思考実験 (しこうじっけん、英 thought experiment、独 Gedankenexperiment)とは、実際に実験器具を用いて測定を行うことなく、ある状況で理論から導かれるはずの現象を思考のみによって演繹すること。いわゆるシミュレーションも実際の対象を使わない点で共通するが、元来はモデルを使って行うものであり、少なくとも具体的な数値や数式を用いて詳細な結果を得る。これに対して、思考実験はよりあいまいで概念的な結果を求めるものを指す。
とりわけ科学史上、特殊な状況に理論を当てはめることによる帰結と、実験を必要としない日常的経験とを比較することによって、理論のより深い洞察に達してきた考察や、元の理論を端的に反駁し、新たな理論の必要性を示すとともに、それを発展させるのに利用されてきた考察を指すことが多い。 この言葉自体は、エルンスト・マッハによって初めて用いられた。 有名な例としては、アインシュタインが光の速度と慣性系の関係についての洞察から特殊相対性理論に達した考察が挙げられる。
目次
1 実例
1.1 アイザック・ニュートンの重力(万有引力)の発見につながる思考実験
1.2 ガリレオ・ガリレイによる「重いものほど速く落下する」という考えを否定する思考実験
2 思考実験一覧
2.1 数学
2.2 物理学
2.3 哲学
2.4 計算機科学
2.5 その他
3 関連項目
4 外部リンク
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アイザック・ニュートンの重力(万有引力)の発見につながる思考実験
あまりに有名な為後世の創作ではないかと疑われる事もあるが真実は不明。
りんごが木から落ちるのに遭遇したニュートン。
りんごの木を見上げるとその向こうには月が光っている。
りんごが落ちたのはりんごを木につなぎ止めていた力がなくなったからである。
では、なぜ月は落ちて来ないのか? どんな力が月を空につなぎ止めているのか?
糸をりんごに結びつけて振り回している図を想像するニュートン。
振り回すと速度によって離れて行こうとする(遠心力)。
月は地球を回っていることを思い浮かべる。
遠心力で月が飛び去って行かないのは、糸のかわりをしている力があるはずである。
月が地球の回りを回りながら同じ距離を保っているのは、遠心力とこのつなぎ止める力がつりあってからであるに違いない。
このつなぎ止める力を重力と呼ぼう。
しかし、重力は地球だけが持ち月をつなぎ止めているのか? それとも月も地球も重力を持ちお互いに引っ張りあっているのか?
これは、計算式を立てて様子を見てみないと分からない。
この結果、ニュートンは引力を形式化する微分を作ることになる。
ガリレオ・ガリレイによる「重いものほど速く落下する」という考えを否定する思考実験
重いものほど速く落下するとしよう。
大小二つの鉄球を用意する。
小さいものは遅く、大きいものは速く落下するだろう。
二つの鉄球を軽いひもでつないで一つの物体とする。
これを落下させると、小さい鉄球は速く落下する大きい鉄球に引かれるため元より速く落下する。一方、大きい鉄球は遅く落下する小さい鉄球に引かれ元より遅く落下する。従って二つの鉄球の中間の速度で落下するはずである。
しかし、全体としては大小の鉄球を合計した重量になり、より重くなるのだから元の鉄球それぞれより速く落ちるはずである。
同じ前提から相反する結果が導かれるのはおかしいのではないだろうか。
この後、ガリレオは実際に物体を落下させて「重いものほど速く落下する」というのが間違いであることを実験により示した。ただし、ガリレオの学徒ヴィンチェンツォ・ヴィヴィアーニがガリレオの伝記で書いているピサの斜塔で行った落下実験は、現在では事実であるとは必ずしも認められていない。
数学
ピンポン球問題 (無限)( ⇒Ping-pong ball conundrum)
モンティ・ヘル問題 (無限)( ⇒Monty Hell problem)
モンティ・ホール問題 (確率論、情報)
無限の猿定理 (無限、確率論)
ゼノンのパラドックス (無限小、極限)
ガブリエルの笛 ( ⇒Gabriel's Horn)
物理学の分野で使われる思考実験には、以下のようなものがある。
ガリレオの船 (力学、1632年)( ⇒Galileo's ship)
ニュートンのバケツ (力学)( ⇒Bucket argument)