この項目には、一部のコンピュータや一部の閲覧ソフトで表示できない文字が含まれています(詳細)。
数学記号の表(すうがくきごう-ひょう)
数学においては、抽象的な概念を簡潔に記述するために様々な特殊な記号が用いられる。これは、それらの記号と意味を記した一覧表である。数学においては、各々の記号はそれ単独では「意味」を持たないものと理解される。それらは常に、数式あるいは論理式として文脈(時には暗黙のうちに掲げられている、前提や枠組み)に即して評価をされて初めて、値として意味を生じるのである。ゆえにここに掲げられる意味は慣用的な一例に過ぎず絶対ではないことに事前の了解が必要である。記号の「読み」は記号の見た目やその文脈における意味、あるいは記号の由来(たとえばエポニム)とか便宜的な都合(たとえば、特定のグリフをインプットメソッドを通じてコードポイントを指定して利用するためになんらかの呼称を与えたりすること)などといったものに従って生じるために、「記号」と「読み」との間には相関性を見出すことなく分けて考えるのが妥当である。
目次
1 記号論理の記号
2 集合論の記号
3 定数
4 算術記号
5 解析学の記号
6 代数学の記号
7 関連項目
8 参考資料
//
記号論理の記号
以下の解説において、文字 P, Q, R はそれぞれ何らかの命題を表すものとする。
記号意味解説
∧論理積「P ∧ Q」は「命題 P と命題 Q がともに真」という命題を表す。
∨論理和「P ∨ Q」は「命題 P と命題 Q の少なくとも一方は真」という命題を表す。
¬否定「¬P」は「命題 P が偽」という命題を表す。
⇒論理包含、導出「P ⇒ Q」は、「命題 P が真なら必ず命題 Q も真」という命題を表す。P が偽の場合は P ⇒ Q は真であることに注意が必要。
→
⇔同値「P ⇔ Q」は P と Q の真偽が必ず一致することを意味する。
iff
∀全称限量記号しばしば ∀ x ∈ S; P(x) のように書かれ、集合 S の任意の元 x に対して命題 P(x) が成立することを表す。
∃存在限量記号しばしば ∃ x ∈ S; P(x) のように書かれ、集合 S の中に命題 P(x) を成立させるような元 x が少なくとも1つ存在することを表す。
∃1一意的に存在しばしば ∃1 x ∈ S; P(x) のように書かれ、集合 S の中に命題 P(x) を成立させるような元 x が唯1つ存在することを表す。
∃!
∴結論文頭に記され、その文の主張が前述の内容を受けて述べられていることを示す。
∵理由・根拠文頭に記され、その文の内容が前述の内容の理由説明であることを示す。
:=定義「A := X」は、A という記号の意味するところを、X と定義することである。「A :⇔ X」とも書く。
:⇔
集合論の記号
以下の解説において、S, T は何らかの集合を表す。
記号意味解説
{x ∈ S | P(x)}-S の元のうち、命題 P(x) が真であるもの全てを集めた集合。必要がなければ「∈ S」は省略する。
∈集合に属すること「x ∈ S」は、x が集合 S の元であることを意味する。必要に応じて「S ∋ x」とも書くが、こちらには S が主語であるようなニュアンスを伴うこともある。
「¬(x ∈ S)」を「x ? S」と書く。
?∈ の否定
=集合の一致「S = T」は集合 S と集合 T が等しいことを示す。
≠= の否定-
⊆集合の包含関係「S ⊆ T」は S が T の部分集合であることを意味する。必要に応じて「T ⊇ S」とも書く。他も同じ。
⊆は S と T が等しい場合を含むが、⊂ は真部分集合の場合のみを表す。 ただし、⊂ に「等しい場合」を含む流儀もあり、その場合、真部分集合であることを示すには を用いる。
∈ と同様、などの記号もある。
⊇
⊂
⊃
集合演算記号意味解説
∩積集合「S ∩ T」は集合 S と集合 T の積集合を表す。また
は、集合族 {Sλ} の全ての積集合を表す。
∪和集合「S ∪ T」は集合 S と集合 T の和集合を表す。また、は、集合族 {Sλ} の全ての和集合を表す。
+直和集合「S + T」は「S ∪ T」に同じであるが、S ∩ T が空集合であることを暗黙に述べている。
この場合、集合族の和集合は次のように記す。
\差集合「S \ T」は、集合 S から集合 T を除いた差集合を表す。「S ? T」も同じ。
?
・c補集合Sc は、集合 S の補集合を表す。「」も同じ。
C( ・ )
2 ・ 冪集合2Sは、S の部分集合を全て集めた集合を表す。 とも書く。
( ・ )
×直積集合「S × T」は S と T の直積を表す。一般に、集合族 {Sλ} に属する集合たちの直積をのように記す。
?
・ / ・商集合「S/?」は、集合 S の同値関係 ? によって定まる S の商集合を表す。
Map( ・ , ・ )写像の全体Map(S,T) は S から T への写像を全て集めた集合を表す。
Δ対称差対称差は、二つの集合に対し、一方には含まれるが他方には含まれない元を全て集めた集合を表す。
写像記号意味解説
f: ・ → ・ 写像「f:S→T」は、 f が S から T への写像であることを示す。
元の対応は、x を写像 f によって写したものが y であることを意味する。文脈上明らかであれば f の記述は省略される。
合成写像「」は写像 f と写像 g の合成を表す。すなわち
である。合成の順序を逆に定義する(つまり、g(f(x)) と定義する)流儀もある。
Image像写像 φ に対して、Image φ はその写像の像全体の集合(値域)を表す。
特定の集合記号意味
?空集合