戦時法規
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戦時国際法(せんじこくさいほう、:Law of War, Jus in Bello)とは、戦争状態においてもあらゆる軍事組織が遵守するべき義務を明文化した国際法であり、狭義には交戦法規を指す。戦争法、戦時法とも言う。ただし現代では国連憲章により法的には「戦争」が存在しないため、武力紛争法、国際人道法(International humanitarian law, IHL)とも呼ばれる。ここでは戦時国際法という用語を用いる。戦時国際法は、戦時のみに適用されるわけではなく、宣戦布告のされてない状態での軍事衝突であっても、あらゆる軍事組織に対し適用されるものである。
目次

1 概説

2 適用対象

3 交戦法規

3.1 陸戦法規

3.2 海戦法規

3.3 空戦法規


4 背信行為

5 非戦闘員の保護

6 戦争犯罪

7 中立法規 

7.1 スイスの事例


8 履行確保

9 条約の一覧

9.1 ジュネーブ諸条約

9.2 ジュネーブ諸条約の追加議定書

9.3 児童の権利保護

9.4 文化財の保護

9.5 戦闘手段に関する条約

9.6 武器類の禁止・制限に関する条約

9.7 中立等に関する条約

9.8 国際組織等に関する条約


10 脚注

11 参考文献

12 関連項目

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概説

武力行使に訴える権利および手続を規制する国際法をユス・アド・ベルム(jus ad bellum 開戦法規、法的規制)、武力紛争において当事国の行動を規制する国際法をユス・イン・ベロ(jus in bello 交戦法規、武力紛争法規)と呼ぶ。これらのうち武力紛争において適用される国際法、すなわちユス・イン・ベロを戦時国際法と呼び、ユス・アド・ベルム上の法的評価とは関係なく、敵味方双方に平等に適用される。すなわち、侵略行為に対する違法性はユス・アド・ベルムによって判断されるが、侵略・防衛どちらの勢力にも平等的に適用されるのがユス・イン・ベロ(戦時国際法)である。

これでは法理的な矛盾が発生するが、戦闘における非人道的な行為の被害を最小化するためにもこれは国際的に受け入れられている。第一次世界大戦後の戦争違法化の流れのなかで、戦時国際法は意味をなさないとの見解もあったが、国家間における武力衝突がなくなったわけではなく近年では「国際人道法」として再構成されている。

戦時国際法においては「軍事的必要性(Military necessity)」と「人道性(Humanity)」の原則、法的基盤がある。[1]軍事的必要性とは敵を撃滅するために必要な戦闘行動などの軍事的措置を正当化する原則であり、人道性とは適切な軍事活動には不必要な措置を禁止する原則である。

戦時国際法の内容は非常に幅広く、第一に戦時国際法が適用される状況についての規則、第二に交戦当事国間の戦闘方法を規律する規則、第三に戦争による犠牲者を保護する規則、第四に戦時国際法の履行を確保する規則、で主に構成される。具体的には開戦・終戦、交戦者資格、捕虜条約の適用、許容される諜報活動、害敵手段の禁止・制限、死傷者の収容・保護、病院地帯、非武装地帯などについて定めている。ハーグ陸戦の法規慣例に関する条約ジュネーヴ条約などが有名。


適用対象

戦時国際法は戦時における国際法であるため、まず時間的な適用の範囲が規定されることとなる。つまり適用開始の要件と終了の要件である。現在の戦時国際法は武力紛争の存在を適用開始の要件としており、宣戦布告の有無や戦争状態の認定を問わない。[2]

さらに戦時国際法の適用を終了する要件としては紛争当事国の軍事行動の終了時、または占領の終了時である。[3]また適用対象となるのは紛争当事国である。また無聊紛争の類型された上で適用される。これには国際的武力紛争と非国際的武力紛争がある。非国際的武力紛争においては国内法の維持と非国際的武力紛争の適用という矛盾がしばしば発生する。

もし非国際的武力紛争の要件が満たせば犠牲者の保護が義務付けられ、さらに指揮系統の存在、反徒の組織性、軍事行動の時間的継続性と事実上の領域支配、という要件を満たすことができれば文民保護などの交戦法規が義務付けられる。[4]


交戦法規


陸戦法規

陸戦法規(Rules of land warfare)は陸上作戦における武力行使についての規則であり、現代では主に1977年に署名された「1949年8月12日のジュネーブ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書」によって規定される。その内容は主に攻撃目標の選定と攻撃実行の規則であり[5]、従来の戦闘教義にも変化を促した。

攻撃目標の選定の原則は、攻撃を行う目標をどのように選定するのかについての原則である。まず攻撃目標は敵の戦闘員(Combatants)か軍事目標(military objectives)に定められる。戦闘員とは紛争当事国の軍隊を構成している兵員であり、陸戦法規における軍事目標とは野戦陣地、軍事基地兵器、軍需物資などの物的目標である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki