有性生殖
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有性生殖(ゆうせいせいしょく)とは、や接合型の異なる二種類の細胞の融合を伴う生殖方式である。大腸菌から哺乳類まで、ほとんどすべての生物に見られる。これに対して、ある個体が他の個体と遺伝子のやり取りをすること無く生殖を行う方式を無性生殖という。

有性生殖に関与する生殖細胞のうち、融合に直接関わる細胞を配偶子という。ヒトのような高等動物の場合、配偶子は精子であり、その融合は受精と呼ばれる。菌類植物では、受精と同義で接合(配偶子接合)が用いられる事もある。受精や接合の結果生じた細胞は接合子と呼ばれる。
目次

1 有性生殖の意義

2 配偶子

3 生活環と有性生殖

4 菌類の有性生殖

5 藻類・原生動物の有性生殖

6 有性生殖のコストとパラドックス

6.1 マラーのラチェット

6.2 コンドラショフの効果

6.3 環境に適応するスピード

6.4 赤の女王仮説


7 参考文献

8 関連項目

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有性生殖の意義

有性生殖では、2つの細胞の接合によって両者の遺伝子が組み替えられ、新たな遺伝子の組み合わせを持つ個体が生じる。配偶子の形成に際しては減数分裂が行われ、染色体の選択が生じ、配偶子の遺伝子型は多様なものとなる。その配偶子の組み合わせで生じる接合子はさらに多様な遺伝子の組み合わせを持つことになる。このような過程を経て、生物の多様性を生み、ひいては進化をもたらすのが有性生殖の意味であると考えられている。これに関する仮説は後述する。

生物によっては、繊毛虫や一部の太陽虫のように、有性生殖とは異なる個体数の増加を伴わない遺伝子の組み換え機構(オートガミー)を備えるものもある。


配偶子

接合を行う生殖細胞を配偶子と呼ぶ。互いに接合する配偶子が同型の場合を同型配偶子接合と呼び、緑藻類などに見られる。

配偶子の大きさが異なるものは異形配偶子と呼び、大きな配偶子を雌性配偶子、小さな配偶子を雄性配偶子という。一般に雌性配偶子は大型で運動性を持たず、反対に雄性配偶子は小型で運動性を備える。多くの動物に見られる精子はその代表例である。卵と精子でない異型配偶子で生殖する生物には海藻のアオサなどがある。また配偶子が独立せず、配偶子のう内にあるまま、配偶子のうが接合を行う例もある。


生活環と有性生殖

通常、有性生殖とは配偶子を形成し、それが接合する過程を指す。動物の場合、配偶子形成の時に減数分裂を行うので、遺伝子の組み換えにかかる現象は連続して起こる。しかし植物や藻類、菌類では、接合と減数分裂が生活環中の離れた過程で起きる例が少なくない。例えば世代交代があるシダ植物では、減数分裂による胞子形成が無性生殖として扱われる場合があるが、これは配偶体世代の有性生殖に続く重要な段階であり、その意味では有性生殖の一部である。菌類では、これに無性生殖を含むさらに複雑な生活環が見られるため、減数分裂や接合を含む一連の円環を有性生活環( ⇒teleomorph、テレオモルフ)と呼び、無性生活環( ⇒anamorph、アナモルフ)と区別している。


菌類の有性生殖

菌類の場合、減数分裂による胞子形成のことを、有性生殖と呼ぶ場合がある。子のう菌の子のう胞子、担子菌の担子胞子は、いずれも2核の融合後、その核が減数分裂することによって形成される。また、それらの胞子は単独で発芽して菌糸体を形成する。これらの菌群では、接合は特に分化した器官ではなく、菌糸など普通の体細胞の接合によって起きる。


藻類・原生動物の有性生殖

接合が行われても、個体数が増えない場合や、新たな個体を生じない場合もある。単細胞生物の場合、特に新たな配偶子を生じず、その細胞がそのままに接合を行なう例があり、その場合には当然ながら2個体から1個の接合子を生じる。ケイソウでは、細胞内で減数分裂を行い、その後に接合して新たな個体が作られる。ゾウリムシテトラヒメナなど繊毛虫の場合、小核(生殖核)が減数分裂を行って、接合した相手とそれを交換し、それぞれの細胞内で小核が再構成される。この場合、核の遺伝子組成は変化するが、個体の増加を伴わない。


有性生殖のコストとパラドックス

有性生殖と比較して、短期的には無性生殖の方が有利な繁殖方法とされる。個体数と繁殖スピードが同じ個体群なら、子供を生まない雄がいる個体群よりも、子供を生む個体ばかりの個体群の方が繁殖速度が大きい。例えば雌雄が1:1である集団の場合、無性生殖による繁殖速度は有性生殖の2倍となる。また、有性生殖には高いコストが付きまとう。異性を探し回る、交尾をするなどの繁殖行動には時間や体力が必要である上、交尾中は無防備である。このようなコストは有性生殖のコストと呼ばれる。

上記の通り、有性生殖は繁殖スピードが遅い上にコストが掛かるが、実際の生物には有性生殖を行うものが多い。これは有性生殖のパラドックスと呼ばれている。この事実は生物学者を悩ませ続けているが、このパラドックスと有性生殖の進化を説明する代表的な仮説を紹介する。


マラーのラチェット

「無性生殖では有害遺伝子が徐々に蓄積していき、いつかは生殖や繁殖に支障をきたすに至る」という理論。ハーマン・J・マラーロナルド・フィッシャーにより提唱された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen