恒星(こうせい)とは、主に水素、ヘリウムの核融合エネルギーにより自ら輝く天体。太陽も恒星の一つである。
恒星内では、核融合による光子などの放射と熱膨張によって拡張する外向きの力と、膨大な質量による重力の内向きの収縮力がバランスをとっている。このバランスが崩れると、恒星は不安定期を迎え、天体としての寿命を終える。晩年はその質量によって異なる運命をたどる。
恒星の見かけの明るさは、視等級や写真等級で表される。また、恒星本来の明るさは、絶対等級で表される。
目次
1 恒星の名称
2 語源
3 恒星の形成と進化
4 関連項目
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比較的明るい恒星は固有名がつけられたが、地方によって名称はさまざまだった。星表が作られるようになると、代表的な星表につけられた名前が次第に使われるようになった。
現在は、プトレマイオスがまとめた星表の名称が多く使われる。ギリシャ神話に由来する名称が多いが、アラビア語のものもある。これはプトレマイオスの著書がアラビア語に訳され、そこから広まったと考えられている。
それほど明るくない恒星は、主にヨハン・バイエルのバイエル星表に記載された記号で呼ばれる。これはバイエル記号と呼ばれる。星座ごとに明るい順にα星、β星とギリシャ語の記号をつけるもので、足りなくなると小文字のローマ字のアルファベットが、それでも足りないとローマ字の大文字が使われた。バイエルの死後、星座の境界が変更されたため、たとえばα星がない星座などが存在する。また、必ずしも明るい順につけられているわけでもない。具体的には、ギリシャ語のアルファベットと星座名をあわせ、「こと座 α星」などと呼ぶ。国際的にはラテン語を使い、α Lyraeと書く。このとき星座名は属格に活用変化させる。3文字の略符を使い、α Lyr と書いてもよい。4文字の略符もあるが全く使われない。
バイエルは混乱を防ぐため、たとえばローマ文字のa星を作らなかった。また、最も星の多い星座でも、Q星までしかつけなかったため、R以降の文字は、変光星などの特殊な天体につけられる。
これよりさらに暗い星は、ジョン・フラムスティードの星表に記されたフラムスティード番号で呼ばれる。恒星を西から順に1番星、2番星と数字の符号をつけるものである。ただし、フラムスティード番号は、南天の星座にはつけられていないなどの弱点がある。フラムスティード番号で、上記のこと座α星を表すと、こと座3番星(3 Lyrae、または 3 Lyr)となる。この番号は、フラムスティードの望遠鏡で見たところ、こと座で西端から3番目にあった星ということになる。
よく、バイエルが命名しなかった暗い星に順番に番号が振られたと言われることがあるが、誤りである。たとえば、オリオン座α星(ベテルギウス)は、フラムスティード番号ではオリオン座58番星となる。多くの恒星が、両者によって命名がされている。ただし、現在はバイエル符号が主に使われ、フラムスティード番号は主にバイエル名のついていない星に使われる。
これよりもさらに暗い星は、さらにそののちに決定された星表でつけられた番号や記号で呼ばれる。
「恒星」という言葉は、地球からその星を見たときの天球上の位置がほとんど変化せず、「恒に」その場所にあることに由来すると言われる。これに対し、天球上を移動していく星のことを「惑う星」という意味で「惑星」と言った。
太陽以外の恒星は地球から数光年以上の離れた場所にあるため、地球の公転や太陽系との相対運動によって生じる見かけ上の位置変化(固有運動)は非常に僅かである。固有運動の大きいバーナード星(HIP87937)でも10.36秒/年に過ぎない。これは、月の見かけの直径(視直径)分を動くのに約170年かかる速さである。
そのため、特に注意を払っていなければ数十年から数百年程度の時間では肉眼で変化を確認することは困難である。 恒星たちは、地球の自転によって互いの位置関係を保ったまま天球上を回転しているように見える。
一方、太陽系内の惑星は地球との距離が短いため互いの公転による見かけ上の位置変化が大きい。地球から見ると、惑星は他の恒星たちとの位置関係を変え、つまり天球上を動いているように見える。
恒星は、周囲より僅かに物質の密度が高い(それでも地球上の実験室で作ることができる真空よりはずっと希薄な)領域である分子雲から生まれる。分子雲の近くで超新星が爆発したり恒星が近くを通過するなどして分子雲に擾乱が起こると、その衝撃波や密度揺らぎによって分子雲の中に圧縮される部分が生じ、重力的に不安定になり収縮していく。(大質量星が作られると、その周囲の分子雲が星からの紫外光で電離されて散光星雲(輝線星雲)を作ったり、強烈に照らし出されて反射星雲として観測されるようになる。このような星雲の例として、有名なオリオン大星雲やプレアデス星団の周囲の青い星雲などが知られている。)
ガス塊の質量が十分大きいと、ガス塊は自己重力が圧力に打ち勝って収縮を続け、次第に内部の温度が上昇し、やがて熱放射で輝くようになる。これが原始星である。
原始星の中心温度が数百万度から約1000万度に達すると、中心で核融合反応が始まる。すなわち、4個の水素原子を1個のヘリウム原子に変え、エネルギーを発生させることができるようになる。するとこれが熱源となって圧力を発生し、重力による収縮が止まる。この段階の恒星を主系列星という。恒星は一生のうち約90%の時間を主系列星として過ごす。
質量が太陽の約8%よりも小さく、核融合反応を持続することができない星(褐色矮星と呼ばれる)は、自らの重力により、数千億年(宇宙が誕生してから現在までの時間よりも長い)という極めて長い時間をかけて、位置エネルギーを熱エネルギーに変換しながらゆっくりと収縮していく。最後にはそのままゆっくりと暗くなっていき、黒色矮星へと移っていく。
褐色矮星よりも重いが質量が太陽の46%よりは小さい恒星(赤色矮星と呼ばれる)は、核反応が遅く数千億年から数兆年かけて燃料である水素を使い果たした後、ヘリウム型の白色矮星になるとされている。赤色巨星の断面図
大部分の恒星は、燃料となる中心部の水素をほぼ使い果たすと、外層が膨張し巨大な赤い恒星に変化していく。これは赤色巨星と呼ばれる。