旧字体
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図1図2図3

字体(じたい)とは、図形を一定の文字体系の一字と視覚的に認識する概念、すなわち文字の骨格となる「抽象的な」概念のことである。
目次

1 概要

2 正字体

2.1 康熙字典以前

2.2 康熙字典体

2.3 当用漢字・常用漢字

2.3.1 旧字体


2.4 簡体字

2.5 繁体字

2.5.1 韓文漢字


2.6 新字形


3 異体字

3.1 異体字の事例

3.2 異体字の認定

3.3 文字集合と異体字


4 参考文献

5 関連項目

6 外部リンク

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概要

文字は言語と直接結び付いて意味を表すものであり、その結び付いた意味によって字種に分類される。そして異なる字種は、原則としてそれぞれ異なる字体を有する。例として、図1は「かたな」という意味を持つ字であり、図2は「やいば」という意味を持つ字である。このとき図2は、図1と比較して一画多い、異なる字体を有している。

しかし、異なる字種が同一の字体を有する場合も稀にある。これらは同形異字と呼ばれ、視覚的にはまったく区別することができない。

さらに、ひとつの字種に複数の字体が併存していることがある。それら複数の字体は、それぞれ異なる字源から成立している場合もあるし、同じ字源から発生しながらその表現が歴史的・地理的に変化していった結果が固定されている場合もある。例として、図2と図3を比較すると、中央の筆画の交差に差異が見られるが、これらは共に「ジン」という音と「やいば」という意味を持つ字である。このように、字義、字音が等しい同一の字種でありながら、互いに異なる字体を有する文字を異体字と呼ぶ。異体字のなかで、規範として選ばれている字体を正字体と呼ぶ。異体字と正字体については、それぞれ後の項で詳しく述べる。

字体と似た概念に字形(じけい)があるが、これは個別具体の文字の形の総称であり、文字の視覚的な差異はすべて字形の違いとして捉えられる。これまで例として挙げてきた図1・図2・図3についても、字形の違いとして包括することができる。本来、字体は抽象的な概念であるから、何らかの書体によって表現されている字形は、あくまで参考のためのものに過ぎないと考えられる。しかし字形は、常に書体の変遷に応じて大きく変化しているため、あらゆる書体・字形の差を抽象しうる字体というものを想定するのは難しい。

文字コードにおいてその文字集合包摂規準に従う場合などを除くと、これら字種・字体・字形の弁別は、文字体系を共有するもの同士が、何らかの合意に達することで行われる。すなわち、先に挙げた図2と図3の例についても、これらを字形の違いに留まるものと捉えるか、それとも異なる字体として認めるかということは、一意に決まるわけではない。図2と図3は字形が相違するだけで、異体字ではないと考えることもできる。

なお、文字コードの策定に当たっては、表記体系上必要な句読点や括弧類、スペースなど、意味や音を持たない図形記号の抽象化を含めた、グリフ(glyph)という概念も用いられる。


正字体

正字体とは、ある文字において、最も規範的とされる字体を言う。特に、いくつもの字体を有する漢字で問題になり、その選択のしかたによっていくつかの正字の体系が言われる。正字として重要なのはその典拠とそれを正字とする判断であり、四書では、小篆隷書で示したものが正統の証でもあった。代の『康熙字典』(1716年)以後は、その字体が規範として尊重された。


康熙字典以前

史籀篇(西周)

説文解字(許慎、後漢

釈名(劉熙、後漢)

顔氏字様(顔師古、

干禄字書(顔元孫、唐)

開成石経(唐)

説文解字の親字として示されている小篆は、正字の規範として尊重されてきた。干禄字書は説文解字や経書に示された小篆に基づき、科挙受験者のために楷書の正字体を示した字書である。このような字様書として五経文字、九経字様が引き続き作られた。


康熙字典体

康熙帝によって編纂が命じられた康熙字典の字形に基づく字体を指す。全般的には字典に用いられてきた字体である字典体を踏襲しているが、『正字通』でやや過度にわたる規範意識を持って示された字形も、多く採用している。そもそも字典体は、干禄字書系統の字形に代表されるように、一般的に広く流布し、最も常用されていた字体ではなく、小篆の字体に近づけたものが少なくなかった。そのため、康熙字典には伝統的な楷書の字形と異なる字形が多く見られる。

康熙字典は広く流布されたため、そこに示された明朝体の字形を、伝統的な楷書の字体に基づいた明朝体の字形と区別して、康熙字典体と呼ぶ。ただし康熙字典では、皇帝の名を避諱して闕画を行った「」や「」(いずれも「玄」)といった字形が見られるなど、正字体として用いるには適当でない点があった。そのような実用に適さない部分を変更したものが現在通用している「康熙字典体」であり、また現在通用している「康煕字典体」を明示的に指定する際には「所謂康煕字典体」と呼ぶ。


当用漢字・常用漢字

当用漢字は、1920年代から具体化しつつあった漢字略字化案(臨時国語調査会「常用漢字」(1923年)など)をもとに、日本の国語審議会が1946年に制定した1850字のことである。この時、同時に他の字の使用が制限された。続いて1949年に当用漢字字体表が告示された。ここでは楷書や草書などで通行していた字体などをもとに、多くの新字体が採用されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen