技術者(ぎじゅつしゃ)とは、基礎となる学問や知識を具体的なものづくりやプロセス、システムの開発に応用する専門家のこと。または、理学(数学・物理学など)・工学(機械工学・電子工学・情報工学など)分野の知識を基礎とし、有用な物や工程・システムを設計・開発する人のこと。エンジニアとも呼ばれる。自然科学・応用科学を問わずこれらの分野で基礎研究や新しい技術の開発をする人は、別途リサーチャーと呼び分けることもある。
20世紀後半以降、物のなかには具体的な形をもつハードウェアだけでなく、それを使うためのソフトウェアが含まれるようになった。また、作ったものを正しく動作させるための運用・保守に関わる職種も技術者(エンジニア)に含む。
技師・技士とも呼ぶことがあるが、これらは役職名・資格名を指すことが多い。
目次
1 技術者の定義と実情
1.1 技術者と技能者
1.2 博士号と技術士
1.3 技術者と科学者
1.4 技術者・学者・研究者
2 技術者の職階
3 各種の技術者
3.1 製造業一般における技術者
3.2 サービス産業における技術者
3.3 レコード・CD 制作における技術者
4 技術者に関する周辺知識
4.1 技術者の初任給の国別差異
4.2 近年の諸傾向
5 脚注
6 関連項目
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この項目では、主に技術者と似た分野を扱う職務との差異から、技術者の定義と実情を浮き彫りにする。
技術者に類似した概念に技能者がある。技能者とは、機械の組み立てや精密加工などの、ものづくりの実作業を担当する者を指す。専門知識を応用して成果を出すことは求められない反面、極めて高度な技能が要求される。これは伝統的な職人の概念に近い。技能者の国家資格に技能士がある。
ただし技術者は試作といった作業の必要性から、実質的に技能者であることも求められる。優れた技術者は、同時に優れた技能者であることが多い。ところが、近年は少年期に電気製品の分解・修理・組立などの電子工作を楽しまないままに成長し、大学においてもシミュレーションしか経験のない、技能を持たない技術者が増えてきている。
ソフトウェアの分野では、プログラマ(狭義ではコーダー)は技能者とされ、分析・設計を担当するシステムエンジニア・プロダクトマネージャなどの職種が技術者であるとされる。一方で、プログラミングできない優れたシステムエンジニアや設計できないプログラマは原理的に存在し得ない。このように、比較的新しい産業であることもあり、コンピュータ産業においては技術者・技能者の差異が明確ではない。特にデータベース・ネットワークにおける管理・運営業務を負うエンジニアは、作業自体は技能者寄りだが、大抵の場合それぞれのシステムの設計・開発を兼ねることが多いため、技術者としての側面が非常に強い。
学者(学術の研究者)に授与される学位である「博士(工学)」(旧「工学博士」)と、技術者の資格である技術士の違いを、土光敏夫は、次の通り説明している。
博士
科学技術の理論面での貢献をした人に与えられる称号
技術士
科学技術の応用面での貢献をした人に与えられる称号
技術者と科学者 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。
技術者は理論的・実験的アプローチにより事前に設定された目標を達成する製品の設計・製作を目指し、科学者は実験などから得た事象を系統的に整理し、理論体系の構築を目指す。
両者に明確な区分はなく、最先端の技術においては技術者にも科学者的側面が必要であり、つまり目標達成のために系統だった理論に基づいて考察を繰り返す必要がある。また科学者にも技術者としての視点が必要で、実験などで事象に関する知見を収集する際に、実験条件を確実に再現するための技術的な知見が必要になる。
技術者は、産業界(主に企業)において実用的な技術を担う職務を意味する。実用的な技術とは、目安としておおよそ10年間以内に役立つような技術のことを指すことが多い。一方、研究者と言った場合、実用性以前に実現性の有無すら未知の領域を探求する職務であり、技術者とは棲み分けがなされている。
技術者は主に産業界に属しているが、研究者といった場合は必ずしも属する組織が限定されない。これは産業界で必要とされる研究と学術界で価値のある研究にも差異があるためである。さらに企業における新製品の研究開発と言う場合は、研究者というより高度な技術者が必要とされる傾向が強い。
学者と言った場合、企業ではなく大学などの学術・教育機関に属している研究者を指すことが多い。これは、教育サービスを提供するがどうかも学者・研究者を区別する一つの基準であることを意味する。ゆえに産総研のように公的な学術機関の場合は、学者ではなく研究者と呼称される。私企業の場合、基礎研究に近い事業に関わっている場合のみ、研究者と呼称される(例:日亜化学工業 勤務時の中村修二氏)。