工業化
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工業化(こうぎょうか:industrialization)とは、農業中心の社会から工業中心の社会へと移り変わること。18世紀半ばのイギリスに端を発し、現在に至るまで続く、農耕社会から産業社会へと変化するプロセスである。産業化の訳語が用いられる場合もある。
目次

1 概要

2 各国の工業化

2.1 イギリス

2.2 ドイツ

2.3 アメリカ

2.4 日本

2.5 ロシア(ソビエト)

2.6 中国


3 関連項目

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概要

一般的に定義すると、工業化は「農業社会から工業社会への転換」を意味するが、厳密な定義は困難である。しかし、概ね、人力や畜力を離れ蒸気力や電力といった非生物的な動力の採用と産業の機械化を決定的な契機として、社会全体の変化が引き起こされるという点で一致している。ただし工業化は必ずしも蒸気動力の導入以後に限定されない。W.W.ロストウは工業化の決定的段階をもたらす条件として、1.生産的投資率の10%以上への上昇、2.製造業部門の高成長、3.経済成長を可能にする政治的、社会的、制度的枠組みの整備、の実現を挙げており、これらの条件を満たすことにより、工業化への離陸(テイク・オフ)が可能になるとされる。この工業化のプロセスの初期段階を一過性で個別的な歴史的事件と捉えた見方が「産業革命」である。

また工業化は近代化と極めて近い概念だが、近代化が民主主義などの政治的要素を含む概念なのに対し、工業化は技術的・経済的変化に重点を置いた見方である。その為、後発の発展途上国などでは工業化は進みながらも近代化が遅れている、という状況も生まれうる。なお、工業化も近代化も社会的な変化を含む、という点では共通している。

工業化を経験した社会では、農業などの第一次産業から工業などの第二次産業へと労働人口が移動する。農業においても機械化は進行し、自給自足的なそれから市場的交換経済を前提としたものへと変化していく。それに伴い親族集団の解体と農村共同体の崩壊が進み、核家族化、大衆社会化などが進んでいく。また蒸気力の導入により、工場は川の傍という制約を離れ、労働力を確保しやすい都市近郊へと移り、都市化傾向に拍車を掛けることになる。


各国の工業化 この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています。

国名開始時期特色鉄道開通年と開通区間
イギリス1760年代1.木綿工業の紡績部門・綿布部門で交互に展開
2.19世紀前半「世界の工場」としての地位を確立1825年、ストックトン・オン・ティーズ - ダーリントン
フランス1830年代1.フランス革命で創出された小農民中心(資本蓄積の遅れ)
2.七月王政期より本格化。発展はゆるやか
3.絹織物工業(中心リヨン)から開始1832年、リヨン - サン=テティエンヌ
ベルギー1830年代1.1830年のベルギー独立革命が契機
2.独立後の経済危機を克服すべく、国家主導で銀行・産業を育成
ドイツ1840-50年代1.領邦制のなかでのユンカー・ブルジョワの台頭
2.ドイツ関税同盟(1834年)による市場の統一
3.重工業から開始、西南ドイツやプロイセンで展開1835年ニュルンベルク - フュルト
アメリカ1830年代1.米英戦争(1812年 -1814年)後のイギリスからの経済的自立
2.西部開拓による国内市場の拡大
3.南北戦争後に本格化。19世紀末には米・独を追い越す1830年ボルティモア - エリコット・シティ( ⇒Ellicott City, Maryland
ロシア1890年代1.農奴解放令(1861年)による労働者の創出
2.フランス資本の導入と国家の保護により1890年代に本格化1838年ペテルブルク - ツァールスコエ=セロ
日本1890年代1.1870年代の政府の殖産興業政策が契機
2.綿織物工業から開始
3.日清戦争前後、軽工業中心に発達(下関条約賠償金も投入)1872年新橋 - 横浜


イギリス

イギリスにおける工業化の詳細は、産業革命を参照。

最初、織布の段階で起きた機械化が、紡績の機械化、繊維工業向けの機械産業の発生、機械製造資材の鉄を作る製鉄業、燃料となる石炭を調達する鉱業、原材料などを運送する鉄道産業などに波及し、工業化が始まった。


ドイツ

ドイツ関税同盟などを背景に経済的な領域を確立したドイツでも工業化が起きた。イギリスの例と対比されることも多い。
銀行資本の出資による積極的な拡張投資:ハイペースな事業拡大

独占企業の発生:シェアと利潤の確保

研究に基づく技術革新:科学者との協力で技術を生み出す

化学や軍事の分野で成果を挙げ、イギリスと伍する大国になり覇権を争うこととなる。


アメリカ

南北戦争での勝利後、工業地帯である北部の保護貿易による躍進で工業化が進んだ。広大な大陸の東西両端に大都市があるアメリカでは大陸横断鉄道建設のブームにより産業化が進行した。また、各産業で独占企業が発生した。また、実業家への賞賛と羨望が、有能な人間を国内のみならず海外からも惹きつけたことが発展の大きな原動力となった。

アメリカでは、数々の技術革新がおき、新産業が次々に生まれた。

第一次世界大戦から黄金の1920年代に掛けてアメリカの重化学工業化は大きく進展した。世界恐慌により、工業は大きく衰退したが第二次世界大戦の軍需により復活。戦後間もない頃において、アメリカ工業は圧倒的なシェアをほこった。

新技術の発達で工業化が進展したが、1970年代のスタグフレーションと1980年代初めの高金利政策により壊滅的な打撃を受け、工業は競争力を喪失した。

現在においては、コンピューターや航空機などの一部工業で競争力を有するものの、多くの工業製品を輸入しており、脱工業化が進展している。



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mango