夕立
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この項目では雨の夕立について記述しています。日本海軍の駆逐艦については夕立 (白露型駆逐艦)を、それ以外については夕立ちをご覧ください。

夕立(ゆうだち)は、午後から夕方にかけてよくあらわれる天気。「夕立ち」とも表記する。夏の風物詩の一つ。夕立の雲夕立の雲
目次

1 夕立の定義

2 経過

3 夕立の地域性

4 原因

5 夕立の予報と警戒

6 関連項目

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夕立の定義

夕立という現象は、気象学的には驟雨にわか雨雷雨集中豪雨といった現象にあたり、「夕立」という独立した現象があるわけではない。ただ、通常の驟雨などに比べて発生する時間帯などが特徴的で、一般的によく知られているため、日本では「夕立」という用語を気象学でも(特に天気予報で)用いる。

現象としては、急に発達した積乱雲によりにわか雨を降らせ、突風(ひょう)などを伴うことがあるものである。

時間帯では、正午を過ぎたころから日没後数時間までに発生するものを指す。これに対して、早朝に発生するにわか雨を「朝立」と呼ぶこともあるが、夏特有の現象というわけではなく、単純に早朝に発生するにわか雨の事を指しているだけで、あまり使用されない言葉である。

時期では、梅雨明けごろから秋雨が始まるころまでで、夏の晴れが多い時期に発生するものを指す。

前線、特に寒冷前線通過に際しても、突発的な強雨、強風、雷などの夕立に似た現象が起きるが、この場合は季節や時間を選ばず広範囲に起こるので、夕立とは区別される。また、低気圧の周辺で発生するもの、台風の周辺で発生するものも夕立とは呼ばない。


経過雲の成長から消滅までの過程については積乱雲、夕立の起きやすい気象状況については成層不安定も参照。

高温でも比較的空気が乾いた「カンカン照り」の日には起きにくい。湿度が高く蒸し暑い「油照り」の日の午後によく発生する。

短時間でが出てきて大粒のが降るのが特徴。青空に突然積雲が現れ、それが雄大積雲、積乱雲へと成長し雲のてっぺんの高さが高度5,000?10,000m程度に達するまでにかかる時間は、普通は1?2時間程度、短くて数十分のときもある。雨が降り出すのは、雲の成長がピークを迎えたころからで、冷たい強風とともに雨が降り出す。冷たい強風を伴うのは、雨が下降気流と一緒に落下してくるためで、下降気流は雨を押し下げ、雨も自身の重力によって周囲の空気を押し下げることで、下降気流は上空で次第に強まりながら地上に吹き降ろしてくる。

この下降気流による冷たい強風は、積乱雲の下や周囲の気温を急激に下げ、夏の暑さを和らげてくれる。また、雨が降れば、蒸発の際に地面から気化熱を奪ってさらに気温を下げる。

一方、冷たい強風は時に激しい突風をもたらすこともある。多いのはダウンバーストで、稀に竜巻が発生することがある。

夕立の雨がにわか雨なのは、積乱雲の中の気流の乱れに関係している。1つの巨大な塊に見える積乱雲でも、その中ではいくつかの気流循環のまとまり(セル。降水セルとも言う。)があり、下降気流や上昇気流の部分がそれぞれ複数存在し、まばらに分布している。このせいで、地上から見れば、積乱雲の移動に伴って雨が降ったり止んだり、雨の強さも変わりやすくなる。

夕立はを伴うことが多い。積乱雲が成長する過程で、水滴や氷晶がぶつかり合って発生する静電気が大量に蓄積されるためで、雲から最初の雨が降り出すのに前後して雷が鳴り出す。

また、が降ることもある。積乱雲は、雲自身が成長する過程で上昇気流を誘発して強める。この強い上昇気流によって、雲の中の氷晶が落下と上昇を繰り返すことで、解けてくっついて凍ってという成長のサイクルも繰り返されて氷晶が大きくなり、やがて落下する。静電気は水より氷のほうが起きやすいため、雷が激しいほど、雹が降る可能性も高い。雹が降るのは上昇気流が弱まり始めたときが多く、雹が降り出したら夕立が収まる前兆ともいえる。

雨は強いが継続時間は短く、せいぜい2?3時間であり、範囲も狭く数キロメートル四方程度であるため、水害の規模は小さい。道路の冠水や小規模河川の氾濫が起こったり、山間部の傾斜が急な河川では鉄砲水が発生することがあるが、大規模な洪水が起こることはほとんどない。ただ、落雷による被害が起こる場合があり、ちょうど夏休みの時期で外出が増えるため、屋外で被害に遭う可能性は高い。また、稀にダウンバーストや竜巻による被害が発生することもある。

夕立が終わった後は雲も消えて晴れ間が広がり、気温も下がっているため過ごしやすくなる。但し、暑気が抜けきらないと、雨で湿度が上がり非常に蒸し暑くなることもある。が発生することも多い。

夕立を起こす積乱雲は、東寄りに移動することが多いが、春や秋の低気圧や高気圧が同じように移動するのに比べ、その頻度は低い。夏の時期は強い偏西風が日本の北方に北上してしまっているため、日本上空の偏西風が弱く、夏の南東季節風の影響力が強いためである。気圧配置次第ではさまざまな方向に積乱雲が移動するため、その日の風の状況を知らなければ移動方向を予測するのは難しい。


夕立の地域性

内陸部の栃木県群馬県は夕立による雷の発生が多いことで有名である。

台湾の夏季には台湾語「サイパッホー(s?i-bak-h?)」(普通は西北雨と表記、正しいのは夕暴雨)と呼ばれる猛烈な夕立が多い。

熱帯地方のスコールも発生する時間帯は夕立と同じであるが、熱帯地方は日本の夏のような気象状況が日本よりも長期間続くため、発生する時期も長い。また、熱帯地方は日本よりも対流活動が活発(大気が不安定)で水蒸気の量も多いため、雨などがより激しい。


原因夕立の様子を捉えた衛星画像。九州から関東までの広範囲で積乱雲が発生し、四国の南方では巨大な雲の塊に成長している。(2008年7月31日、PD NASA))

夕立の発生は通常、午前中からの日射により地表面の空気が暖められて上昇気流を生じ、水蒸気の凝結によって積乱雲を形成して降雨をもたらすという過程を取る。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki