就職氷河期(しゅうしょくひょうがき)とは就職難の別名。以下では、就職氷河期と呼ばれる就職難の国と時代について述べる。
目次
1 日本
1.1 概要
1.2 世代
1.3 影響
1.4 採用状況
1.4.1 新規採用
1.4.1.1 高卒
1.4.1.2 大卒
1.4.2 中途採用
1.4.3 新社会人の就職観の変化
1.5 資料
2 中国
2.1 中国の要因
2.2 中国の就職氷河期の影響
3 脚注
4 関連項目
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日本では、バブル崩壊後の就職が厳しかった時期を差す言葉。就職雑誌『就職ジャーナル』が1992年11月号で提唱した造語。
1994年の流行語大賞に選ばれた。
1990年1月より株価の暴落が始まり、その後、地価やゴルフ会員権価格等も暴落しバブル崩壊と呼ばれた。翌年2月を境に景気がリセッション入りし、人件費圧縮のために企業は軒並み新規採用の抑制を始める。これによって、1993年から2004年に就職する新卒が困難な就職活動を強いられた。就職氷河期が始まった1992年秋頃には「オイルショック以来の就職難」と言われた。
運の悪いことに、この時期はちょうど人口が多い第二次ベビーブーム(団塊ジュニア)世代が大学を卒業し、就職する時期が重なっていた。1996、1997年3月卒の新卒は一時的な景気回復での多少の恩恵を受けはしたものの、1997年下旬の大手金融機関の破綻などで景気がどん底まで沈むと、これ以降新規採用の抑制はピークを迎えた。
また、この時期は求人数の落ち込みの他に、企業の業績悪化により新卒を育てる余裕が無くなり、現場に即投入できる「即戦力」を新卒に求める風潮が出てきた。これにより雇用のミスマッチ(転職#需給のミスマッチも参照)が増加し、単純に求人数が増えても失業率が下がりにくくなっていった。
この就職氷河期は、2000年代後半の景気回復や、2007年問題として話題となった団塊世代の退職の影響による求人数の増加により、雇用環境は改善、2005年に終焉を迎えた。新卒者の求人倍率は上昇し、2006年には売り手市場と呼ばれるようになった。
一方で、既卒者の雇用環境は厳しいことから「世代間による雇用機会の不均衡」を指摘する声が強まった。これは、日本の採用市場が新卒に偏重しているため、既卒者の就職が不利な状況にあるためである。団塊世代の退職による労働力減少への対応についても、大多数の企業は新卒者ないしは賃金の安い外国人労働者、定年者の再雇用によって補う意向で、就職氷河期世代の救済にはつながりにくいという見方が支配的である。就職氷河期で就職できなかった世代は既に卒業後相当の年数が経っており、企業からすれば新卒者に比べて扱いにくいことも一因だと言われている。
就職氷河期に就職活動を行った世代(大卒だとおおむね1970年代から1980年代初頭生まれ)は、氷河期世代と呼ばれることが多い。他に「貧乏くじ世代」(香山リカ)、「ロストジェネレーション」(朝日新聞が、2006年8月及び2007年1月の特集で使用)といった呼び方もある。
雇用形態では、正社員になれず、非正規雇用の労働者となった者が多数いる。フリーターやニートと呼ばれるカテゴリーに属する者が多い。
企業側では10年近く新卒者の採用を控えたため、多くの企業で従業員の年齢構成が歪み、技術・技能の伝承が困難になっているという指摘がある。また、雇用の抑制は社内の人手不足を招き、労働環境が苛酷になる企業が増加した。特に2007年から順次退職する団塊の世代の抜ける穴を埋めるべく、企業は2000年代半ばより新卒の採用を大幅に増やしている。
高卒者[1]の雇用環境は、この時期に大きく悪化した。平成17年3月高校・中学新卒者の就職内定状況等によれば、求人数は1992年の約34万人をピークに、2003年には約3万人にまで激減した[2]。要因としてはいくつか言われており、例えば大手企業が採用条件を四年制大学卒に限るとするなどの高学歴化へのシフトなどが指摘されている[3]。
大卒者の雇用環境も、この時期に大きく悪化した。リクルートワークスの調査によれば、1991年をピークに求人倍率は低下傾向で推移し、2000年には1倍を下回った。多少の変動はあるものの、2002年を谷とする景気の回復に伴い求人数が増加するまで、長期間にわたり雇用環境は厳しい状況となった。
就職率もこの時期は厳しい状況にあった。学校基本調査によれば、1991年の81.3%をピークに低下を続け、2003年には史上最低の55.1%となり、2003年卒業者(順調に進学・進級すれば1980年度生まれ、早生まれは1981年生まれがこの年の卒業となる)は氷河期世代の中でも最も悲惨な時期となり、幸運にも新卒で正社員になれたとしても「国立大の法学部を出てトラック運転手になる」などと揶揄された様な、本人の志や能力とはおよそ異なる様な道しか選べなかった者も多い。※一般的に、雇用系列は景気動向に遅行すると言われており、景気の山谷と就職率等の山谷とは必ずしも一致しない。
中途採用については新卒よりも雇用環境は厳しい状況となった。企業が“即戦力”を要求する為、新卒時に正社員へと就職できなかった者の多くがその後も正社員となれず、就職活動を諦める者も現れた(ニートも参照)。離職者についても、十分なスキルを蓄積できなかった者は再就職が困難な状態となった。