婚姻の無効
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婚姻の無効(こんいんのむこう、Annulment)とは結婚が無効であるということを宣言する法的手順のことである。婚姻の無効は、法廷が結婚関係の終わりを認める離婚とは異なり、そもそもその婚姻関係が成り立っていなかったことを示すものである。
目次

1 婚姻の無効の法的基礎付け

2 日本における婚姻の無効に関する民法

3 婚姻の取消

4 カトリック教会における婚姻の無効

5 統一教会の合同結婚式をめぐる婚姻無効訴訟

6 ニューヨーク州における婚姻の無効

7 歴史における婚姻の無効の例

8 関連項目

9 註

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婚姻の無効の法的基礎付け

婚姻の無効が宣言されるための条件は、各国の法体系によって異なり、偽証重婚・精神的な原因による不能などが一般的な理由とされる。一般的には以下のような理由があげられることが多い。

配偶者が結婚時にすでに別人と結婚している場合(重婚

配偶者が幼すぎる場合、また幼いに関わらず保護者のゆるしなく婚姻しようとした場合。

配偶者が結婚時にアルコール中毒薬物中毒である場合。

配偶者が結婚時に精神的な理由により不能である場合

結婚が強制的にあるいは偽証にもとづいて行われた場合

配偶者に「結婚の能力」がない場合。(すなわち肉体的に性的不能である場合)

婚姻の当事者たちが法律によって結婚できない関係にある場合。(近親婚など)


日本における婚姻の無効に関する民法

日本においては ⇒民法第742条から ⇒第748条に婚姻の無効についての条項がある。*第742条   【 婚姻の無効 】



第一項 婚姻は、左の場合に限り、無効とする。

第一号 人違その他の事由によつて当事者間に婚姻をする意思がないとき。

第二号 当事者が婚姻の届出をしないとき。但し、その届出が ⇒第739条第二項[1]に掲げる条件を欠くだけであるときは、婚姻は、これがために、その効力を妨げられることがない。


「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指す(実質的意思説)ものであり、単に婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があって一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思があるのみでは婚姻は無効となる(最判昭和44年10月31日)。

例えば、便宜的に婚姻生活を継続するつもりは無いのに、男女間で生まれた非嫡出子準正により嫡出子とする目的で婚姻することは無効とされており、これに反して婚姻届を提出した場合、後に他の相続人から相続関係をめぐり婚姻無効を理由とした訴訟を提起することも認められる。これに対し、日本の裁判所は比較的養子縁組については相続目的でも緩やかに認める傾向はある。

以上の民法上の規定から、どちらか一方に結婚する意思がない場合は無効であり、内縁の関係であっても、相手の同意なしに婚姻届けを出したとしても無効とされる。


婚姻の取消

第747条

詐欺又は強迫によつて婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができる。





A前項の取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免かれた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。



第744条

第731条[2]乃至 ⇒第736条[3]の規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消を裁判所に請求することができる。但し、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。





A ⇒第732条[4]又は ⇒第733条[5]の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消を請求することができる。



カトリック教会における婚姻の無効

カトリック教会では伝統的に信徒の婚姻関係は神の前で結ぶものであり、それを解くこと、すなわち離婚はできないと教えてきた。にも拘わらず、特別な場合に限って婚姻の無効が認められることがあるが、それを「離婚」とみなしているわけではない。カトリック教会が婚姻の永遠性をうたい、離婚を認めないとしながら、婚姻の無効を認めていることは実質的な離婚への抜け道になっているという批判もある。とはいってもやはり婚姻の秘跡は離婚とはまったく異質なものである。すなわち、結婚が成立した上でその関係を解消する離婚とは異なり、婚姻の無効は結婚の成立の時点へさかのぼってその是非を問うからである。婚姻の無効を実質的な離婚の手段として濫用することは、カトリック教会における本来の意図から離れたものであるため、婚姻の無効はそう簡単には認められない。 カトリックの信仰に関する権威ある解説書にも「カトリック教会は教会裁判所による厳密な審査のあとで婚姻の無効(婚姻関係そのものが成立していなかったということ)を判断することができる。その場合、婚姻の無効が成立した二人は自由に結婚することができる。」(カトリック教会のカテキズム1629条)とあるように、婚姻の無効に関する規定の本来の意図は、カトリック教会が婚姻を(旧約聖書にあるように)神の前で「男女が一体になる」ものであることを示すものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki