目
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中国語、日本語、朝鮮語、ベトナム語は中国起源の語彙を持ち、漢文を書き言葉としていた。
中国以外では、書き言葉として利用されていた漢文が文字を持たなかった民族語の文字化に影響を与えた。漢語の形態論と語生成規則はこれらの言語へも適用される。その結果、漢語の規則で作られた漢熟語である和製漢語は中国語へも再借用され、中国人はそれを日本製であると意識せずに使用している。(英語に輸入されたギリシャラテン系要素を用いて作られた語彙がロマンス諸語に逆輸入されているのと類似している。)現在国語となっているこれらの言語には中国語、日本語、朝鮮語、ベトナム語がある。
現在漢語を起源とする語は元々の漢字(中国語。日本語、ときに朝鮮語)、簡略化された漢字(中国語、日本語)、独自の表音文字(朝鮮語、ときに日本語)または改良されたローマ字(ベトナム語)で書かれる。東アジア言語のソフトウェアの言語サポートに関してはCJKVを参照せよ。
他の地域特徴は漢字圏以外にもみられる。
形態論
単音節形態素が中国語やベトナム語、ビルマ語、タイ語、ラオ語他東南アジア大陸部と中国南部の言語のいくつかで典型的である。しかし日本語、朝鮮語、オーストロネシア語族では多くない。
単音節形態素は単音節語を必ずしも意味しない。中国語には多音節語が多い。多音節の形態素は中国語とベトナム語にすら存在し、それらは大抵は他の言語からの借用語である。
声調:中国語やベトナム語、ビルマ語、タイ語、ラオ語他東南アジア大陸部と中国南部の言語のいくつかが声調言語である。日本語、朝鮮語及びオーストロネシア語族は声調言語ではない。(日本語と朝鮮語は一部によって同じ語族に属すると信じられており、シナ・チベット語族や他の語族にないいくつかの特徴を共有する。)ベトナム語、漢語、チベット語は元々声調を持たなかったが後に声調を獲得( ⇒tonogenesis)したということが指摘されている。
分析的構造;中国語と東南アジアの言語は高度に分析的である。性、数、人称、格、時制、法によって単語が活用することはない。その代わりにこれらの状態は独立した、活用しない修飾語を加える事で示され、これらは拘束形態素でない場合もある。
日本語と朝鮮語には北に分布するウラル・アルタイ語族と同様に相、法、時制などによる動詞の変化があるが、動詞が性、数ほかの条件( ⇒verb argument)で変化しないという中国語および東南アジアの言語の特徴とは一致する。
数助詞・単位語:日中韓越及び東南アジア大陸部・島嶼部の言語は数助詞すなわち単位語がよく発達している。(名詞と数助詞の関係は厳密ではなく、この点では他の言語よりも分析的ではない。)
分類毎に数え方を変える方式はこの地域の他に南北アメリカ大陸の西側の原住民に共通である。この事から数助詞の発達は環太平洋地域の特徴といえる。
意味論
敬語が発達しているのはジャワ語、チベット語、日本語、朝鮮語であり、様々に異なったレベルでの丁寧さと尊敬を表すことができる。
近代化に際し、敬語は単純化の道を辿る。この様な現象はインドネシア語や英語において、複雑な敬語法を避けたり、より平等主義となるために見られる。
日本語、マレー・インドネシア語などの言語では代名詞は安定したものではなく、使用も稀である。新しい代名詞、つまり言及や呼びかけの形はしばしば尊敬や社会的地位を表す新しい方法として名詞から発達する。別の見方をすると、これらの言語には印欧語を基準とした意味での代名詞は全く存在しないということになる。
中国語は敬語法が消滅したにも関わらず、例外的に数千年前の原シナ・チベット語まで遡れ、全ての種類の人に使われる安定した人称代名詞を有している。
構文
主語・述語構造:主題優勢言語ではよく最初に文の主題を表す主語(または主題語)が来て、次に述語が続く構造となる。
日本語の例:こちら <トピックマーカー> 田中さん です。こちらは 田中さんです。
中国語の例:?的衣服、?什????? N? de y?fu, wei shenme zheme z?ng?あなた〈所有格〉 服、なぜ そんなに 汚い?なぜあなたの服はそんなに汚いのですか。
東アジア言語の特徴は隣接する主な言語群であるオーストラリア諸語、インド太平洋大語族、古アジア諸語およびインド・ヨーロッパ語族やアフロ・アジア語族とは対照的である。より離れたアフリカ諸語の一部には単音節で声調のある形態素、多様な名詞のクラスといった共通の特徴が見られるが、これは独立して始まったものだと考えられる。