干満
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潮の干満が激しいカナダ・ファンディ湾(Bay of Fundy)。満潮時同じ地点での干潮時の写真。干満差は世界一で、最大15mとなる
東京都港区台場の海。この日(2007年5月17日)は新月で、満潮時最高潮位は192cm。18時19分撮影同日付、同地点での干潮時の写真。この日の干潮時最低潮位は-18cm。10時48分撮影

潮汐(ちょうせき)とは、主に他の天体潮汐力により、天体の表面などが上下する現象である。

地球海面の潮汐である海洋潮汐・海面潮汐が広く知られているが、湖沼でも琵琶湖霞ヶ浦サイズなら起こる。また液体でなくても、大気(大気潮汐)や固体地球(地球潮汐)にも、また他の天体でも起こる。

地球の場合、自転に従い上下動は約半日周期で変動する。海水面が最も低くなる時を干潮(かんちょう)・引き潮(ひきしお)・低潮(ていちょう)、最も高くなる時を満潮(まんちょう)・満ち潮(みちしお)・高潮(こうちょう)という。干潮と満潮とを合わせて干満(かんまん)という。

しおともいう。漢字では潮と書くが、本来は「潮」はのしお、「汐」は夕方のしおの意味である。

潮汐の上下動にともない、海面が下がる海域から上がる海域へ水平動が生まれる。これを潮流という。

海面は潮汐力以外の要因でも上下し、気圧差や風によるものを気象潮という。代表的な気象潮は高潮(たかしお)である。気象潮と区別するため、潮汐力による潮汐を天体潮・天文潮ということがある。
目次

1 原因

1.1 遠心力の効果


2 実際の潮汐

2.1 河口域の場合


3 月の周期

4 日の周期

5 生物との関係

6 関連項目

7 外部リンク

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原因地球上の各場所は異なる力を受ける(紺色)。地球から見ると、地球中心との差分が残る(オレンジ)。海の両端に働く月の引力と遠心力。引力の違いが潮汐を生む。遠心力はどこでも同じであり、潮汐を生まない。

潮汐は、潮汐力(起潮力ともいう)によって引き起こされる。潮汐力は、重力場の強さが場所により違うことで生まれる力である。この違いは、月や太陽の重力場が距離の自乗に反比例して弱まることと、場所が違うと月や太陽の方向も異なることに起因する。

地球は重力場の中を自由落下している。そのため、外部の重力と逆向きの慣性の力が生まれ、地球全体としては重力場を感じない。しかし、地球の重心から離れた地点の重力場が地球の重心と異なる場合、その差分に応じた重力場があるように見える。

つまり、月の真下の海面では、月に近いため、地球の重心より強い重力場が働いており、より強く月にひきつけられている。逆に、月の反対側の海面では、地球の重心より弱い重力場しか働いていない。そのため、残りの地球のほうがより強く月にひきつけられ、海は取り残される。これらの位置では、上向きの潮汐力となる。

また一方で、その中間、つまり月から90°離れた位置の海面は、月から見て斜め方向であるため、重力場はわずかに地球中心向きの成分を持つ。このため、下向きの潮汐力が生まれる。なおこの潮汐力の大きさは、月の直下および反対側で受ける潮汐力のちょうど半分である。

引力は天体からの距離の2乗に反比例するので、その差分で決まる潮汐力は距離の3乗に反比例する。また、これらの力は天体の質量に比例する。地球から太陽までの距離は月までの距離の約390倍あり、太陽の質量は月の質量の約2700万倍ある。これから計算すると、太陽の引力は月の引力の約180倍であるが、太陽の潮汐力は月の潮汐力の約0.45倍にしかならず、月の潮汐力の影響が大きい。月の潮汐力を太陰潮、太陽の潮汐力を太陽潮という。


遠心力の効果地球と月は、地球内部にある共通重心のまわりを公転している。地球と月の共通重心の運動。地球の極の方から見ている。地球上のどの点でも回転速度が一定であることに注意。

地球の公転運動が場所によって違うことも潮汐の原因であるという説明がされることがあるが、間違いである。

地球とは、両者の重心を結ぶ直線上の一点 O(共通重心)を中心として互いに回転運動(公転)をしている。この共通重心は、地球の重心(ほぼ中心)から約4,600kmの位置、すなわち地球の内部にある(地球の半径は約6,400km)。

自転を考えず、共通重心まわりの運動のみを、地球の極の方から見ると右図のようになっており、この運動による回転速度は地球上のどの点でも等しくなっている。よって、この運動によって生じる遠心力も、地球上のどこでも同じ大きさとなっている(向きは、そのときに月がある方向と反対の向き)。したがって、遠心力では潮汐は起こらない。

以上は回転しない座標系での見方だが、公転に連動して回転する座標系で考えると、月の直下では遠心力が弱く(むしろ逆向きに)、反対側では遠心力が強くなり、地球から外向きの力が生まれているように見える。しかしこの力は常に(月の直下と反対側以外の向きでも)外向きである。つまり、回転による遠心力そのものにすぎない。遠心力も、見かけの重力場の差分に起因する広い意味での潮汐力だとも言えるが、時刻によらず常に上向きであるため、干満を起こすことはない。


実際の潮汐

上記のように潮汐の原因は天体運動によるものであるが、実際の満潮・干潮は、海水の慣性や、海流、湾岸の形状など種々の要因によって、天文学的に導かれる時刻とずれが生じる。

垂直・水平それぞれの方向に、干満の差が大きい海岸、小さい海岸がある。

水平方向の差の大きさは海岸の傾斜により、当然ながら同じ水位差であれば傾斜が緩い方が、つまり遠浅な方がその差は大きい。砂浜や、特に干潟のような傾斜のなだらかな場所では、水平方向にして数百?数千メートルにも及び海岸線が変化することがあり、そこに豊かな生態系がはぐくまれている。ただし、そのような場所で潮干狩りなどすると、潮が満ちてきたときにひどく長い距離を急いで逃げねばならない場合がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki