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日本語の起源(にほんごのきげん)は、現在日本語として同定される言語体系の起源をいい、言語学上の論点のひとつである。言語学では日本語系統論ともいわれる。
目次
1 方法に関する問題
1.1 日本語学・国語学
1.2 比較言語学
1.3 言語類型論
1.4 神話学・人類学
2 これまでに唱えられた主要な学説
2.1 アルタイ起源説
2.2 高句麗語同系説
2.3 朝鮮語同系説
2.4 オーストロネシア語起源説
2.5 混合言語説
2.6 クレオールタミル語説
2.6.1 音韻複合対応
2.7 その他
2.8 分子生物学からの知見
3 関連項目
4 関連人物
5 脚注
6 参考文献
7 外部リンク
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日本語の起源に関する議論は、新井白石『東雅』や本居宣長らの研究を嚆矢とするが、それ以前にも言語学的な研究は行なわれていた。しかし意識的に「起源」つまり「日本語」の総体を歴史的に分析していこうとしたのはとりわけ本居宣長らの国学派であった。以来、今日に至る「国語学」も江戸以来の膨大な研究蓄積を基礎にしている。西欧の比較言語学が輸入されてからは相互に批判・対立もあったが、近年は双方の方法を折衷しながら、いまだ決着の着かない「日本語」の由来について研究が行なわれている。
日本語の起源を解明するための方法の一つに、比較言語学の手法がある。比較言語学は歴史言語学のうち印欧語族の起源を明らかにするなかで発展してきたものである。主な手法は、「祖語」を仮説的に想定し、それに沿って言語変化の規則を比較・対照することによって言語間の系統関係を導き出すという方法である。文献資料のないオーストロネシア語族に適用しても数多くの業績が出ているので、8世紀頃までのものしか文献資料が見つかっていない日本語にも、ある程度は適用可能とされてきた。 しかし、例えば比較言語学者高津春繁も、印欧語族の事例として適切なセム・ハム語族の研究においてすら、印欧語族の比較方法をそのまま用いることは無理であるとしている[1]。
しかしながら印欧語族の系統樹と東アジア諸言語の系統樹とは当然異なるものであり、近年は比較言語学の通時主義を包摂する形で地理的背景にも配慮する言語類型論などの観点からも研究が行なわれている[2]。
比較言語学と連携して進められた比較神話学の方法も大林太良や吉田敦彦らによって進められてきた。比較神話学は基本的には神話や説話の構造や特性を比較分析するものであるが、要素の単位をどこまで限定できるかという問題がある。構造神話学者クロード・レヴィ=ストロースは言語学の音素概念に影響された「神話素」概念を創造し使用しているが、分析概念としての有効性は未確定である。しかしながら参考となる知見も当然あり、比較神話学的分析によれば日本神話は北方民族(北東ユーラシア)と南方民族(東南アジア、太平洋諸島ポリネシア等)との混合とされ、日本語の起源に関する言語学的研究の成果との対応がみられる。
いずれにせよ、日本語の起源については様々なアプローチがある。
以下、これまでに唱えられた主要な説について解説する。
日本語をアルタイ系言語、アルタイ諸語のひとつとする説。ただしアルタイ語族説の基盤を築いたG. ラムステットやエフゲニー・ポリワーノフ、 ニコラス・ポッペら自身もこの仮説があくまで仮説にすぎないことを強調していた。