敬称
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敬称(けいしょう)とは、話者が相手や第三者に対して敬意、尊敬の念を込めて名前人名)の後ろに付けたり、その語自体で相手や第三者を表現する語である。後者の場合は、職名などで、一つの名詞としての機能を持っていて、独立して用いられる。用途としては、一般的な会話のほか、郵便物や文書などの宛名の記載などに用いられる。

一方、相手を揶揄する場合に用いられることもあるが、敬語丁寧語ほど相手に対する距離を置くという意図としては用いられない。

敬称とは反対に相手を蔑んだり、馬鹿にしたりする呼び方を、蔑称と呼ぶ。
目次

1 日本語の敬称

1.1 歴史

1.2 現代

1.2.1 接尾詞型

1.2.2 代名詞型

1.2.3 接尾詞型・代名詞型

1.2.3.1 「下」の付く敬称

1.2.3.2 職業で用いる呼称(肩書き)



1.3 敬称に準ずるもの


2 他の言語の敬称

2.1 英語の敬称


3 敬称とPC(ポリティカル・コレクトネス)

4 その他

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日本語の敬称


歴史

更に、近世までの日本の敬称の特徴として、必ずしもそれに限定しないまでにも、皇族公卿将軍大名やその一門に対しては、宮殿、御殿、城、館、屋敷など特定の建造物の名称を以って敬称することが多いのが特徴である。特に天皇皇族大臣将軍の敬称として御所大御所ないし、「御所さま」「大御所さま」と敬称した。

大名も、殿様に代表されるように、御殿に因んだ敬称であり、室町時代に成立した屋形号を免許された大名は、家臣から「屋形」、「屋形さま」「お屋形さま」と敬称されている(同音異義の「お館さま」「親方さま」ではない)。また、戦国大名北条氏康は家臣より「御本城さま」と敬称された記録もある。

これは身分の高い女性も同様であり、皇族の夫人には御息所などと称したように、将軍の正室には御台所、大名の夫人には「廉中」「御廉中さま」「室」「奥方」「奥方さま」「裏方」「お屋敷さま」「御新造さま」と称し、また側室は「お部屋さま」、上臈には「お局さま」などと称した。

また、公家の子弟を御室御所といい、将軍、大名の世子などは、それぞれ「小御所」、「新屋形さま」「若殿さま」「御曹司」など当主に準じた敬称が一般的に用いられた。その他、世子、夫人問わず高貴な家系の一門には、「西の丸さま」「二の丸さま」などと住まう住居の名称を称する例もある。

ちなみに、武士や大工などのようにその集団ないし階級、職業において主たる地位にある者を棟梁と称する例もあるが、この棟梁もまた建造物に因んだ称である。こうした例からもうかがえるが、歴史的な日本の敬称に冠する慣習において主たる特徴といえるのが、建造物を以って称することが多いという点である。更に、「殿」などの敬称に更に様付けをするなど、二重の敬称を用いる例が多かったのも特徴と言える。


現代

現代の日本語の敬称は敬意を表したい対象者の固有名詞の直後に付ける接尾詞型の敬称と、代名詞そのものに敬意が含まれる代名詞型の敬称の2種類に大別できる。現代の敬称は他の敬語同様、重ねて用いないことがよいとされる。例えば「陛下さま」「殿下さま」「先生さま」など敬称を重ねて用いない。

また、日本語では、話者自身が属する組織の人間に敬称は用いない(話者の身内、あるいは話者が所属する会社の経営者等)。皇族が天皇、皇太子に対し「陛下」「殿下」と敬称を付して呼ぶなどの僅かな例外がある。また、報道などで複数の人名を列挙する場合、「(敬称略)」と断った上で敬称を用いない(呼び捨てにする)場合もある。


接尾詞型
様(さま)
相手を尊敬する意味で使用される。口頭でも文書でも使われ、どの場面でも用いることに違和感が少ない敬称である。「お客様」の意味合いとされるため、病院の患者の名札は「様」の代わりに「殿」を用いることが多い(ただし呼ぶときは「さん」付け)。天皇以外の皇族に対し、「陛下」「殿下」の代わりに使用される。特にテレビ・ラジオなどでは「さま」付けで呼ぶのが各社の規則で義務付けられているが、日本共産党などはこの敬称を嫌い、『赤旗』などの関連紙では敬称を付けないで呼ぶ。書き言葉の際、「様」という漢字にはいくつかの字形がある。「様」の字形を崩した美様、平様などがあるが、主に用いられたのは永様、次様、水様の三様である。永様は「樣」と書き、自分よりはるか目上の人物に用いられる。次様は「?」(右下が次)と書き、自分より少し目上、もしくは同等の人物に用いられる。水様は現在一般的な「様」のことで、自分より目下の人物に用いられるが、現在ではこの水様が一般的であり、誰に対して使ってもよい。この書き分けは現在では廃れてしまっているため、あまり気にしなくてよい。「さま」や「サマ」などのように仮名で書いた場合、親密度は増すが敬意はかなり落ちるので、相手を選んで使う必要がある。一般的には漢字で書くのが無難である。
殿(どの)
主に書き言葉で用いられる。事務連絡や公的文書においては、格の上下の区別なく用いられる。役職名に続けて用いることがある(例:部長殿)。ただし「○○部長殿」のように「名前+役職名+殿」のように用いるのは役職名も敬称として用いる(後述)ことから二重敬語であり、誤りである。正しい使用方法は、「部長○○殿」である。私的文書においては、格下相手に対しての敬称として用いられることが一般的であり、格上や同格の相手に対して「殿」を使うと失礼とされることがあるので注意が必要である。最近では、役所等から個人に送付される郵便物等の敬称が「殿」から「様」へと変えられつつある。これは、受け取った人に格下だという誤解や不快感を与えないよう配慮しているためである。古くは、かなり身分の高い相手に対して用いられる敬称であった。平安時代の書物には「関白入道殿」といった表記が用いられている。
さん
話し言葉では最も一般的な敬称で、主として名前の後ろに付けられるが、この場合は接尾辞と異なり、取外しが可能。一定の距離がある相手、初対面で自分との関係が量れない相手の名前に付ける。女子を表す(学校で男子児童や生徒と区別するためによく用いられる。)。年長者の名前に付ける。最も一般的な親族の呼称の接尾辞。「お父さん」「お母さん」など。
ちゃん
幼児や子供に対して呼びかける語として、他の敬称と違って、名に多く用いられている語。親族の呼称の接尾辞として幼児が用いたり、親しみをこめて用いる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen