晩婚化(ばんこんか)とは、世間一般の平均初婚年齢が以前と比べて高くなる傾向を指す言葉である。
高年齢で結婚をすること、俗に「婚期を過ぎてから結婚する」ことを指して晩婚と言うが、その「婚期」についての社会通念も変化してきた。また、これによって少子化という問題も起きている。
目次
1 世界的な傾向
1.1 アメリカ合衆国の状況
2 日本国内での意識
2.1 結婚時期
2.2 個人主義の浸透
2.3 需給のミスマッチ
2.4 女性の家事・育児負担
2.5 平均初婚年齢
3 晩婚化の影響
4 対策
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
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晩婚化は先進国だけでなく途上国でも確認されており、世界的な現象となっている。国連が世界192カ国を対象に、1970年代と1990年代で結婚等がどのように変化したかを調査した報告書によれば
「1970年代と90年代を比べると、世界の平均初婚年齢は2年近く遅くなり」
「晩婚化は7割以上の国でみられ、平均初婚年齢は男性が25.4歳から27.2歳に、女性は21.5歳から23.2歳に上昇した。上昇幅は先進国の方が大きいが、途上国でもアルジェリア、スーダン、マレーシアのように3歳以上上昇した国があった」[1]
となっている。
第二次世界大戦以前の社会においては、10代で結婚して所帯を形成することはごく自然な行為であり、全体にも平均初婚年齢は20歳前後に留まる時代が長かった。 これは進学率が低かったこと、及び低年齢から社会に出て手に職を付けることが当たり前でありかつ効率的であったことが理由の一つとして挙げられる。特に女子は長い間、進学せずに家事に就くことが当然と見なす社会的圧力に晒されていたため、進学や就職をせず親の縁談で伴侶を見つけて嫁ぐことも多かったので、女子の平均初婚年齢は10代後半で長く推移した。
大戦後、特に先進国において義務教育以上の就学過程(特に大学)への進学率が高くなると、平均初婚年齢は次第に20代へとシフトし始めた。この傾向は、高学歴を必要とする専門知識が求められる職種の増加、学歴重視の雇用者意識、女性の社会参加、看護・福祉のような女性が中心的な労働力を占める職種の社会的地位の向上、女性の経済的な自立と就業意欲の高まりなどを背景として、年々加速した(ただし女性の経済的な自立については異論も多い。次項参照)。他に、女性はほとんどの文化では男性と比べ不利益を被っているが、その不利益は結婚するとますます大きくなると言われている[2]ことも、晩婚化の要因の一つとなっている。
女性が強いと信じられているアメリカ合衆国においても、既婚男性の満足度は独身男性より高い一方で、女性の場合はその逆となり、さらに独身女性の方が既婚女性よりも長生きをするという調査結果がある[3]。 『女は結婚すべきではない』の著者のシンシア・S・スミスは、「現代の男性が結婚すると、家を手に入れ、家の世話をしてくれる家政婦と料理人、陽気な家族を得て、それにもう一人分の収入がプラスされる。だが女性が結婚すると増えるのは下宿人」であると、アメリカの結婚事情が女性に厳しいことを指摘している[4]。
日本では現在、結婚しても良い年齢は男子18歳・女子16歳と定められている。しかし、日本国内では高校へ進学する人の割合が1学年あたり90%台に達してから既に長く、結婚して所帯を作ろうと考える年齢は男女ともに18歳を下回ることはほとんど無い。
また近年の物価高・賃金の下落を反映し、所帯を持つための財産形成のために、就労してからもしくは結婚相手を見つけてから実際に結婚するまでの敷居を高く取ろうと考える意識も一部には見られる。
一方、個人主義の観点から、当人にとっても周囲についても、独身でいつづけることに対する社会的な抵抗(俗には「世間体」と呼ばれる)が昔に比べて格段に低くなっている。このため、就労して獲得した時間的・金銭的な余裕をもっと自分個人のために使い充足感を得ようと、より長く独身時代に留まろうとする者も多く、以前はそれらの人々を指して「独身貴族」と揶揄することがあった。現在では死語となりつつある。一方で、高学歴化に伴う就労年齢の高年齢化・職場での競争の激化により、晩婚化の傾向には拍車がかかっている。昨今では、男女とも30代になっても独身を続けようと考えることに対する抵抗感は、彼らが前線に出て働いているオフィス街などでは特に、ほとんど見られなくなっている。
また、男女とも、お互いを結婚相手としてみなせない、という意識もある。現在の日本では女性が経済力を付ける一方、子育てのサポートが十分ではないために、女性の多くには子どもを産むと仕事を辞めざるを得ず、男性の収入を当てにする上方婚志向(収入・年齢・階層の高い者との結婚を希望する)が根強い。男性からすれば「給料は頭打ちなのに、女性は金がかかる。子ができればなおさら。」女性からは「今の日本の社会で女性が自立して生きるのは不安。(子どもを産むために)早く結婚したいが、(女性の上方婚志向を満たす)いい男性がいない。」という、意識のミスマッチも、原因だと考えられている。 未婚男性側の結婚相手に求める基準も高くなっている側面もある。男性は自身の年齢が高くても女性に若さや容姿を求める傾向が強い。 しかし、若い女性の人口自体が減っている中で「若さ」や「高い容姿基準」を求めれば男性の未婚者は増大する。
また、社会人となった男女がグローバルな競争に晒され、不安定な身分や収入のもとにあるため、相手には以前にも増して「男らしさ(経済力や包容力)」「女らしさ(やさしさや癒し)」といった言葉に象徴される「安心」「安定」を求めるという矛盾が需給のミスマッチをさらに促進しているといえる。
日本では労働時間が長く、男女の役割分担意識が強いため、出産・育児に対する女性の負担が非常に大きいとされる。共働き世帯の夫が費やす家事労働時間は一日平均20分で、専業主婦の夫の27分よりも少ない。