有事法制
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有事法制(ゆうじほうせい)とは、有事(主に武力衝突や侵略を受けた場合など)の際に、軍隊(日本では自衛隊)の行動を規定する法制のことである。
目次

1 有事法制とは

1.1 有事法制の意義及び目的

1.1.1 有事法制の意義は国民保護にある

1.1.2 有事法制の憲法上の論拠

1.1.3 有事法制の構成及び基本的性格


1.2 有事法制の概要


2 日本の有事法制

2.1 成立経緯


3 有事法制への反対論

4 有事関連法

4.1 武力攻撃事態対処関連三法

4.1.1 武力攻撃事態関連三法の背景


4.2 有事関連七法

4.2.1 法律(内閣提出)

4.2.2 関連性のある法律(議員立法)

4.2.3 条約



5 関連項目

6 参考文献

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有事法制とは

有事法制の意義及び目的について以下に概説する(※いわゆる有事法制について保有する国は先進国の中にも多く存在するが、いわゆる有事法制という表現は多くの場合、日本の法制がその対象である。よって、以下では主に日本の有事法制について概説する)。


有事法制の意義及び目的

1978年、有事法制研究に参画した竹岡勝美元防衛庁官房長(当時)によれば、有事法制とは「いずれかの国が日本と周辺の制空権、制海権を確保した上で、地上軍を日本本土に上陸侵攻させ、国土が戦場と化す事態を想定した法制」であるとされる(2002年2月8日、参議院『第154回本会議における答弁』第7号7頁より)。


有事法制の意義は国民保護にある

有事法制は立憲主義を基調とする国にあって、国及び国民にとり、急迫不正の侵害があり、通常の憲法秩序では国及び国民の安全を確保できない非常事態に際して憲法の一部または全部を停止し最終的に国及び国民の安全、憲法秩序の回復を図る国家緊急権の思想の中から生まれた非常事態立法のひとつである。とりわけ、有事法制は近代立憲主義の前提である憲法に定められた国民の基本的人権の尊重を条件つきとはいえ一部に制約がかれられることになる。

今日、有事法制をめぐっては様々な見地から賛否があるが、とりわけ立憲主義の肯定的見地に基づく場合における有事法制の正当性及び使命は有事からの国民の保護にある。


有事法制の憲法上の論拠

では、具体的に有事法制が憲法上認められる根拠がいずれにあるのか。

有事に際して憲法の停止をするかどうかは国にもよるが、国によっては憲法上に国家緊急権を明記する場合、或いは慣習的に認めている場合、規定していない場合とがある。日本などでは規定していない部類に属する。

有事法制の整備に際しては、あくまで憲法の枠内法制整備が実施された。即ち、日本の有事法制は憲法の一部または全部を停止する権能を許容しておらず、またそのような措置を予定していない。ちなみに憲法の枠内で非常事態に対処する権能を憲法学的には非常事態権、非常措置権ともいうが、日本においては憲法上、非常事態権の保有すら明記していない。このため、有事法制の憲法上の根拠は公共の福祉に置かれる(それらの概念については個別の関連項目を参照されたい)。


有事法制の構成及び基本的性格

日本における有事法制の具体的な有事法制は防衛庁所管の法令を第1分類、防衛庁以外の省庁の所管の法令を第2分類、所管省庁が明確でない事項に関する法令を第3分類として3つに分類されてきた。これらの分類の意義は
自衛隊及び米軍の行動に関する法制、

国家としての基本的な対処要領に関する法制、

国民の行動に関する法制

である。


有事法制の概要

日本では、有事への対処を優先するために私権を制限することや憲法平和主義との整合性で長年にわたり論議があったが、平成15年(2003年6月13日武力攻撃事態対処関連三法が成立し、有事法制の基本法である武力攻撃事態対処法が施行されたことで法制の枠組みが整備された。

その際に制定が先送りされた国民保護法等は、翌平成16年(2004年6月18日に公布され、同年9月17日に施行された。これにより有事の危機対応における基本的法整備がなされ民間防衛の実施体制に向けた環境整備を進めるための足掛かりを築くことになった。さらに、こうした有事法制と自然災害やヒューマンエラーをも包括した、いわゆるマルチハザード型の法体系を確立すべくそれら緊急事態の法体系整備に向けた取り組みとして自民党民主党公明党の与野党3党は2005年以降の通常国会にて緊急事態基本法の成立に向けて調整を行うことで一致した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki