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最高裁判所裁判官国民審査(さいこうさいばんしょさいばんかんこくみんしんさ)とは、日本における最高裁判所裁判官を罷免するかどうかを国民が審査する制度のことである。
目次
1 概説
2 国民審査の問題点
3 過去の国民審査
4 記録
4.1 歴代最高不信任率裁判官
4.2 歴代最低不信任率裁判官
5 脚注
6 関連項目
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日本国憲法第79条第2項及び第3項と最高裁判所裁判官国民審査法に基づいている制度である。最高裁の裁判官は、任命後初の衆議院議員総選挙の投票日に国民審査を受け、その後は審査から10年を経過した後に行われる総選挙時に再審査を受ける。
最高裁判所裁判官の運命がかかっている国民投票であるにもかかわらず、衆議院議員総選挙の陰に隠れて制度自体があまり浸透していない。
国民審査の実施方法などについては最高裁判所裁判官国民審査法で定められている。国民審査の投票用紙にはそのときに国民審査の対象となる裁判官の氏名が記されており、投票者は罷免すべきだと思った裁判官の氏名の上に×印を書き入れる。投票者の過半数が×印をつけ罷免を可とした裁判官が罷免される。×印以外の記号を投票用紙に書いた場合は無効となる。
衆議院議員選挙の投票の際に国民審査のみを棄権することは可能で棄権する場合は投票用紙を受け取らないか受け取った場合は返却することが出来ると投票所内に掲示してある。しかし特定の裁判官に対してのみ投票し、他の裁判官に対して棄権することは特定の裁判官に対してのみ棄権の意思を表す方法が定められていないため不可能となっている。
最高裁判所裁判官国民審査法第32条で国民審査は最低投票率が1%と定められており、投票率が1%未満の場合は罷免とはならない。
このほかに裁判官を罷免する制度は日本国憲法第78条に基づく弾劾裁判の制度がある。
国民審査で罷免された裁判官は罷免の日から5年間は、最高裁判所裁判官に任命されることができない。
法曹資格がない者が最高裁判所裁判官に就任した場合は弁護士法第6条によって弁護士資格を得るが、国民審査で罷免されても、弁護士資格は剥奪されない。
これまでに国民審査によって罷免された裁判官はいない。投票用紙に×印を書き入れなかった裁判官に対しては自動的に信任と見なされるため、国民審査の結果は常に信任票が多くなる傾向にある。それ以前に、最高裁裁判官自体が一般国民には身近でなく、マスコミで報道されることも稀であり、投票時に初めて名前を知るという国民も多い。このため、国民審査制度は儀式化、形骸化したとする見方、国民審査は「伝家の宝刀」であり存在することにより裁判官の行動に影響を及ぼし意義があるとする見方、信任する裁判官に○をつける方式にして罷免の可能性を高めるべきとする主張などがある。
また、期日前投票制度では衆院選は公示日の翌日から可能であるのに対して、国民審査は投票日の7日前からになっている。衆院選は公職選挙法第31条により投票日より12日以上前に公示することが定められているため、少なくとも4日間のタイムラグが生じることになり、投票日8日以上前の期日前投票では衆院選しか投票することができない。
国民審査を受けた最高裁判所裁判官は国民審査から10年経過した後の総選挙で国民審査で再審査を受けることになっており、最高裁判所裁判官は10年?14年おきに国民審査を受けることになる。しかし、最高裁判所裁判官の定年は70歳であるため、少なくとも50代に最高裁判所裁判官に就任しないと再審査を受けることはない。50代で最高裁判所裁判官に就任したのは1964年に就任した田中二郎が最後であり、それ以降に就任した最高裁判所裁判官は全て60歳以上で就任しているため、再審査を受ける最高裁判所裁判官がいなくなっている。過去に再審査を受けた最高裁判所裁判官は6人[1]で、1963年の入江俊郎が最後になっている。
また任命されてから総選挙の投票日前までに退官した場合は国民審査を受けない。そのため、国民に審査されない最高裁判所裁判官も存在することになる(過去に国民審査を受けていない裁判官は2人[2])。
国民の権利、さらには日本の未来がかかっている国民投票であるにもかかわらず、衆議院議員総選挙と同時に執行される事が、憲法79条2項に定められている。その結果、衆院選の陰に隠れて制度自体があまり浸透せず、存在自体が衆院選のおまけのようになってしまっている。このため、審査法を改正して単独で国民審査を行うべき、という主張もある。ただ、そうすると投票率が極端に低下する危険性もある。