性別(せいべつ)は、生命体の生殖特性を指す。一般的な種類として、「雄」(オス)、「雌」(メス)がある。人間を指すときはそれぞれ「男性」、「女性」などと称する。両方の性別を両性、男女と総称する。また、ある性から見たもう一方の性は異性という。
動物の多くは性別を持つ。植物にも性別を持つものがあることが確認されている。
人間の場合は、生物としての性別を前提としながら、精神的・文化的に、あるいは社会的な立場としても異なったものとして成長する。この意味での性の区別を生物学的なそれとは区別してジェンダーと呼ぶこともある。なお生物的な性と性自認が著しくずれたり反転しているケースが、性別不快症候群や性同一性障害である。
目次
1 生物学的性別
2 人間の性別分化
2.1 染色体
2.1.1 典型例
2.1.2 非典型例・異常例
2.2 性腺
2.3 化学物質生産
2.4 生殖細胞
2.5 生殖管
2.6 外性器
2.7 脳
2.8 二次性徴
2.9 性指向
2.10 性自認
3 参考文献
4 関連項目
5 外部リンク
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配偶子が異形である場合、大きい方の配偶子を雌性、小さい方の配偶子を雄性という。そして、ある個体が雄性の配偶子のみを作る場合を雄、雌性配偶子のみを作る個体を雌という。そして、その生物の個体が雄性と雌性に分かれる場合に、この状態を「性別がある」という。ヒトの場合、男性は精子のみを形成するから雄であり、女性は卵だけを形成するから雌である。動物の多くはこれとほぼ同じだが、カタツムリなど一部の動物には同一個体が卵と精子を形成する雌雄同体がある。
植物でも同じである。種子植物の場合、便宜的に雄蘂と雌蘂をもって雌雄の配偶子嚢のように見なす。多くの花は同一の花に両方を持つ。それらを別の花につけるものがあり、それぞれ雄花と雌花という。この、雄花と雌花を別の株につけるものが雌雄異株で、その場合は個体に性別がある。
人間の性別は、根本的には男性化を促す遺伝子の有無に由来し、受精の瞬間にほぼ決定される。
胎児の状態では、遺伝的性別に関係なくその外見は男性の外性器が未発達である事から女性のそれに近い。これをもって、女性こそ人間の本質であると唱える説がある(一時は女性の地位向上の理由とされた)が、科学的根拠に欠ける。なぜなら、男性の精巣・女性の卵巣などの生殖器官はもともと同じ細胞群から分化した相同器官であり、胎児の一段階においてはこれらの細胞群が未分化状態であるため、一見すると男児も女児と同じように見えるということにすぎないからである。男性に乳首があり、女性に陰核があるように、両性は本来その性に必要のない異性の特徴を備えているのである。
ここでは主に性別分化の発達機序を追いながら説明し、非典型例についても触れることとする。
人間の23対の染色体のうちの1対は性染色体と呼ばれ他の常染色体とは区別される。
この性染色体の型(X染色体とY染色体の組み合わせ)によって、性別発達の機序は大きく左右される。 これは、Y染色体の上に、女性化を抑制し男性化を促すきっかけとなるSRY遺伝子が載っているためである。
性染色体の型としては、次の2つが典型的である。
XX型
性染色体としてX染色体を2つ有する。通常、女性として発育する。
XY型
X染色体とY染色体をそれぞれ1つずつ有する。通常、男性として発育する。
非典型的な例として、次のようなものがある。これらの多くは、精子・卵子の生産時に減数分裂に失敗したことによる。染色体異常も参照。
XO型(ターナー症候群、ターナー女性)
性染色体としてはX染色体を1つだけ持つ。まれに破損したY染色体のかけらを持っていることもある。発生率は2000人?3000人に1人である。発現形質は女性であり、外性器に形成変異はない。二次性徴が欠落する為、治療を必要とする。全体に低身長であり、月経不順などがあることもある。腫瘍・糖尿病の危険性が高い。
XXX型(スーパー・フィメール)
X染色体を3つ持つ。発現形質は女性。知的障害を伴う場合がある。
XXY、XXXY、XXXXY型(クラインフェルター症候群、クラインフェルター男性)
過剰なX染色体を持っている。発生率は1000人に1人。多くは発現形質は男性であり、外性器はほぼ正常な男性に見える。以前は精子が少ない事から自然的受精は無理だったが、現在は人工授精での受精が可能。骨粗鬆症になりやすく、女性の更年期障害に似た症状を呈することもある。
XYY、XYYY、XYYYY型
Y染色体が過剰である。発生率は1000人に1人。外性器は完全に男性であり、生殖能力もある。XY型男性に比べて精子が少ないという説もある。
XXYY型
クラインフェルターの一種とも、スーパー男性の一種とも言われる。
XX型男性
性染色体はXX型であるが、変異したY染色体のかけらが他の染色体に結合し、その上のSRY遺伝子が働いている。発生率は数十万?数百万人に1人と見積もられている。外性器はほぼ男性であるが、尿道下裂が見られることもある。生殖能力はない。思春期には女性としての二次性徴をすることもある。性ホルモン投与により男性化を促さなければ、次第に女性化していく。